自分が持っているプラグインについて整理するメモ。
意外に良かったというのは失礼な話なんですが、意外に良かったんですよ、これが…頭が悪い表現ですみません…
私と同じような古いサウンドが好きな人なら非常に気にいるんじゃないでしょうか。
Console1を購入した時に付属してきたのかな。
おまけだし、古いプラグインだから使わんやろと思って放置していたんですが、マニュアルしっかり読んで使ったらかなり使いやすいEQであることがわかりました。ボンクラすぎますね…
全く個性が異なる3つのEQで、見た目は地味なんですけど使い方わかると非常に楽しく使えます。
Passive EQはなんでこれ使ってなかったのかなと思いました。簡単に使えて、いい感じになる。
特に面白いのがFocusing EQなんですけど、ちょっと普通の使い方と違うんですね。
チャンネルストリップ的に考えたらわかりやすいとでも言えば良いんですかね…
物凄く早くEQ出来る。AI使うタイプの時短系EQとちがって、耳で、めちゃくちゃ早く意思決定出来ます。
ここにEQしたいと決めたらさっと処理ができる。ワークフローがものすごく良くできているんですね。
サチュレーションでアナログ的な質感付与とトーンコントロールが本当に早くできる。EQ、よくわからないけどという人には凄くわかりやすいと思います。
まあ、使うとびっくりするくらい簡単で早いんですけど、地味だから売れないんだろうな…
初めてみたとき、こんなインターフェース、見たことがない。無理!といって諦めていたんですけど、マニュアル読んだら極めて簡単だとわかりました。ボンクラすぎますね…
この3つのEQはAcitive Equalizerを除いては細かいことをするタイプのEQではなくて、音作りに向いているEQだと思うんですけど、どれもなかなかいい感じにしてくれます。
まあ、どれもSoftubeは楽しいんですけどね…
売れ線のプラグインでもなく、今となっては古いものなので日本語情報がない。しっかり書いておきます。ボロ儲けしたいからみんな100個くらい買ってくれないかなあ…
Softubeはデモ期間が20日あるので、その間に使い倒すのがオススメです…
Passive Active Packとは
イコライザーが3つセットになったものです。
- Passive Equalizer
- Active Equalizer
- Focusing Equalizer
Focusing EqualizerはPassive EqualizerとActive Equalizerを組み合わせたSoftubeの独自のもの。
ローカットとハイカットで帯域を決めると、Low,High,Midの帯域が自動的に変化する仕組み。サチュレーションもついています。サチュレーションをつけたのは天才的だなと思いました。
Passive Equalizer
Passive Equalizerは何のモデリングなのか、Webサイトでは書いてないんですけど、マニュアルにはちゃんと書いてありました。Neumann PEV 930のモデリングとのこと。W495と同じようなものということらしいです。マスタリング用EQということですね。
W495はPulsar Audioが出してますね。こっちのほうがPCで使いたい方はグラフィルカルで使いやすいかもしれません。
実際にはPEVとW495は回路の構成が異なるそうです。そういうところまで知りたい人はこちらを御覧ください。どうも調べると色々なバージョンが有るようです。
マスタリングのEQとして使われること多いとのこと。70年代のアナログのカッティングでよく使われていたということですが、ぬるっと掛かっていい感じになります。1969年に発売という記述を見たのですが、ノイマンのサイト、社史にも書かれていなかった。
高域はシルキー、バターのような中域、クリーミーな低域と評しているものを見ましたが、日本語でいうとぬるっとというのがしっくり来ますかね。高域だけブーストしても一気に高級感でるというか…
Pultec的な何に使っても大体良くなるという訳のわからないEQという頭の悪い理解をしてます…
トーンコントローラー的なEQといえば良いんですかね。適当に弄っても破綻しないのは素晴らしいですね。
いや、マジでいい感じになるんですよ…マスタリング用の正確なEQというだけで、トラックに使っても何ら問題ない。
スネアに使うとファットになると言うのはそうですけど、Highだけ上げてギターのカッティングなんかに使ってもいい感じになりますね。アコギに使っても良かったです。Active EqualizerもPassive Equalizerもハイは凄く高級感出ます。
ボーカルもハイを上げると独特の艶がでるというか、適当に弄っても悪い音にするのが難しいEQです。
古いのが好きなら良いと思うのはある意味当たり前で、Pulsar Audioの説明によるとほとんどのアナログをカッティングするところで使われていたんだから、まあ、嫌いになるのは難しいですよね…
追記:2023/11/13
ドラムに使用。ぬるっとというのがわかるんじゃないですかね。バンドが固定されているからグライコ使ってみるみたいな感じで。さっと音作り出来ます。
スネアのファットさやキックの丸いんだけど太い感じとか、アナログカッティング用のEQ以外にも使っていたと言われるのは納得です。
PUSH使っている人だとマッピングされてすぐ使えて便利。人気ないけど、Lowは60Hz固定(実際は変化している),Highは10kHz固定。Presenseは(0.7k,1.4K,2k,2.8k,4k,5.6K)と倍音刻みになっていて扱いやすい。
PUSH使っている人だとマッピングされてすぐ使えて便利。人気ないけど、
— うりなみ (@urinami) November 12, 2023
Lowは60Hz固定(実際は変化している),Highは10kHz固定。Presenseは(0.7k,1.4K,2k,2.8k,4k,5.6K)と倍音刻みになっていて扱いやすい。
確かにスネアやキックに使いたいのはわかる。 pic.twitter.com/s1VYAUXR9J
Active Equalizer
これも何のモデリングかWebサイトをみても分からなかったんですけど、ちゃんとマニュアルには書いてありますね。Filtek Labo mk.5のモデリングとのこと。
これもレコードのカッティングで使われていたEQということなので、古いサウンドを作るにはええやつですね。
マスタリンググレードのEQとして作られたものということですが、周波数が固定なので、悩まない。積極的な音作りにも使える。シャープなEQですね。
Simmens W295Bというのが当時人気があったものをアップグレードする形で作られたものとのこと。マスタリング用に作られたという点ではPassive EQと同じですけど個性は全然違いますね。
バンド固定なので、各楽器の美味しいところにさっとアクセスできるのは使いやすい。
Simmens W295などのモデリングはArturia,SoundToysから出てます。Sound Toysの物は単体ですが、Arturiaのものはいくつかのモジュールを組み合わせたものです。
Focusing Equalizer
この2つのEQを組み合わせたのが、Focusing Equalizerです。
Softubeの推奨する使い方は以下のとおりです。めちゃ簡単ですね。
- ハイカットとローカットで周波数帯域を設定します。これにより、Low、Mid、Highバンドの周波数が自動的に変更されます)。
- イコライザー・タイプを選択(アクティブから始めることをSoftubeは推奨してます)
- イコライザーの調整(ロー、ミッド、ハイゲイン)
- イコライザー・タイプを切り替えて、サウンドの変化を聴く
- 必要ならサチュレーションを加える。
なんというか、これだけだと全然魅力がわかりませんね…
要するに使う帯域をローカットやハイカットしたら、調整するべきEQにフォーカスできるようなワークフローになっている。だから、Focusing Equalizerって言うんですね。
めちゃくちゃ早く音作りできます。
使うまで全然分からなかった。
音は好みがあるからなんともいえないんですけど、ローカット、ハイカットしてからのEQポイントを決めていく作業がとにかく早くすむんですね。
見た目に反してモダンなミックスに向いているように思いました。パライコでうーん、なんかここ今一つだよなって探っていくようなことってありませんか。そういう手間が激減する。パラメーターが少ないのと帯域が絞り込まれているので、作業が速い。
耳でさっと処理できる。
高機能なEQはそれなりにもってるんですが、大量に作る必要があるときにはこのFocusing Equalizerは役に立ちました。
音作り系のEQですね。そして、サチュレーション掛けられるので、質感を簡単に変えられます。実にいい感じに出来ます。
EQで満足いったら別にサチュレーションを掛けなくてもいいわけですし。ただ、このサチュレーションを使うと美味しいところが強調されるように思います。あ、くどいなと思ったらやらなくてもいいですしね。
いい感じだけど、もうちょっと質感加えたいなという時にサチュレーション加えるといい。ちょっとサチュレーションを加えるだけでもミックス全体でやっていくと大きな違いが出ますね。
バスに使ってもいい。サチュレーションも低域は歪まないように、高域は歪まないようにと実に気が利いてます。
そして、何やっても破綻しにくい。アナログ系の特徴といえばそれまでなんでしょうけど…また、動画撮って執拗に検証したいと思います…
Active EQとPassive EQを組み合わせたものですけど、使用感は全然違う。ハイカット、ローカットから入るのはチャンネルストリップ的なワークフローですから慣れると非常に早く使える。
個人的にはPUSHで使うとめちゃくちゃ楽しいんじゃないかと。Console1持っている人はもちろん快適に使えるわけですけど。
パラメーターが少ないのでスムーズに音作りできます。自動的にパラメーター全部がマッピングされるので、なかなかに使いやすい。
Abletonの中ではChannel EQに近いですね。メリットはローカットもハイカットもあるのと、サチュレーションもあるのでかなりこれで音作りが出来るということですね。
追記:11/13
耳だけでEQできますね。超早い。
ハイはシルキーといわれる特徴のままですけど、サチュレーションが強力ですね…150hz、250hzのようなサックスの太さがあるようなところもEQしてローをブーストしたら調整できるので、思っている以上に調整出来そうです。
良い感じの帯域を決めて、EQしていくので早いです。
サチュレーションも高音域は歪まないようにできたり気が利いてます。
SoftubeはHarmonicsもそうですけど、地味に帯域を分けてサチュレーション掛けられるんですよね。
ですのでモダンなミックスにも使えると思います。動画には撮ってないんですけど、ボーカルのリバーブにEQしたりするのにも良かった。
ちょっと歪み感が欲しかったので残しましたけど、こういうの耳で聴きながらPUSHでできるのは楽ちんですね。
ぬるっと掛かって破綻しない。音作り系EQでサックスやボーカルにもすごく良いと思いました。サチュレーションと中音域いじると一気に前に出ますね。EQをActiveにすればもっと過激な処理できるんですけど、私の好みは圧倒的にパッシブですね。
楽しい…
PUSHだとEQのタイプ以外は自動マッピングで、簡単に調整出来て楽。
— うりなみ (@urinami) November 13, 2023
ローカット、ハイカットしてから細かくEQするというSoftubeオリジナル。
めちゃ簡単ですね…
サチュレーションがあって、上は歪ませないなど可能。
簡単に音作り出来て、楽しいですね… pic.twitter.com/Qo5GrN2ls4
追記:2024/05/27
フレットレスベースに使いました。質感付与のEQというのがよく分かるんじゃないでしょうか。これとHarmonicsがあればオールド・スクールなベースの質感は作れますね。
昨日、うずうずさんが我が家にいらっしゃったので、セッションビューでさっと作ったやつ。
— うりなみ (@urinami) May 22, 2024
我が家に来ると料理とSoftubeでもてなされることになっております…
PUSH3やLinnstrument,Toucheやプラグイン触ってもらえたのは良かった。使ってる人そばにいるとわかりますもんね… pic.twitter.com/cpiD2mXtiG
まとめ
プラグイン、新しくて高機能なものが良いというイメージはどうしてもあるんですけど、使いやすさは新しいからいいというわけではない。
機能が絞られている分さっと音作りが出来る。どういじっても破綻しにくいような特徴がある。耳を使ってEQできる。スペクラムアナライザーがないのもいいですね。耳を使わざるを得ないので。
そして自分が求める音色に持っていくのが簡単。これはありがたい。
Passive Equalizerはアコギとスネア、カッティングのギター、それとベースとキックに使うと自分の使い方は決まってきてるんですけど、こういうときにはこれで良いというのは安心感ありますね。
生楽器を扱うことが多い人だと、Focusing Equalizerは非常に早くEQ出来て時短になると思います。意思決定が早くできる。サックスに使ってよし、ドラムに使ってよし、ボーカルに使ってよし。今のところどれに使っても良い感じにしてくれる。
どれかひとつだけしかEQ使えないというならPro-Q3かFocusing EQかというくらい気に入ってますね。便利なのはPro-Q3ですけど、楽しいのはFocusing EQですね。私にとっては。
Console1でも使えるので、マウスを使いたくない人にもおすすめです。
地味ですけど、気に入ってます!
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