進撃のジャズファンク | 無理ない暮らし
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進撃のジャズファンク

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音楽
この記事は約44分で読めます。

たまにはギター関係の書籍の紹介を。周りのファンクおじさんの所持率は脅威の100%超え。

どえらいマニアックなものだと思うんですけどね…

みんな電子書籍と書籍の両方を買ってました。おじさんは老眼が進むと読めなくなっちゃうからね。両方買わないと。

海外のマニアにも勧めました。皆買ってる。ファンク、人気があるんだなあ… 

もしかして、ブームが来てます?


僕らにとってはいつでもブームだけどね。

ギター・マガジンのガジン2017年3月号『進撃のジャズファンク』と、ギター・マガジンWEBの連載『進撃のジャズファンク外伝』を1冊にまとめ、さらに新たな記事を追加したもの。ファンクが好きな人は買っておきましょう…

表紙がグラント・グリーン大先生。その時点で失神してしまう人も続出するんじゃないかしら…

カッコよすぎますね…イケメンすぎです。ちょいワルというより、極悪という感じでたまらないですね…

「金なら返せんが、ソウルならある…」とタバコ吸いながら言いそうな感じですね。妄想が捗ります…

ジャズ・ファンク期のギタリストの名盤紹介、奏法分析など内容豊富。リーダーアルバムだけではなくサイドマンとしてのアルバムもとりあげてあるので、長期間楽しめると思います。

ジャズ・ファンク期のスタイルを学びたい人にも嬉しいんじゃないでしょうか。

バイオグラフィーも充実しています。

どれもこれもマニアックですけどね。

しかし、グラント・グリーン大先生は前期は端正なバップのラインを弾いていたのに、なぜ、こういうウルトラ・ファンクスタイルになったのか… もともとファンキーではありましたけど、ファンク期はもう異次元ですからね。

こういうやつです。パーカーライクなやつ。コードの上部のアルペジオを弾くバップなんかでよくあるフレーズで、いろんな進行に使いまわしてました。実質的にはKe=Fメジャー的であるので、BbmajやFmaj、Fのダイアトニック進行でもこういうフレーズをGrant Green大先生は弾きまくっていました。
3連はスイープ中心で弾きます。ジャズ・ギターだと3連だけスイーブというのは多いですね。前期はこういうフレーズを良く使ったのに,ファンク時代はドミナント7th一発ものでもこういうものは弾かなくなりました。

後期だとペンタトニックというかブルース・スケール主体ですけど、前期だとドミナントでも結構オルタードのライン弾いていたり、イメージよりモダンだと思います。

この時期だとフリジアン・ドミナントでアプローチする人のほうが多い印象があるんですけど。

どうでもいいですね…

Boogaloo Joe JonesのRIGHT ONの分析という、マニアック過ぎて大丈夫なのかなという記事も含めて最高でした。

ストレート・アヘッドなジャズが好きな人が聞いたら、怒り出しそうな一本調子の鬼グルーブの曲なんですけど、それがいいんですよ。

この路線が超凄ければ何もいらんでしょう…

Charles Earland大先生はもうちょっと頭がいいオルガンも弾けるのだが、ここでは全員シーケンス・フレーズ合戦。偏差値を30くらい下げたプレイに血圧の上昇が止まりません!
ジャズ・ファンク系アルバムはそういうものが多いですけど、それがええんです…
あまり知られていないかもしれないが、Jimy LewisはCount Basieバンド出身。ダブルベースからエレクトリックベースに転換した人なので、ちょっとファンクベーシストとアプローチが違うのも面白いです。King Curtis大先生などでもいい仕事しています。試験に出ますよ。覚えておきましょう…

奏法解説されている石沢さんも素晴らしかったです。ラン・フレーズの取り上げ方も愛があって実に良かった。

一拍半のフレーズは、Boogaloo Joe Jonesの良くやるようなリックの変形っぽいし、異弦同音フレーズなんかはグラント・グリーン先生の必殺リック。

1弦と2弦でやるほうが多いと思うんですけど、3,4弦で書いてあったり、ニヤリとするポイントが多かった。素晴らしいです…

ダブルストップの解説も特徴を捉えている。

取り上げてあるのはDミクソリディアンに基づくダブルストップの常套句なんですけど、クロマチックアプローチがあったり、物凄くらしいフレーズでした。愛があって素晴らしいです。

Billy Butlerが取り上げられていたり、世界でも類をみないマニアックな本ですね。イギリスのファンクマニアも喜んでいました。

これ読んだら、Cornell Dupreeが影響受けたのはよく分かると思います。

R&B,ジャズ,ファンク、ソウルと一つの大きな流れの中にジャズ・ファンクも位置していますしね。

6度のダブルストップやスウェル奏法などが多用される奏法もR&Bギターの系譜の中にあることもわかる。こういうの自分で調べるのは大変だと思うので、情報がまとまっている書籍になっているのはありがたいです。

他の奏法解説されている久保木さん、安藤さんの参考譜例も、それぞれのギタリストの特徴あるプレイを取り上げていて素晴らしかった。愛を感じますね。

全人類、老若男女問わずオススメです!

2冊買うのも良いでしょう… 恋人、配偶者に、同僚、友人に配っても間違いなく喜ばれるはずです。

酸いも甘いも噛み分けたバツ2の私が自信をもってオススメします…

追記:2024/06/10

スウェル奏法って言われても良くわからんよなと思ったので動画追記。このギターのメロディでアタックをなくしている奏法ですね。肉声みたいな感じになります。ボリューム奏法と言われることがありますね。フィル・アップチャーチ風に弾きました。アレ風ですね…

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今回のテーマに沿ったCDもあります。まあ、これも大丈夫かな。ギター・マガジンの編集部でどういった編集会議がされていたんでしょうか…

「2枚目は、グラント・グリーンだけね!」「ファンキーで問題ないですね!」

そんな会話だったのかなあ。無法地帯なのかな…と心配になってしまうくらい素晴らしい選曲です。

2枚組で一枚が丸ごとグラント・グリーン大先生という。イタリア人も思わずニッコリしとったぞ…

CD 1 / Various Guitarists Side

01.ノー・ウェイ No Way (ブーガルー・ジョー・ジョーンズ)
02.ブラウン・バッグ Brown Bag (ブーガルー・ジョー・ジョーンズ)
03.サンキュー Thank You (メルヴィン・スパークス)
04.バンブー Bambu (ルーベン・ウィルソン)
05.シャドウ・ダンサーズ Shadow Dancers (ジョージ・ベンソン)
06.ジブレット・グレイヴィ Giblet Gravy (ジョージ・ベンソン)
07.ザ・ソウル・ロール The Soul Roll (ビリー・バトラー)
08.チャンク・ア・ファンク Chunk A Funk (メル・ブラウン)
09.ボウレグス Bowlegs (ファンク・インク)
10.シスター・ジェニー Sister Janie (ファンク・インク)
11.サッグ・シューティン・ヒズ・アロウ Sagg Shootin’ His Arrow (ジミー・スミス)

CD 2 / Grant Green Side

01.ウインドジャマー Windjammer (グラント・グリーン)
02.ジャン・ジャン Jan Jan (グラント・グリーン)
03.ハート・ソー・バッド Hurt So Bad (グラント・グリーン)
04.エイント・イット・ファンキー・ナウ Ain’t It Funky Now (グラント・グリーン)
05.スーキー、スーキー Sookie, Sookie (グラント・グリーン)
06.カンタロープ・ウーマン Cantaloupe Woman (グラント・グリーン)
07.キャスト・ユア・フェイト・トゥ・ザ・ウィンド Cast Your Fate To The Wind (グラント・グリーン)
08.ザ・ファイナル・カムダウン The Final Comedown (グラント・グリーン)
09.アフロ・ディジアック Afro-Disiac (チャールズ・カイナード)

Roy Gaynes,Little Beaver,Johnny Guitar Watsonなど他にも取り上げて欲しいプレイヤーはいっぱいいるんですけど、難しいかな。無理か…

売れたら続刊が出るんじゃないかと期待します。

駄目ならこういうの記事にしようから…

ジャズファンからもファンクのファンからもジャズ・ファンクはちょっと距離がおかれているところありますからね。演奏しても聞いても楽しいものだと思うので。

毎日更新しても数年は書ける量があるはずだし…

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日本語で学べる書籍です。前期のグラント・グリーン大先生のスタイルのフレーズもあるので、楽しめるのではないでしょうか…

追記:2024/06/05

Grant Green大先生は、Wesと違って譜面が得意だったと言われています。ホンマかよと思うんですけど、こういうこともやってますからね…

1:00からの超展開はキターーーとなりますね。期待を裏切らない。僕らのグラント・グリーン大先生はファンク度数が測定不能なレベルですね。

どうでもいいんですが、昔、気になっている女の子に「これ気に入るかも?」と言って聞いてもらったんですけど、二度と口を聞いてくれませんでした…

期待を裏切ったのかな。クラシック好きな女子にも楽しんでもらえるとの確信があったんですけどね…

多様性、今ならわかってもらえるかも…時代が早すぎたかな…

追記:2024/06/06

せっかくなので、こちらをより楽しんでもらえるように、取り上げられているギタリストで、CDに収録されていない名演を紹介しておきます。

ベンソン先生のアルバムでは比較的人気がないかもしれないですね。This Masquerade以前のアルバムで一番歌っているアルバム。かっこいいんだけれど…

ソウルのカバーなどが多いのがジャズ・ファンク期のギタリストの特徴でこのアルバムは、ソウル色が強いです。インプロが長いのが多いですが、このアルバムは全体的に曲が短い。

短いのでこういうジャンルに慣れていない人でも聞きやすいかも。Jerry Jemott,Richard Tee、Hubert Lawsなどが参加しているのも聞き所です。

短いだけにベンソン先生のジャズ・ファンク的な奏法が濃縮されているといえます。

Beyond the Blue Horizonあたりでベンソン先生のウルトラテクニックは完成したと言われますけど、もうこの時期でもとんでもないです。

ダブルストップなどはブルージーな時期のPat Martinoと同じようなものが出てきたりして、なかなか面白いです。しかし、歌もギターも淀みがないですね。

追記:2024/06/07

CDに収録されていない曲ということで、人気が高いこちらを紹介しておきます。

Melvin Sparksはオルガン奏者に愛されたジャズ・ファンクギタリストで、Lonnie SmithやCharles Kynard,Sonny Phillips,Reuben Wilson,Johnny Hammondと言ったジャズ・ファンク最盛期である70年前後にオルガン奏者といろいろ録音を残しています。

クレジット見ると、え、これもMelvin Sparksというものが多いですね。

サイドマンとして重宝されたのは素晴らしい音色での強力なリズムプレイ、箱物じゃないとこういう音にはならない。ファンクギタリストともまたちょっと違うんですよね。

そして、物凄くブルージーです。ファンキーなのは当然ですけど、ソロのやり過ぎ感もまた魅力的です。

ジャズ・ファンク系ギタリストだと全くベンディングしない人もいますが、Melvin Sparksはユニゾン・チョーキングやクォーターチョーキングも多用します。ジャズ・ファンクギタリストとしては物凄くブルージーな感じがしますね。

それこそ、同郷のJohnny Guitar Watsonなどユニゾン・チョーキングなど、同じことやりますし。

クロマチックアプローチも多用しますが、かなりワイルドでジャズがクールな音楽だと思っていると驚くんじゃないでしょうか…

シーケンスフレーズも強力です。

今回取り上げたWhip WhipはMelvin Sparksらしさが詰まっていてやっぱりかっこいい。血圧が上がりますね。

リズムセクションも強力なので、紹介しておきます。

Idris Muhammadはジャズ・ファンク系では良く登場するドラマー。NO出身。

Wilbur Bascombがベースです。Wilbur BascombはWiredでJeff Beckと共演したのが有名かな?

JBとも仕事していたので当然ファンキーです。

物凄いテクニシャンなんですけど、こういうジャンルを聴かない人にはあまり馴染みがないかもしれないので紹介しておきたかった。しかし弾きまくってますね…

Wilbur Bascombの名演という意味でも取り上げました。

Mevlin Sparksはディスコ期も生き残った人なので、お好きな方はこの時代以外も是非チェックしてほしいですね。時代とともにシャープな音色になるんですけど、強力なリズムプレイとブルージーさと、弾きまくりという個性はなくなりません。ジャズ・ファンクのギタリスト皆、非常に個性的で面白いです。

2024/06/08

Boogaloo Joe Jonesはさっきも取り上げたからどうかと思ったんですけど、やっぱりカバーも取り上げておいたほうがいいかなと。

Carole Kingの曲ですけど、Boogalooさん、テーマとチェンジ覚えたらあとはファンキーに行こうぜくらいだったんじゃないかというカバーですね。ファンク偏差値100超えですね。かっこよすぎる。

ソウル・ファンク系は微塵も原曲に対するリスペクトが全くみられないなものがたくさんあるんですけど、かっこいいから問題ないですね…

売れとる曲であやかろうという感じでしょうか…

この人はジャズ・ファンクギタリストのなかでも特にリズムが強力な人ですけど、テンポが速いものに対して抜群のリズムののり方するんですよね。そういうのがわかるんじゃないかなと。

このアルバム「What It Is」ではブルージーな側面もあるので、そちらも紹介したかったんですけど、涙をのんでこの曲だけにしておきます。

この記事だけで書こうと思ったら1年くらい毎日更新できちゃうだろうからな…

サイドマンも豪華です。

モテサックスとして有名なGrover Washington, Jr.もいやらしいサックスを吹いていて、Just The Two of usしか知らない人はびっくりするんじゃないかなあ。

まあ、モテるうえでいやらしいサックスというのがこの人の個性でもありますが…

ブルージーなアプローチもたくさんしているし、自分のアルバムではやらないようなシーケンスフレーズ吹いていたりするのも味わい深いです。

ベースはRight onと同じくJimy Lewis,ドラムはBernard Purdieと強力な布陣です。Carole King縛りでDJやるというイベントで掛けて失笑されたことがあったな。今なら皆わかってくれると信じています…

2024/06/10

今日はJimmy Ponderで。

この人は、ジャズ・ファンクギタリストとされる人の中では飛び抜けてジャズ的な人で、ジャズ的な手法でアプローチする時とファンク的なアプローチする時で結構違うアプローチを取る人です。

ソロ・ギターなんかも達者にこなしますし。

アメリカで見たことがありますけど、オクターブ奏法でこれだけ弾き倒すんだなと驚愕しました。

魔神のようなテクニックでした…

トーンがとにかく美しい。オクターブ奏法の美しさを味わえる一曲を。ジャズ・ファンクという意味ではちょっと違うやんという感じかもしれないですけどね。でも素晴らしいトーンの持ち主だと知ってほしかったのでとりあげました。

ジャズ・ファンク系ギタリストの中では、George Bensonと並ぶ(こういう言い方はしたくないですけど)テクニックの持ち主です。歌もすごく良いんですよね。

ブルース・スケール+クロマチックアプローチにちょっとジャズリックにシーケンス・フレーズでとにかくリズムで勝負というジャズ・ファンクギタリストとはちょっと違う個性です。

4度のフレーズをぶちこんだり、スピード感という意味でも凄い。ベンソン先生のスピード感も凄いんですけど、違う種類のスピード感なんですよ。

スタイル的には近いものもあるんだけれど、ぜんぜん違う個性なんです。実力に比して知名度は物凄く低いと思うので、聞いてもらえると嬉しいです。

何でも弾けるタイプのギタリストでありますね。

ファズやワウを使ったプレイなど、これだけジャズよりなアプローチが出来る人だとやらなさそうでもあるんですけど、難なくこなす。

世代的に1946年生でジャズ・ファンクギタリストの中では若いのもあるかもしれない。

歌も歌えるし、大スターになってなっていても不思議がなかったと思うんですけどね。

素晴らしいテクニックとトーンの持ち主なのに、経済的に困窮していたというのは悲しい。

ジャズ・ファンクと言ってイメージするような曲調はこういうものだと思うので、美しいトーンでファンキーにキメるこの曲も。20代前半で既にテクニックは完成していますね。

レガートプレイも達者。ダブルスラー、スライドの多用で指板を縦横無尽に弾き倒すのは、ああ、Wesがアイドルなんだなと思います。

スタイルが多いから本当は10曲くらいとりあげたいんですど、そうなると1年くらい掛けて、Jimmy Ponder大特集になっちゃいますからね。

CDにはかわいそうなことにJimmy Ponderが取り上げられていないので大応援です。

取り上げる曲数が多いのは許してください。

たくさん採譜してあるので、どこかで紹介しても良いかもしれませんね…

やりたいことやると更に赤字幅が拡大しそうだなあ…

ジャズ・ファンク以外のオーセンティックなジャズも素晴らしいプレイなので、ギターが好きな方は是非。活動期間は長いです。でも、美しいトーンはずっと変わらない。

実際に見られたのは良かったなあ。観客、今、思えば少なかったけど。音源そのままの美しいトーンでした。

Jimmy Ponderはバリバリにコードソロも取れる人です。

Wesがアイドルなのは間違いないんですけど、コピーするとそれでもにじみ出てくる個性がわかります。本当にね、凄いギタリストなんですよ。

Jimmy Ponderがブルース進行やA7一発ものなんかでやりそうなものをシミュレートしました。ブルーススケールでのコードソロです。

ノンコード・トーンをハーモナイズするのにBb7(13)やC7(13)を使うのはJoe Passぽい感じもありますね。

むちゃくちゃ難しいフレーズもたくさん持っているんですが、簡単で美しいフレーズも持っている。聞いても楽しい、弾いても楽しいジャンルですよ。ジャズ・ファンク。

2024/06/11

本日はBilly Butlerを取り上げます。O’donel Levyにしようと思ったんですけど、それぞれのスタイルの違いをわかってもらいたいと思うので、Billy Butlerを。

Billy Butlerをジャズ・ファンクギタリストと言って良いのかは迷いますね…

何でも弾けるR&Bセッション・ギタリストという印象があります。ジャズはもちろんバリバリに弾けます。ローランド・カークとやソニー・スティットとやっていたり、ジャズ仕事も多い。

倍テンの乗り方やディミニッシュの処理なんかはスイング的な感じもしますね。

美しいトーンで、凄く丁寧に弾きます。ジャズは割とスタンダードなアプローチしてますね。

R&B,ソウルでちょっとひねった美しいバッキングするところが持ち味ですかね。ソロはバリバリに弾ける人だけれど、ソロ・アルバムくらいですかね。あれだけ弾いているのは。

進撃のジャズ・ファンクで取り上げられているギタリストの中では、世代が違います。

1924年生まれなので、Melvin Sparks達より20歳以上年上ですから、影響源も違う。

R&Bギタリストとして残した影響のほうが大きいイメージがあります。

ソロ作は少ないもののセッションマンとしての仕事は膨大で1950年代からお亡くなりになる1991年まで切れることなく仕事をしている超人です。

色々なスタイルや楽器でも弾けるのですが、物凄く個性的。

バッキングのアイデアや小粋なフレーズをたくさん持っています。ハーモニーを表現することに長けている。ジャズ畑の仕事が多いのもわかりますね。

ソウル・ファンクギタリストならダブルストップは必修科目ですが、その達人でもあります。元をたどるとBilly Butlerではというフレーズは結構あります。Honky Tonkの衝撃は今の私達では考えられないくらい大きかったんでしょう。

Cornell Dupreeに与えた影響は物凄く大きいですね。あそこまでブルージーではなくて、かっちり弾くタイプで個性はかなり違います。

ボリューム奏法の達人でもあります。

肉声のようにギターを扱うのはPhil UpchurchやCornell Dupreeへの影響もわかるんじゃないでしょうか。

アドリブもコード分解的なフレーズを入れ込んだり、若い世代のギタリストとはまた違った個性がありますね。

ベースはWilbur BascombでドラムはBernard Purdieです。

これなんかもバッキングのアイデアが豊富ということがわかるんじゃないですかね。

ありそうでないパターンだけど、ギタリスト以外に気づきにくいかもしれない。

Biily Butlerもグレイトなギタリストだけれど、後輩ギタリストたちに比べて知名度が低いのは残念なのでちょっと多めに取り上げたいです。

ベースはChuck Rainy,ドラムはBernard Purdieですね。60年代後半から70年代前半は、ギタリストだとEric Galeとコンビを組んでることが多い。アトランティック人脈ですね。そういう時はバッキング中心で弾いてることが多いです。

物凄くクレバーなギタリストで、必要がないことは弾かない。プロデューサーはこういうギタリストいたら安心でしょうね。

Cornell Dupreeは、あんまり譜面が得意ではなかったから、譜面がそんなにいらないものはEric Galeに仕事を回してもらっていたと教則本で書いてあったので、譜面が得意だろうBilly ButlerとEric Galeがコンビで使われていたのは納得しました。

ジャズ・ファンク的というか、ソウル・ジャズ的な感じでしょうか。

ダブルストップのアイデアが豊富ですね。4度のダブルストップに,様々なダブルストップを使い分けてるのがわかりますね。

丁寧でアイデア豊富。

ジャズ・ファンクもあくまで、自分のスタイルの一部という人でしょうか。R&B,ソウルが好きな人なら、え、これもBilly Butlerとだったのとなることが多いんじゃないでしょうか。

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滅茶苦茶レイドバックして弾く人なので、譜面はまあ、そういうものだと思ってください。ホールトーンスケールの説明とか書いてありますけど、あなた全然そんなの弾かんやん。とりあえず書いたんですかね…

面白かったのはミクソリディアンに基づくダブルストップと書いてある例に短3度がトップの6度のダブルストップが載っていて、これこそDupree先生と思いましたね…

このあたりは、コピーや採譜たくさんしていたら身につくところではあります。ブラック・ミュージックコピーしていたらごくごく当たり前ということもわかるのですが、コピーが難しい人には嬉しいかもしれないですね。

Billy Butlerから学んで自分のスタイルを作ったというのがわかります。Billy Butlerはコードに対してバーティカルな感じで、ブルース的なアプローチがメインというわけではない。Dupree先生は基本ブルースモードと言う感じですかね。影響を受けてもみんな個性がある。

突出してDupree先生はブルージーだからなあ。

白眉は同僚ミュージシャンたちへの評価ですね。これがべらぼうに面白い。これだけでもソウル・R&Bファンは購入する価値がありますね。

Eric Galeや同僚だったJimi Hendrix,James Jamersonなどへの評価は一読する価値があります。なかなかDupree先生は辛口のところがあるのですが、この評価こそBilly Butlerがいかに素晴らしいギタリストだったかの証明になると思います。

2024/06/12

今日はMel Brownを取り上げます。Mel Brownは、Jimmy Ponderのようにジャズがルーツにあって、ファンキーなものをやったギタリストとは全く違って、ブルース・ギタリストがファンクをやったという人という印象ですかね。

他のジャズ・ファンクギタリストは、ブルース・スケールが中心といえども、クロマチック・アプローチやジャズ的なエンベリッシュメントはにじみ出てくるものですが、そういう感じではない。

ブルージーなトーンで弾き倒すところに魅力があるギタリスト。骨太でカッコいいのよ。瞬発力が凄い。一瞬倍テンになったりね。

ああ、そういう意味ではPee Wee Craytonなんかと近い感じもしますね。Pee Wee Craytonも晩年にファンキーなブルースやってますし。

リズムプレイヤーとしても魅力的です。

個人的にはT-Bone WalkerのParty Girlのプレイを10代の時に聞いてびっくりした記憶があります。Kの家でBoogaloo Joe JonesとT-Bone Walkerを聞いたんでした。

ブルース的なトーンでファンキーに刻むのは一般的にイメージするジャズ・ファンクとは違うと思いますが、ファンキーでカッコいいことは間違いないです。

出身はミシシッピのジャクソンということですけど、テキサスの人みたいな感じもあります。Pee Wee CraytonやJohnny Guitar Watsonともやっていたこと考えると納得です。

ぎゃー、カッコいい。そして、T-Bone Walker大先生のシャープなソロも超かっこいい…失神してしまう人もいるかもしれない。許しますよ…これは仕方ない…

ドラムはPaul Humphreyというのもびっくりするかもしれないです。

ベースはRon Brownです。Bobbi Humphreyのアルバムで弾いたり、ちょっと知名度は落ちるかもしれないですけど、グレイトなベーシストが参加しているのも聞きどころですね。

T-Bone Walkerは本当にギターが上手い…

イーブンなリズムに対して3連で乗ったりするところもスリリングです。

Mel Brownの音色的な特徴が現れてますね。

こういう曲調でリズムを刻むならファンクギタリストならもっとミッドをカットしたりリバーブを掛けずにドライ目の音色にしがちですが、リバーブ深め、強めのタッチというのもブルースの出自であることが良くわかります。

でも5弦、6弦弾かないようにしているところなんかは職人的な感じもしますね。

Bobby Bland,B.B King,John Lee Hooker,Chales Brown,Jimmy Witherspoonの仕事や、テキサスのAntone’sでの仕事やブルース畑で活躍した人です。ブルース系セッション・ギタリストという感じですかね。Wayne Benettなんかと立ち位置的には近いことになるのかな。

ジャズ・ファンクというより、ソウルインスト的な感じですけど、部分的に倍テンで弾くのはテキサス的な感じがしますね。この畳み掛けるようなギターはMel Brownのスタイルが良く現れている。Johnny Guitar Watsonなんかとも近いところがあるように思います。

ジャズ・ファンク的なフォーマットであってももっとアーシーですね。でも文句なしにカッコいい。

ベンディングの多用やソロの合間にコードを弾いたりするのも非常にブルース・ギタリスト的なアプローチです。どんな曲調でもブルース的に歌い切る。

Pee Wee Craytonに似ている所あるなと思ったら、WizardでBlues After Hoursでカバーしてますね。

進撃のジャズ・ファンクの中では最もブルース色が強い。どブルースやってるのもカッコいいんですよ。

ジャズ・ファンクギタリストと言われたらちょっと違うかもしれないですけど、文句なしに強力でカッコいいギタリストなので聞いてもらえると嬉しい。こういうギタリストが脚光が当たることは少ないですからね。評価されてほしいなあ。

進撃のジャズ・ファンクで取り上げられている、ブルースを出自に持つ人だと、あとはFreddy Robinson,Cal Greenがいます。

両名もブルースフィーリングが魅力的なギタリストですが、Mel Brownほどアーシーではない。いろいろスタイルがあってみんな個性的で素晴らしいです。

追記:2024/06/14

Party GirlでのMel Brown風プレイ。作ってみて思ったんですけど、Trampとかファンキーなブルース由来からこういう刻みの着想を得ているのかもしれませんね。

ブラッシングは6弦までやってるけど、実音は1〜4弦中心で弾いていたり、楽器が多いからアンサンブル考えているのかもしれないですね。

ソツがないです。

ボトムの4弦が7thで2弦とダブリングしているのは他の曲でもやっていたのでMel Brownのお気に入りのボイシングなのかもしれません。

大所帯のバンドでの演奏もキャリアの中で多いので、音域考えたプレイかもしれませんね。職人的です。ミドル強め、ピッキング強めにしないとこういう感じになりにくい。ここはファンクギタリストとの大きな違いですね。

他の曲ではギターのみバウンスして刻んでいるものがあったのでそういったプレイを模しています。弾くと結構難しいやつですね。


ブルース系、ファンク系問わずあるアプローチですね。DAW使ってやる必要あるのかと言われたらアレですけど。ロマンだから…

2024/06/14

今日はFreddy Robinsonを取り上げます。

Mel Brownと同じくブルース・ルーツの人ではあるんですけど、出来るスタイルは多い。

職人的なギタリストという面もあります。ブルースルーツではあるけれど、サイドマンとしてはJazz Crusadersのアルバムに参加していたり、Blue Mitchellのアルバムに参加していることからわかるように、ストレートなブルースギタリストとは違います。

多様なスタイルを持っているけれど、ブルースが基盤にあるギタリストというところでしょうか。

ジャズ的なものも余裕でこなせます。

Jazz CrusadersのOld Socks New Shoes – New Socks Old Shoes ではArthur Adamsと共に参加しているというので、こういうジャンルが好きな人だとどういうギタリストかイメージしやすいですかね…

ジャズ的なものからソウル的なもの、ファンク的なものにも対応できたソウルフルなギタリストという印象ですね。

時々にじみ出るブルースルーツが魅力的なギタリストです。歌心が素晴らしい。バッキングも達者です。

Arthur AdamsはJimmy SmithのRoot Downの参加で有名ですね。この企画では、Arthur Adams、本当はとりあげたかったんじゃないかなあ。グレイトなギタリストなんですよ。話戻しますね。

Blue Mitchellのアルバムで、ブルージーさとファンキーさがわかるこの曲を。2:55秒位からソロが始まります。

#9コードでリズムを刻んだり、ブルースギタリスト的なアプローチというより、Grant Green的なスタイルでもあるんですが、自身の個性もはっきり出ています。

ベンディングの多用や、低音弦まで幅広く演奏したりするのは単なるフォロワーではないことがわかるんじゃないでしょうか。

リズムとリードを同時に弾くようなスタイルはCornell Dupreeとかと近いところも感じるかもしれません。

なんというか、ブラック・ミュージックのギターの方法論を物凄くたくさん持ってる人なんですよ…

物凄くうまいんだけど、わかりにくいかも。こういう感じで弾くのは凄く難しいです。

バッキング巧者であることが分かる曲を。結構手数が多いんですけど、曲の色彩に貢献していますよねえ。ハイブリッドコードの使用なんかも巧み。

コードを刻みながらでも1弦のトップノートを動かしたり、ワウワークもうまい。バッキングもメロディアスです。とてもブルースがルーツの人とは思えないですね。Littlie Walterとやってる人とは思えません…

インバージョンの知識や代理コードの知識も感じるところはジャズ的な素養も感じます。とにかくカッコいいんですよ…小粋なんです。

David.T.WalkerやPhil Upchurchがお好きな人は間違いなく気に入っていただけるかと。表情豊かなフレーズを弾くギタリストです。

知名度はこれまた今ひとつだと思うので、聞いてもらえたら嬉しいなあ。

後半でソロという感じではないんですけど、テーマに入ってるときのオブリガードは素晴らしい。弾きすぎちゃいそうなものですけど、サラッと流すところがまた小粋です。

Freddy Robinsonの特徴が現れてますね。歌心あるプレイです。モテるんだろうな…

Joe Sampleが参加してるのも聞きものですね。Walter Bishop Jrも参加していて、このあたりのサウンドが大好きな人は、あ、これもFreddy Robinsonだったのというのはあるかもしれません。

歌ものの名手であることがわかるこの曲も。

ジャズファンには自分のアルバムで歌ものいれて、ソロも弾かないって意味不明だと思うんですけどね…

これが粋なんですよ。また。

こちらにも。Joe Sampleも参加していますね。

ベースはWilton Felder,ドラムがPaul Humphreyという強力な布陣です。

ブルージーな側面がでているこの曲を。Wiltonはもちろんグレイトなサックス奏者ですが、この時代はベーシストして素晴らしいプレイがたくさんあります。Jamersonライクではあるんですけど、アドリブ要素は強めです。

Freddy Robbionはいろんなスタイルが渾然一体となってるのが魅力です。曲ごとにアプローチを変えるタイプではないんですよね。

テクニカルなところもあるので、それ取り上げたかったんですが、どんな曲でも歌心を失わないところがわかると思うので、この曲を取り上げました。

ブルース的な節回しでも完全にファンクリズム対応になっていたり、瞬間的にオクターブ奏法を挟んだりブルースマンではやらないようなコードを挟んだり。ジャズ・ファンクギタリスト、みんな個性的ですね…

本当はテクニカルな面も取り上げたかった。リストアップしている曲から選ぶだけでも悩みまくりますね。

2024/06/16

今日はO’Donel Levyを取り上げます。もう終わったと思っていたでしょう…いや、まだまだ続きますよ。

O’Donel Levyはジャズ的な要素が強く、Jimmy Ponderとも近くクレバーなプレイヤーでもあります。二面性があるプレイヤーでファンキーなものとメロウなスタイルの両方に魅力がある。物凄いテクニシャンでもあります。ライブだと笑っちゃうようなフレーズ連発していたりしますね。

途中でスタイルが激変もしますし、アルバム1枚で魅力がわかるタイプのプレイヤーではないです。教育を受けたプレイヤーと言う感じがしますね。

割とイージーリスニング的な曲も取り上げたりもします。ボサノバ的なものこなすというのは今回取り上げられているジャズ・ファンクギタリストの中で異彩を放ってますね。

ジャズ・スタンダードを正面から取り上げたり、ジャズ・ファンクギタリストのアルバムと思って聞くと、え、結構メロウなのねと思うことが多いかもしれない。

バッキングにも結構特徴があって、こういうソウルのカバーなどなら1〜4弦中心で抜ける音にしたり、ソウル・ファンクギタリスト的なアプローチを取る人が多い(Freddy Robbinsonならそうするでしょうね)と思いますが、フルコードで弾いたりとジャズ的なアプローチが多いのが特徴です。前期はね。

トレブルを絞ったジャズトーンで弾いていたり、R&B経由しているギタリストとはまた違う個性があります。クールで格好いいですね。アーティキュレーションの付け方も、フレージングも、いわゆるジャズ・ファンクギタリストと違って、ジャズのアプローチが多いですね。

でも、カッコいいんですよ。美しいジャズ的なトーンの持ち主ですね。ソリッドなトーンと違って、甘く、太いフルアコの美しいトーンです。

あと、バッキングだと指じゃない弾けないボイシングで弾いてるのも多い。ブラジルものも好きなんでしょうね。

こういうカバーものでもクロマチックアプローチが多かったり、16分音符で息の長いフレーズを弾き切ったりとかなり他のギタリストと違う個性があります。1stが一番イージーリスニング要素が強い。いわゆる、典型的なジャズ・ファンクサウンドを期待すると、面食らいそうです。

低音側をスライドさせてクロマチックアプローチしてオクターブ上を弾く(言葉にするとアレですけど、聞いたらすぐわかります)のようなGeorge Bensonなどと近いプレイもする。ジャズ要素は強いギタリストですね。

Jimmy McGriffのバンドにGeorge Bensonの後釜として入ったので、近い個性があるのは当然なんですけど。

Freddy Robbisonのようにブルース的なフレーズとジャズ的なものが入り混じっているタイプではなくて、曲調によってはっきりアプローチを変えるタイプですね。

メロウなものばっかりかと思っていてこれ聞くとびっくりするんじゃないかなあ。この人もすごいスピード感ある人なんですよ。

ジャズ・ファンク的なアプローチをしているのがわかるのはこれかなあ。4分すぎからのプレイは圧巻です。

物凄いテクニックの持ち主ですけど、弾きまくりになるのはブルースナンバーやファンクナンバーなんですよね。

5分30秒過ぎからのプレイはベンソン先生的なトリッキーなプレイが炸裂してますね。

と、美しいトーンとテクニックでジャズ的なものでいく、オシャレさんなのねと思っていたら、わずか数年でウルトラファンクスタイルに舵を切ります。え?

いきなりスタイル激変するのはあっちの人にはあることですけど、え、こんなになるのとたまげますね…

高校デビュー、大学デビューもかくやという激変っぷり。ジャケットもファンキーだしなあ。

歌いまくり、エフェクト使いまくり、弾きまくりになります。

歌もソウルフルでこんだけ歌えるのになんで初めから歌わなかったんですかね… 

しかしエフェクトを多用してもにじみ出るインテリさがありますね。フレージングが典型的なジャズ・ファンクギタリストと違ってかなりひねってあるところに特徴がある。

更にファンク度数を高めて、こういうところまで到達します。Windowはファンクファンが一番普通に聞けるアルバムじゃないかなあ。

ジャズ・ファンクじゃないかもしれないけれど、歌って、カッコいいギターが聴けるアルバムですね。大分インテリ度は下がるんですけど…

「オドネル君、きみ、ベンソンくんみたいに歌いまくり、弾きまくりならめちゃモテるで…」とかそそのかされたんですかね…

スキャットとユニゾンとか楽勝でこなしてますね。まあでもカッコいいから問題ない。

二人共物凄いテクニシャンですけど、エフェクトの使用など、ギタリストとしてはかなり個性の違いがあるんですけどね。

本当、みんな個性があって面白いですね。

2024/06/20

本日はSteve Weakleyを取り上げます。

Funk Inc.というバンド出身のギタリストということで、この進撃のジャズ・ファンクでは唯一バンドでの活動が中心となるギタリストです。

Funk Inc.という名前からしてなんというか彼我のファンク度数の差を見せつけられている気がしますね…

ファンク株式会社はなかなかつけられない名前ですよね。最初の会社作るときにファンクと名付けようとしたら「それは…ちょっと、考えたほうが良いよ…」と言われたことを思い出します。めっちゃ考えたんですけどね…

どうでもいいですね…

Funk Inc.はアンサンブルも特徴があって、テナー、オルガン、ギター、ドラムス、コンガの構成です。ジャズ・ファンクとしてはよくあるアンサンブルですが、バンドというのは珍しい。

ベースレスでオルガン・ベースで押し通すスタイルだから、色々工夫したんでしょうね。

Bobby Watleyは手数は少ないけど、カッコいいオルガン奏者です。ファンクやるときに左手ベースでオルガンでかっこよくやるのは難しくて、バンドのオルガンはよく研究してましたね。

あまり取り上げられることがないので取り上げておきたい。

オルガン奏者はこの時期だとオルガンベースをやめて、エレクトリックベースを導入したところも多いと思うんですけれど、Funk Incは途中までオルガンベースでした。シンプルだけど強力な左手を持っています。

レイドバックしたところがFunk Inc.の魅力でもありますね。

Hangin’ outからエレクトリック・ベースも入ってきますけど。あ、そういえば、Johnny Guitar Watson大先生がSuper funkではベース弾いてますね。

Jimmie Smithでさえ、Root DownではWilton Felderをベースで登用してますし、そういう時代にオルガンベースを積極的に使ったのは個性があります。

Root Downに参加していたギタリストのArthur Adamsもグレイトなギタリストなので紹介したいなあ。

かっこええな!

The MetersのJossie時代が好きな人はお好きではないかと思います。ドラムはThe Metersほど複雑ではないですけど、このレイドバックしたところが魅力です。

オルガンがメロディをとると、コードは弾けない(左手ベースなので。こういうジャンルでオルガンの足鍵盤はアクセントつけるときに使うのが一般的だと思います)のでソロを取っているときはSteve Weakleyはリズムプレイ中心になります。アンサンブルを考えたプレイが素晴らしいですね。

バンドアンサンブルがとにかく面白いんですよね。

オルガンベースであるがためにしなければいけない工夫が、Funk Inc.の大きな魅力。

オルガン・トリオを長くやっていたので、たくさんFunk Inc.から学びました…

Steve Weakleyは曲調によって音色も結構使い分けるタイプです。

ソロはファンクギタリストらしくブルース・スケール一発で弾き倒すみたいなプレイもあるんですけど、曲に貢献したプレイも魅力的ですね。

Funk Inc.はどれもジャケットが超カッコいいです… テナー、オルガン、ギター、ドラムス、コンガはオルガン入っているジャズ・ファンクの鉄板アンサンブルでこの気持ちよさを追求したバンドですね。オルガンのリードに合わせてテナーが上下でハモったり、工夫がされてますね。しかし、サックスのショートリバーブはエコーチェンバーで録ったものですかね。

トーンを絞ったジャズトーンでバッキング、オクターブ奏法などで支えるプレイを。サックスや歌を聞かせるために不要なことは一切しない。オルガンベースだけど、全然不足してる感じがしない。

バンドだから当然なんですけどアンサンブルを考えたプレイで気持ちいいですね。Steve Weakleyは曲にあったプレイをこころがけていたのかなと、今回アルバム全部聞き直して思いました。

バッキングも魅力的。Benson先生みたいなフレーズも途中で弾いてますね。ジャズ・ファンクギタリストの言語みたいなものですね。

ジャズ・ブルースでは硬質な音色で弾いてるところはファンクやR&Bがルーツにあるんだろうなと思いますね。

こういうブルース進行ならもっとトーンを絞りそうな感じですけど。このあたりはやっぱり特徴がある。ブルースもカッコいいのでブルースアルバム1枚くらい聞きたくなっちゃいますね。

こういうところはベンソン先生やグラント・グリーン大先生とかトーン的には近しいものを感じます。

オクターブ奏法も達者ですし、ギタリストでWesの影響を受けてない人はいないから、いろんな影響を自分のスタイルに昇華させたんでしょうね。カッコいいんですよ…

5:33からCurisのカバーを聞いて欲しい。オルガンベースでカバーするためにBPMなどうまく工夫してある。

ワウの名手でもあります。超イナタくてカッコいいですね。リズムでも上手に使うし、こういう肉声的なプレイもうまい。

ハードなソウル・ファンク的なサウンドで弾いてるのもSteve Weakleyの個性が現れてると思います。ジャズ・ファンクもできるけど、こういうブルージーなプレイも魅力あるんですよね。テナーがソロを取るとさっとバッキングに変わるところなんか、バンドらしい。

曲調によってはジャズ的なアプローチをせずに、完全にソウル・ファンクマナーで演奏することも特徴かもしれないですね。

ここまで徹底している人は珍しいかも。

世代的に若いこともあるんでしょうけど(1952年生まれ)、歪み系で弾いたりといろいろアプローチは持っているんですけど、ジャズ・ファンクギタリストとしての側面が一番出ているのはファーストですかね。

ファンク名イントロ100を選出するなら間違いなく入る曲。これはJB’Sの影響も感じますね。結構この人たち走るんですけど、5人一丸で突き進む感じはたまらないです。真似できない。

ぎゃー、カッコいい!Funk Incのアンサンブル、1stで完成してると思いますね。オルガンベースの魅力が味わえると考えると、この曲を外すわけにはやっぱりいかない…

Steve Weakleyのここでのソロはジャズ・ファンク的ですね。Grant Greenとも親しかったようですから、納得のプレイですね。

Steve Weakleyは他ではBilly Wootenのアルバムくらいしか参加していないので、Funk Inc.の紹介のようになってしまったんですけど、グレイトなファンクバンドです。

ジャズ・ファンク的な面はファーストが一番あると思いますが、他のアルバムもファンクアルバムとして高水準なので、聞いてもらえたら嬉しいです。

カッコいいバンドなのに、ファースト以外はあまり取り上げられる機会がないので。名前は知ってるけど、ファーストしか聞いてないのはもったいなさすぎるので。

過小評価されていると思います。

みんな個性があってやっぱりカッコいいですねえ…

追記:2024/06/26

本日はCal Greenを取り上げます。

Cal Greenとは滅茶苦茶マニアックな…このジャンルを好きな人か、R&B,ソウルなどのクレジットを細かく読むタイプの人以外知らないと思うギタリストです。

Trippin’ With Cal Greenがジャズ・ファンク的なプレイとしては一番聞き物なのは間違いない。

ハンク・バラード&ザ・ミッドナイターズへの参加がプロとしてのキャリアのスタートですから、今様R&Bではなくて、ソウル以前のR&B時代から活躍しているギタリストです。

キャリア初期はまったくジャズ的な感じはありませんね。R&B,ブルース、ギタリストですね。テキサス一派というスタイルです。

曲調はニューオリンズR&B的なスタイル。しかし、サックスが野太くていいですね。

テキサスはギターの名手も多いし、ホーンセクションが入った大所帯のバンドも多いし、ブルースの中ではジャズ的なスタイルと近しい人が多い印象がありますね。

T-Bone Walker,Gatemouth Brown,Cornell Dupree,Melvin Sparksなどはテキサス出身。

Mel Brownも生まれはミシシッピですけど、同じくハンク・バラード&ザ・ミッドナイターズに参加してますね。テキサス人脈は強いですね。Johnny Winterのアルバムに後年参加しているのはもテキサスつながりということなんですかね。

ジャズ的なアプローチをするようになったのはJack McduffのTobacco Roadからですね。サックスとテーマをとっているこの曲を。昔のR&Bバンドだとレパートリーとしてジャズ・スタンダードやってるのは結構あるので、純粋にブルースばっかりやっている人とは違うのかもしれないですね。

まあ、Albert CollinsもレパートリーでCanadian Sunsetやっていたというのをインタビューで読んだことがあるから、私達が思っている以上にジャズ的なものは弾ける人は多いとは思うんですけど。

バッキングは完全にジャズ的なアプローチですね。ジャズ・ファンクというよりソウル・ジャズ的なアルバムですけど。

8分音符で長いフレーズを弾くようなスタイルに変貌を遂げてます。ブルージーだけど前期でやっていたブルース・ギタリスト的な強力なベンディングのスタイルが影を潜めます。

バッキングのスピード感は素晴らしいですね。硬質な音でリズムをプッシュするのはR&Bバンド出身という感じがしますね。

サイドマンとしての仕事が長い人だから盛り立てるのも的確。ジャズ・ファンクという感じではやっぱりないんですけれど。

テーマはサックスとハモってますし、譜面もいけるタイプの人だったのかもしれません。オクターブ奏法を多く使うのも後期Cal Greenの特徴だと思うんですけど、ジャズ・ファンク期のこのスタイルもカッコいいですね。

Trippin’ With Cal Greenが一番ジャズ・ファンク的なCal Greenのスタイルを楽しめると思うんですけど、それ以外でも楽しめる曲を。オクターブ奏法大活用でリズム的にも面白いこの曲で。

硬質なR&B的なトーンで、オクターブ奏法で弾き倒す。バッキングのドライブ感が素晴らしくて、ソロ以外もカッコいいですね。知名度はないと思うんですけど、Cal Green,実にカッコいいギタリストなので聞いてもらいたいです。

みんな個性があっていいですね!

残りは、フィル・アップチャーチとエリック・ゲイルなんですけど、この人たちはソウルインスト、ファンクインストという感じが多いので、ジャズ・ファンク的なことやってる音源を取り上げましょうかね。今月で終わるかなあ…

追記:2024/07/22

まだ終わってなかったんかいと言われそうですけど、終わってないですよ…

進撃のジャズ・ファンクで取り上げられていたたEric Galeを取り上げようと思います。

Eric Galeはアトランティックでの仕事やCTIでの仕事、何と言ってもStuffのイメージが強いわけですけど、キャリアが長い人なんですよね。1938年生まれなので今回取り上げられているギタリストの中では、ちょっと世代的には前の人です。そういうイメージ無いんですけど。

レコーディングを初めたのが1961年、その年にKing CurtisのOld GoldにBilly Butlerとも参加しています。レコーディンが1964年まで空いてるのはなんでだろうと思ったんですけど、多分学業にいそがしかったからですね。

Eric Galeは化学の修士号をもってる、なかなか興味深いキャリアの持ち主です。この時期は典型的なR&B、ソウルスタイルなのですが、何でも弾ける人です。

ジャズ・ファンク的なイメージは一般的にはないと思いますが、Coltraneとの交流もあった人なのでジャズ的な表現ももちろんお手の物です。

ワウの名手として取り上げられることはあんまりないと思いますが、アイデア豊富でカッコいいですね。

リズムギタリストとしても物凄く強力です。レイド・バックしたDupree大先生とはかなり違う。音色もソリッドでジャズ・ギタリストという感じはあんまりないですね。ただ、非常にブルージーなところは共通してますね。ベンディングもするし、スタイル的には近い。

Dupree大先生は結構辛口ですけど、Eric GaleとBilly Butlerに関してはやっぱり高評価ですね。

Dupree大先生が影響を受けたのはBilly ButlerとEric Galeと考えると当然ではあるんですけど。

スウェル奏法や強力なリズムプレイがわかるまずはこの曲を。

YUSEF LATEEFはサックスもフルートも個性的でカッコいいですね。ベースはChuck RaineyとドラムはBernard Perdieというジャズ・ファンクだと外れがない組み合わせです。

ジャズ・ファンク時代にEric Galeのカッコいいプレイが聴けるものとしては、Freddie Hubbardのこのアルバムは特におすすめかな。

Freddie HUBBARDってこんなのやってるのと言われそうですが、やってます…ソウルフルでカッコいいんですよ。

2:25秒からがEric Galeのソロ。ジャズ・ファンク的な曲調でもジャズ・ファンク的なイディオムで弾かないところに特徴ありますかね。

ブルージーに基本的にアプローチするんだけれど、時にはっとするようなテンションを入れたり、あんまり使われないような譜割りで弾いたり(5連符とかよく使いますね。)、リズム刻みながらオブリガード入れたりするところはカッコいいですね。

Billy Butlerも参加しているのですが、多分一緒には録音してないんじゃないかな。ベースはJerry Jemott,ドラムはBernard PudieとGrady Tateです。この年代だと外れがないメンツですね。

Kenny Barronがピアノで参加しているアルバムですけど、いい感じのエレピを弾いてて、どジャズのファンからしたらびっくりするかもしれないですね。

本当はもっとブルージーな側面も取り上げたいんですけど、それをやっていると1年間Eric gale特集とかになってしまいますからね…

Junior Manceというとソウルフルでブルージーなジャズ・ピアニストというイメージが強いと思いますが、この時代はみんなファンクです。

このベストとピンクの襟がでかいシャツにサングラス。イケオジ過ぎて失神してしまいそうですね。

内容も最高です…

え、どこにジャズは行ったのというファンクっぷりで、これはさぞかしモテ散らかしたに違いありませんね。

ベースがChuck Rainy,ドラムがBilly CobhamBilly CobhamにEric Galeという3人でそれはもう強力ですね。

曲調はジャズ・ファンク的に始まるんだけれど、途中でどファンクになるところがたまりませんね…

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