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HARDWARE TECHNO LOOPS発売記念 ササキタカシさんインタビュー 2 溢れる機材への愛

音楽
この記事は約11分で読めます。

SONICWIREより、ササキタカシさんが制作されたHARDWARE TECHNO LOOPSが発売されました。

非常に高品質なサンプルパックで愛用しています。

TECHNOと銘打っていますが、ハウスやR&Bなどにも使える。ループを組み合わせだけでいい感じになるというちょっとびっくりするようなサンプルパックです。

この高品質なサンプルパックがどのようにして作られたのか。作られたハード、録音方法、レイヤーなど、ササキさんの信じられない作り込みがあることがわかってきました。

前回は、ササキさんの多岐にわたるご活躍、マシンライブのきっかけ、徹底した音質へのこだわりについて伺いました。

前回のインタビューはこちら
発売を記念して、現在30%オフで販売中です。

ササキタカシ氏の活動についてはこちら

溢れる機材への愛 機材の特徴を活かすためのサンプル作成

うりなみ:ちょっと機材についてもリストは頂いていてるんですけれども他の方にも分かるように機材についても少しお話ししていただけますか?

ササキ:Hardware Techno Loopsというタイトル通り基本的にハードウェアを使って全てのループを作ってるんですよね。あえてのハードウェア縛りで。

うりなみ:いいですよね。これも。いろんなフレーズがあってしつこく聞いていたんですけどアルペジエーターも結構特徴があって、これは絶対Abletonだけでつくってないなという。笑

(再生する)

ササキ:実はですね。やっぱりエイブルトンで作った時とハードの…

例えばグルーブボックス系のやつで 打ち込んだ時の跳ね方とかグルーブ感ってやっぱり違っていて…

うりなみ:違いますよね。正直Abletonのアルペジエイターそのまま使っているサンプルパックはすぐわかります。笑 

ササキ:例えばAbletonのグルーヴでなんか選んで当てがったとしてもそこまでの変化とかハードならではの豊かさが出ないんですよね。

なので、そこをあえて ハードを使ってやることでマシンの良い意味で訛ったノりが出る。
例えば、ローランドのエンジニア、あるいはコルグのエンジニアでエレクトライブ作った人。そういった方はグルーヴのこと研究しているのがわかるんです。

リズムだけ取っても跳ねてるだけじゃなくて、音の強弱とかも非常に緻密に打ち込まれてるんですよね。

うりなみ:ずっと愛されるハードというのは特徴ありますよね。

では、こちらにササキさんから頂いたリストがありますので、公開します。

ELEKTRON Machinedrum SPS-1
ELEKTRON Digitakt
ELEKTRON Digitone
Teenage Engineering OP-1
KAWAI K5000S
AKAI MPC2000XL
AKAI Z8
Roland XV-5080
Roland D-110 with Editor
Roland SH-101
Roland SP-404
Roland TR-606
Roland TR-707
Roland TR-909
Roland TR-8
KORG 歴代 Electribe
KORG MS-10
KORG minilogue
KORG minilogue xd 
KORG volca fm
x0xb0x

うりなみx0xb0xがあるのも凄いですね…ササキさんの代名詞といえるTR-8もありますね。笑

最近サンプルパックでも実際にはハードを使わず、プラグインを使ってやってということも問題になったりしていますものね…

これだけハードを揃えて音楽的な単位でちゃんと使えるように処理してあってかつ音楽として成立する手間たるや…

ハード、ちゃんと使える状態にするのも大変です。そのうえでそれぞれのハードの美味しいところを生かしたフレーズメイクと言うのも圧倒されました。

ハードを一つ一つ録音していくのは大変だったと思うんですけど制作期間はどれぐらいでしたか? 

ササキ:はい、実は 2ヶ月ぐらいはまるまるかなり力を入れてやっていました。
その間やってる作業としましてはですね、最初の1 週間半ぐらいはそれぞれの機材の特徴的な音が出せるように取説を読みまくるという。

うりなみ:待ってください。笑 それ畑に行って種を植えて肥料をまくところから始まる異常なレベルですよ。笑

ササキさんは既に使いこなしてるものでも取説読むところに戻られたんですね…

ササキ氏の代名詞といえるTR-8.TR-8Sではない。

狂気のアナログ的な作り込み

うりなみ:普通は、なんていうか簡単に録りっぱなしにしてDAWでっていう(ハード側で処理せず、DAWで処理する)事が多いと思うんですけど…

ササキ:えっと実はAbletonはレコーダーとしてしか使っていないんですよね。

全てハードウェアでシーケンスからアルペジエーター的なフレーズに至るまで制作しました。

うりなみ:待ってください。笑 皆さん、聞かれました?笑 (Discord内でみな反応がある)

録音だけでしか使ってないって信じられない手間ですよ… Ableton友の会なのに。Ableton、いらなかった。笑

これ皆さん購入されたら確認していただきたいんですけれど跳ね方とかもね、単純じゃないんです。

(再生する)これなんかわかるかな…

物凄く有機的な跳ね方だったり、音色変化がありますよね?

DAWだけではとても出来ない…

フレーズの途中でも変化を加えている。一体どうやってるのかと思ったら、ササキさんが手動でされてる?

ササキ:はい その通りです。ハードのつまみをいじって変化させてます。笑

Volca fmとfm2のまさかの2つ使い。TR-8Sではなく、TR-8を使うのは操作性、音質まで含めてのチョイスとのこと。操作子のコントロールに着目されたい。

うりなみ:ササキさんの鬼手さばきが反映されてるんですね。笑
Decayとか気持ちよくなるようにいったいどうしているんやと思っていたんですけど…

一つ一つ気持ちよくなるところを確認してされてという。目眩がしてきました。笑 

機材への愛が重い…笑

(ループを再生する)

例えばこれ2小節ループであってもね有機的であるっていうのがね…曲に強度を加えてくれる。

尋常じゃないと思います。一つ一つに対する情報量が物凄く多い。

これだけで成立しちゃう。サンプルパックで、ループがあってもそこからイメージが喚起されるようなものは少ない。凄いことだと思います。

せっかく、みなさんに画面もご覧いただけるので、Abletonも使いつつご覧いただきましょう。

(PC画面で波形を見る、スペアナも立ち上げる)

これだけのループの単位だけでももう曲になっちゃってるんですよ…

皆さん御覧頂いたら情報量が多いのがわかりますよね?

波形とスペアナ見たら、波形ではそれほど変化がなくても、スペアナ見たら変化が加えられているのもわかる。

サンプルパックでも使われてminilogue マスキング・テープに記述されているのはパラメータの内容だろうか。

さらなる細部へのこだわり。オーガニックだけれど使いやすい

うりなみ:こういうサンプルパックだと過度なコンプレッションだったりEQだったりしてあるものが多い様に感じています。

適切なEQ処理してはあるけど、自然で使いやすい。ループそのものは良いなと思うけれど、曲に入った時になじまないものも多いように感じています。でも、Hardware Techno Loopsはそうではない。

特に制作の際に注意されたっていうところは何かありますか?何もかもこだわりだらけなのはわかっていますが。笑

ササキ:そうですね、うりなみさんが言ってたのがまさにそれです。 笑

 やっぱりいろんな人がいろんなコンプを使いたいわけじゃないですか。

買った人たちの好きなコンプ、推しコンプはいっぱいあると思うんですよね。

(ササキさん、推しコンプという表現に機材への愛が溢れすぎてます…)

LA-2Aでレベラー的に行きたい人もいればTUBE-TECHでパリッとさせたい人もいる。Neveを使いたい人もいる。

その人のやりたいジャンルごとにやりたいコンプのかけ具合ってありますよね…なのでユーザーの好みのエフェクトの色が出せるように、こちらでのコンプでの色付けは最小限にしたという。

うりなみ:EQがとにかく痛くないように工夫されているのは冒頭でお話したんですが、皆さんにも改めて聞いていただきましょう。ワンショット再生します。

(再生する)

耳が痛くない。スペアナ皆さんご覧になっているからわかりますよね。笑 細かい。でも、ワンショットだけじゃないんです。

(ループを再生する)

他のねこういうドラムループとかに関しても、その機材の美味しい帯域は出てるんだけど本当最小限のEQとかでいけてしまうんですよね。これとかそうですね 。

(Discordでコメントあり)

凄いんですよ。ずっと言ってるじゃないですか。笑

買いましょうよ。笑

いい機会だからもう一つ掛けましょう。笑

リズムに対するこだわり

うりなみ:ササキさんの場合だとトゥンバオとかちょっとテクノで出てこないようリズムパターンもあって驚きました。そういったところもササキさん造形深いなと。

リズムパターンもすごくスタンダードなものからえ?こんなものまでと驚きがありました。

そしてどれも気持ちいい。

特にササキさんが作成されたものは単純にハードを再生して録音するだけじゃない。

機材の美味しいところを理解してという下準備を踏んで、さらにかっこよく聞く聞こえるパターン作成まで含めてのものじゃないですか。

すごい苦労だと思うんですけどどういうとこに特に注意されてササキさん制作されました?

ササキ:僕が聞いてる音楽の バックグラウンドがやたらと広いので…

それこそ民族音楽と言われるもの…

キューバ、アフリカ、ブラジルからあのアジア圏のガムランも好きですし、タイのモーラムという歌謡曲も好きなんです。

そういうありとあらゆるものを聞きまくったバックグラウンドが垣間見える内容になったのでは無いかと。

作業もまずはハードのプリセットを消すっていうところから始まるんですよ。笑 

(プリセットのパターンを使わず、全部作成するということ。)

うりなみ:(絶句) 取説を読み込み、美味しいところを理解したうえで、今度は消すんですね。笑 考えるな!感じろの世界ですね。達人過ぎます。笑

ササキ:パターンを組む時に大体入ってる(プリセット)を使う人って意外と多いと思うんですけど、制作側としてももう完璧にゼロから作りたいってのがあったんで。

まず全て変えることでグルーブを1から打ち込み直す。それの方が自分の色が出しやすかったのでそういう作業をやったんです。

それぞれの 機材で打ち込み方は千差万別なんで。

(機材が違うと打ち込み方も変わる。シーケンサも異なるので、DAWと違って打ち込み方を覚える習得コストは高い)

うりなみ:ここは最初におっしゃった取説ですよね?

ササキ:そうそう、 取説を一から読み込んで。笑

x0xb0xのプレイ。マシンライブ、上手い人だと本当に人馬一体という感じがしますね。

機材の美味しいところを理解するために、プリセット全部確認して、消す。

そのうえで取説を読み込んで美味しいところを活かす。言葉にしたら短いですけど、大変な手間です…

DAW使ったほうが楽だけど、ササキさんはそうされていない。音楽の造詣の深さもそうなんですけど、機材への愛、文化に対する愛を感じました。

ササキさん、凄い博識なんですよ。こういうところもインタビューで伝わると良いんですけど。

ハードの美味しいところを考えたら、これ以外の方法がなかったとわかるんですけど、その手間たるや…

こういうササキさんのこだわりによって素晴らしいサンプルパックになったんだなと思いました。

これら多くの機材の特徴が生きるようにループを作成したり、ワンショットを作成する。そのことでササキさんの色がでる。ササキさんの美意識が強く現れているサンプルパックです。記名性がある。

次回は、実際に使用した例などをあげてみたいと思います。リズムに対する考え方など、ササキさんのダンスミュージックに対するアプローチが見える内容となっています。凄いこと聞けたと思います。人によっては、一気に開眼することもあるんじゃないかな…

リリース情報

リリース情報 フランス Naeba Recordsよりリリースされた

TAKASHI SASAKI Featuring SAyA – Night Loop 収録のコンピ Japanese Xperience

好評につき追加製作、リリースが決定したRemix Night Loop remixes

Night Loop remixes 2

昨年イタリア LETS TECHNO recordsよりリリースされ beatportで2位になったEP Future Memory

ライブ情報

2024.08.31(sat)
sound×dance×visual
Collaboration Event
“SPANDA Vol.3”

open18:00 start18:30
charge2500yen + 1 drink order
at environment 0g [ zero-gauge ]
大阪市西区南堀江3-6-1 西大阪ビルB1
(出演時間は20:10から20:50までを予定しています。)

Beep

ササキさんが主催されているDAWLESSのイベント、Beepの予定です。

beep 50 NON PC ELECTRONIC SOUND LAB.
2024.09.27(金)
21:00 – 23:30
¥1500(別途1ドリンクオーダー)

■Guest:
HATAKEN
MADZINE

■LIVE:
Takashi Sasaki
Shohei Takata
Yohei Kisaka
kousuke sato

■VISUAL:
chiyo_midnight
omi(Amejika)

大人座 札幌市中央区南1条西1 板谷ビル 8F

https://www.otonaza.com/

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