頭が悪いタイトルですね。見た瞬間にIQが30は下がりそうなタイトルですが、本当にそうだからね…
SoftubeのTube Delayがちょっと前にセールをやっていたので購入したのですが、古臭くできて最高でした…
治安が悪い音から馴染まない音をなじませてくれる用途にも使えて非常に楽しい。
なんというか、非常にムードを作ってくれます。
サチュレーションに力が入っている異質なディレイ。というか、歪みの方がメインと言っても良いくらい特徴がある。
空間を綺麗に埋めてくれるタイプのディレイというよりは色付けがはっきりあるタイプのディレイです。アナログ的な質感が強く出る。
アナログ感がありすぎるので、目立たせたいものに使うと実に気持ちいい。また、デジタルくさいソースにかけると馴染んでもくれます。
薄く掛けると上品にもなる。なんに使ってもいい感じ。出汁的な感じですね…
トーンコントロールがかなり効くのと歪みが掛けられる。そこを理解すれば使うのは難しくない。
古い質感が欲しい場合などにも重宝すると思います。最高や…
適当に使っても存在感があるディレイ
聞いていただくのが一番簡単ですね。
こういう古臭くて治安悪めのキメの荒い歪みも簡単に作ることができます。ピッキングのタッチで歪ませられるのでブースター的に使っても気持ちいいですねえ。
説明も何もというシンプルなディレイですね…
Mixはディレイと原音のバランスです。Dryに振り切るとディレイはかかりません。ファズとまではいかないものの、かなり歪ませられます。ここが他のディレイとの大きな違いですかね…
特徴的なのは、Driveつまみが2つあることですね。上はドライ信号にサチュレーションを掛け、下のつまみはディレイ音にサチュレーションをかけられます。
ディレイにチューブのサチュレーションが掛けられるわけですけど、これがTube Delayの特徴ですね。
正直、古いタイプの歪みが欲しい場合これがハマるという方は結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。私は大好物です…
シカゴ・ブルースの殺人的な歪みギターで有名なPat Hareみたいな音になります。むちゃくちゃ古い歪みのサウンドがPCから飛び出してきたのはびっくりしました。
たとえが全然わからないですね。すみません…
また、ディレイにサチュレーションもかけられるのも特徴的。
ディレイ音に独特の質感を持たせることもできます。
これはものすごく強力ですね。存在感出したり、ナチュラルな感じにできたり。強烈なアナログ感です。
まあ、いじったらわかります…凄すぎて笑えてきますね。
FeedbackはDelayを繰り返す信号の量です。左に回し切ると1回だけの再生。
上げていくと無限にフィードバックします。ダブやる人には嬉しいかもしれないですね。歪ませてチンピラ感を上げることも可能です。悪いですよ。フフフ…
厚みを持たせる様なスラップバックディレイも簡単に作れます。
フィードバック0にしてディレイを短くすればいい。プリセットにもあります。
マニュアルにはダブリングは40msec、スラップバックは100〜250msecとありますが、こんなの聞いたらすぐに調節できます。
極めてわかりやすい。こう言うのでいいのよ…マルチタップのディレイもいいけれど、サクッと繋いで音楽的な音が出るのは嬉しいですね。
ちょっと注意する必要があるのは、Delay timeですね。
コントロールの前半は1~100ミリ秒、後半は101~1000ミリ秒となってる様です。
ここだけ見ても意味がわからなかった。均等じゃないの?
説明を読むと、1〜100msecというよく使うところは細かく調整するのができるようにしてあるとのこと。確かにその方が便利ですもんね。
今のデジタルディレイからしたら信じられないと思いますが、DelayTimeの最長は1000msecだから1秒しかありません。
Ableton付属のDelayは5000msecだからそれに比べたら物凄く短いですよね。
サンプリングが普及する以前のものはディレイタイムは短いんです。
ディレイで有名なEchoplex も800msecが最長ディレイタイムなので、明らかに古いサウンドを意識してるんでしょうね。
Tempo Syncスイッチをオンにすると、DAWのBPMに同期します。普通ですね。
一般的な表記と違うもので注意するべきところは以下の記述ですかね。マニュアルにはこう書いてあります。訳しました。
1/12は8分音符の3連符に相当します。
1/6は4分音符の3連符(一般的なレゲエ/ダブのディレイ・リズム)。
1/3は2分音符の3連符。
TONEは全体の音質ですね。これがまたいい感じにかかってくれるんですよ…見た目とうらはらになかなか派手に音色が変わります。
トレブルを落としてベースを膨らませてLo-Fi的な質感にしても楽しいですね。ドライ信号にも、Wetにもかかります。
細かい設定もできる
サチュレーションが売りなだけだけ、あって、Driveやトーンをいじると、音量が変わってしまいます。絶望や!となるかもしれませんが、大丈夫ですよ…
そんな時も、ゲインマッチングも簡単にできます。
SETボタン押せば入出力のゲインを調整してくれます。ヘッドルーム、ハイパスも調整できるので、望んだ状態に持っていくのは簡単。
ローカットしたり、バスで薄く掛けたりすると上品で存在感がある音にも出来るので、使いやすい。
古いサウンドでも操作性を失わないSoftubeの真骨頂ですね。
パーカッションやホーンに使っても良かったです。ボーカル、ギターは言うまでもなくいいですね。
さらにいいところはそれだけではありません。
Console1をお持ちな方は読み込んで使うことも可能です。ディレイなのにドライブセクションで読み込めるという。かなり特徴があるサチュレーションでもあるので色々活用法があるのは嬉しいですね。
Amproomで使うこともできます。Softubeのバーチャル、モジュラーシンセのシステムでも使えるので、活用法は本当に広いと思います。
まとめ
ほとんどSpring Reverbと見た目も変わらず、なんだか地味というイメージがあったTube Delayですが、音は全然地味ではなかった。やー、びっくりしました。
強烈な存在感があるディレイで、空間的な処理というより、音色を作る用途で力を発揮する異質なディレイです。
ギタリストにとっては、テープエコーなどをブースターがわりに使うのは馴染みがあるものですよね。強力な飛び道具としても使えます。
もちろんスラップバックディレイなどまんま古い音にもできます。
デジタル臭くて馴染みが悪いものにエコー的に使ってもいい。矛盾する様ですが、デジタル的な明瞭さも消せるし、存在感があるアナログ的なサウンドにもできます。
アナログ的という言い方が適切なのかな…
ギターだとリバーブ使わずにディレイ使う人もいますけど、このTube Delayだとテープエコー的にも使えるから使いやすいでしょうね。
薄く使えばスムーズジャズ的なものまで応用できそうな懐の深さを感じます。
歪みものとして使ってもよし、ピアノなんかに軽くディレイ成分を歪ませてハイカットしてもよし、見た目以上にいろんな音色が作れて楽しいです。
追記:2023/09/22
エレピに掛けました。どうですか、これ。
EzkeysのDreammachineのデフォルトなんですけど、Tube Delayを使うと一気にらしくなる。ネオ・ソウル的というか、70年代ジャズ・ファンク的な感じに一瞬で出来て笑えますね。
SoundtoysのサチュレーターかSoftubeのHarmonicsを使って、テープエコー的なものを使うのがお気に入りの古い感じのディレイを作る方法だったんですが、Tube Delay一発で出来る。
ディレイは薄いんですが、ディレイ成分にかなり歪みを掛けることで一気にらしくなる。楽しすぎます。
もちろんギターやボーカルにかけてもアナログ感を付与してくれるし、ホーンにかけても良さそう。
Softubeはおっさんの期待を裏切りませんね。大満足です。
いい買い物でした!
コメント