SONICWIREより、ササキタカシさんが制作されたHARDWARE TECHNO LOOPSが発売されました。
非常に高品質なサンプルパックで愛用しています。
TECHNOと銘打っていますが、ハウスやR&Bなどにも使える。ループを組み合わせだけでいい感じになるというちょっとびっくりするようなサンプルパックです。
この高品質なサンプルパックがどのようにして作られたのか。作られたハード、録音方法、レイヤーなど、ササキさんの信じられない作り込みがあることがわかってきました。
前回は録音に利用した機材や録音方法について伺いました。DAWは単なるレコーダーとして使っていること。全てのハードの美味しいところを確認した上で、一からパターンを作り込むなど、機材への愛を語っていただきました。
ものすごい手間が掛かっているのは前回のインタビューでよくわかっていただけるのではないでしょうか…
ササキタカシ氏の活動についてはこちら。
質感があるとは
うりなみ:皆さん実際に聞かれるとびっくりすると思うんです。それぞれのハードの特徴というかとにかく質感がね…
質感っていう言葉は凄く曖昧な言葉で申し訳ないと思うんですけど、とにかく素晴らしいんですよ…
皆さんに他のループも是非聞いてもらいたい。
このコズミックとかね。僕気に入って使ってるんですけど 、これだけで世界観が作れちゃいますよね。
(再生する)
1個1個のそのハードの美味しいところももちろん捉えてるし、やっぱりこれが入るとササキさんの色もあるんですよね。でもバランスが崩れるかといったらバランスが崩れないというのは、何なんだろうこれはって。笑
(調味料的なものとのコメントが入る)
ササキ:そうですね、料理に少し足したら急にいい感じになったりとかあるじゃないですか。柚子胡椒みたいな。笑
うりなみ:それはほんとうに、そうですね。1トラック加えるだけで一気に曲として纏まるという。音楽的なんです。でもね、邪魔しない。
これは本当にみなさんご購入いただいて使うと一発でわかるはず。あとで、トラックを作っておきます…
Ableton12.1雑感
— うりなみ (@urinami) July 11, 2024
MPE,なかなか使い所が難しいですけど、新しいGlissandoは簡単にカーブが描けるので、今後利用が増えそうです。
スタート位置、カーブを選択できるので、12で搭載されたStrum並みに便利。MPEなくても使えます。 pic.twitter.com/mxnpNpjM0g
インタビュー時の音源ではないが、Hardware Techno Loopsのドラムループを加えて作成した。分かりやすいようにベタ打ちのコード、ベタうちのベースにドラムを加えただけのもの。ドラムはノーEQ、ノーコンプ。ベースをかなり出しているにもかかわらず、キック、ハイハット、スネアの3点セットがしっかり聞こえている。そして耳に痛くない。ドラムのループがいかに強力かよくわかる例。ドラムの1トラックが加わっただけで形になっている。
そういえば以前柚子胡椒いただいてますね。笑
ササキ:そうだ送ったことありましたね。笑
うりなみさんね、柚子胡椒好きですからね、 皆さん Amazonから送ってくださいね。笑
うりなみ:そう 是非。みなさん、徳を積んでください。笑
このインタビュー、僕はアフィリエイトもないのでササキさんに儲かってもらいたい一心でやってますからね。笑
ササキ:ありがとうございます。笑
うりなみ:皆さん。何か質問があったら是非、チャットに書いちゃってくださいね。サンプルパックの舞台裏が聞けるなんて滅多にない機会ですよ。笑
ササキさん、分かりやすい喩えをありがとうございます。こればっかりは聞いてもらうしかないんですよね。聞いたら買わざるを得ない。笑
曲のクオリティを一気に上げてくれる 他のジャンルでも使える
うりなみ:ササキさんのループがいかに凄いっていうのをちょっとやってみます。笑
私作成したループで恐縮なんですけど ササキさんのループ抜きでまず掛けて聞いていただきましょうか。
質感が加わるという意味がわかっていただけると嬉しいんですけれども。
これにドラムとテクスチャーとコードを足していきますね。
モーダルなやつですね。Aドリアンでやりました。
15分ぐらいで作った雑ループなんですけど、ササキさんのループが入るとどうなるかっていうのを聞いていただきましょう。
ま、いつもやっているようなオールドスクールなファンクですね。これがどうなっちゃうんでしょう。他のジャンルでも使えるという意味がわかっていただけると思います。
こんな感じですね。じゃあドラム入れます。
じゃあ今度はコード。
[拍手]
シーケンス入れます。
[拍手]
凄いですよね。笑
ササキさんのループにおんぶに抱っこしてもらってますね。笑
このシーケンスが入ってるのと入ってないのとで全く質感が変わる。メインのファンクの要素は私が作ったから無くならないわけですけど、曲として一気に強度が上がりますよね。
だから僕みたいテクノの門外漢であるような人が違うジャンルで使ってもそのフレーバーを取り入れることが出来る。Boogie的な質感いれるようなことも容易です。
しかもご覧くださいBPM110なんですよ。(もとのBPMは125)
BPMを落としたとしても質感が失われたりはしてないんですね。
だから他のジャンルでも非常に使える。下処理してあるから、早い。
チェーン見ていただいたら分かると思うんですけど本当ここだけですよ。
恐ろしいことにここだけしかEQしてないんですよ
(画面を見せる)
たったこれだけの処理でこんなのになるっていうのは驚嘆すべきものですよ。
このシーケンスはちょっとオートメーションは描きました。他のパートとぶつかるからこうしたんですけど。
EQ切ったとしても。素晴らしい質感でしょ。
(再生する)
ぶつかるからこうしてるだけの話で、それだけで成り立ってしまう。
そしてこのシーケンスがなかったら全然成り立たないような曲になってますよね。一気に躍動感が出る。質感が加わるというのがお分かりいただけたんじゃないでしょうか。
4小節単位や2小節単位で成立する非常に音楽的なループだという印象が残ったんですけど。
このループの長さとかそういうのでこだわったところあります?
ループ掛けているだけで、触発されるところがすごくあったので。
循環する気持ちよさ
ササキ:そうなんですよ。
まさに一小節だけループさせちゃうとマシンでライブをやってる時の感覚や質感が出ないんですよ。
ハードでライブやる時って2とか4とか8小節ぐらいで一まとまりみたいな、周期を感じながらやるので。
あと僕の曲は結構ハイハットのスイング値が跳ねてて… 疾走感がある様に作っている。
BPMよりも早く感じること多いと思うんですけれど。
その跳ねてる感じってのもやっぱり4〜8小節ぐらい録ると初めて回ったなって感じになる。
うりなみ:ループが短すぎるとテクノの高揚感って表現しにくいと思います。循環する気持ちよさというか。
ライブ感を大事にしてるんだなというのをすごく感じました。
ササキ:そうですね。ファンクとかもそうじゃないですか。
なんか こう4小節で頭に戻るみたいな感じ。
ブラックミュージックならではのこのぐるっと一周回って頭に戻ってそれを繰り返す気持ち良さみたいなところを、トラックを作る時も意識しています。
どうやってハードを集めた?
うりなみ:制作期間2ヶ月でこれだけのハードを集めるのはすごい大変だったと思うんですけど…
どうやって集めたかということについてもお聞かせください。
ササキ:そうですね …
僕が色々とハードウェア使ったライブの映像なんかをですね TwitterだのInstagramだのFacebookだのにあげてるおかげでそういう仲間が全国にいらっしゃいまして。笑
その皆様に「ちょっとレアな機材借りたいんですよね」みたいな話をすると、皆さん心よく貸してくださったわけです。
その結果、札幌のみならず全国から来てですね。笑
あの日本中の色々な方から色々なレアな機材が届きまして一時期、部屋がすごいことになってました。笑
一時期は、部屋に足の踏み場もないくらい機材で溢れ返っていたそうです。
ササキさんのサンプルパックが素晴らしいのは、豊富な現場経験と、何より音楽に対する理解度の高さにあると思います。丁寧なEQであり、単体でグルーブがあるループに現れていると感じました。
今回、自分の作ったループにHardware Techno Loopsを加えたものをアップしたわけですが、ジャンルが違っても成立するのわかっていただけたのではないでしょうか。
作ったループは、全て生演奏。
生楽器中心のアンサンブルに、4つうちのテクノのループを加えて成立するのかと思われたかもしれないですけど、ループの強度があるから問題ないわけです。
循環する気持ちよさというのはダンスミュージックに共通するものですし。
1ショットも素晴らしいのでぜひ購入の上、ご自身の制作に活かしていただきたいと思います。
1ショットだと権利の問題上、ブログに上げられませんので。本当にね、素晴らしいんですよ。加工の手間がないのと、いい音というのは触発されますから。
リリース情報
リリース情報 フランス Naeba Recordsよりリリースされた
TAKASHI SASAKI Featuring SAyA – Night Loop 収録のコンピ Japanese Xperience
好評につき追加製作、リリースが決定したRemix Night Loop remixes
昨年イタリア LETS TECHNO recordsよりリリースされ beatportで2位になったEP Future Memory
ライブ情報
2024.08.31(sat)
sound×dance×visual
Collaboration Event
“SPANDA Vol.3”
open18:00 start18:30
charge2500yen + 1 drink order
at environment 0g [ zero-gauge ]
大阪市西区南堀江3-6-1 西大阪ビルB1
(出演時間は20:10から20:50までを予定しています。)
Beep
ササキさんが主催されているDAWLESSのイベント、Beepの予定です。
beep 50 NON PC ELECTRONIC SOUND LAB.
2024.09.27(金)
21:00 – 23:30
¥1500(別途1ドリンクオーダー)
■Guest:
HATAKEN
MADZINE
■LIVE:
Takashi Sasaki
Shohei Takata
Yohei Kisaka
kousuke sato
■VISUAL:
chiyo_midnight
omi(Amejika)
大人座 札幌市中央区南1条西1 板谷ビル 8F
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