ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室 キャスリーン・フリン | 無理ない暮らし
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ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室 キャスリーン・フリン

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ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室 キャスリーン・フリン

普段の自分ならタイトルだけで、あ、こういうのはいいかなとスルーする本でしたが、なかなかに面白く読めました。

Kindle Unlimitedに入ってるからですね。

ざっとかいつまむと、料理専門家の筆者が、料理ができない人に料理の簡単さ、楽しさを教え、ともに学ぶことで、みんなちょっと食べることや料理について変わったかなという話です。

タイトルが強烈ですよね。原題がThe kitchen counter cooking schoolですから、惹句とはいえここまでせんでもええやんと私は思いました。

冷蔵庫の中身が変われば生き方が変わる

自炊すればするほど、体重は減る

ほんの少し買い、たくさん作り、捨てない幸せ

パワーワード爆誕や!

これが表紙にかかれている文言ですけど、この本のテーマと言えるのは、ほんの少し買い、たくさん作り、捨てない幸せということでしょうね。普段だったら読まんよ、こんなの。という印象だったのですが、読むと料理したくなりましたね。

出てくる9人の登場人物もダメな人間なんかでは全くないです。料理をつくるということが苦手だというだけです。

人によっては、倫理的な食べ方について書いてある本との印象をうけるかもしれませんし、アメリカの食産業の問題点と読む方もいるかもしれません。

〝 トロトロ〟 なんて 言葉、 もう理解 されないから。 キッチン 用語が蒸発しちゃったんですよ」 「でも問題は、その〝 トロトロ〟 だけじゃないよな」 と トム は 言っ た。「〝 塩 ひとつまみ〟 がわからないっていう人もいるからね。ひとつまみ って、 何よ それ? みたい な」

キャスリーン・フリン. ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室 (きこ書房) (Kindle の位置No.443-446). きこ書房. Kindle 版.

筆者の問題意識としては、産業によって調理能力を奪われるようになったので、それを個人に取り戻そうですかね。

料理は難しいものじゃない。自分で作ると、安くて簡単で美味しいよと。で、食べ物を食べるときにちょっと食べ物について考えてみよう。

普通のこと言ってるなと思いました。

キャスリーンさんとしては、スープストックも自分で作って、できれば調理してほしいでしょうけれど、忙しかったり、それぞれの都合でできる範囲でやればいいという温かい視線もありましたよ。日本の出汁論争とか、めんつゆ論争みたいなもんですかね…

けれど、 彼女がかつてアルコールへの 依存 を 断ち切る には、 その時間とくり返しが重要だったのと同じだと説明してくれ た。「 私がすべてを一度に変えようと努力すると、絶対に失敗する。 私はいま、基礎を固めはじめたのだと思っていて、自分 の進むべき方向については 満足している」 フード プロセッサーで 玉ねぎ を 刻んだっていいじゃない?  それを使って健康的 な食べ物を作っているのだもの。 テリ、健闘を祈るわ!

キャスリーン・フリン. ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室 (きこ書房) (Kindle の位置No.3396-3400). きこ書房. Kindle 版.

料理教室が終わってからの後日譚があるんですが、このテリという方はほとんどピザや中華のデリで生活していていたんですね。料理教室で学んだことを全部やってるわけじゃなくて、できる範囲で無理なくやるのはいいなと思いました。

  誰がシャノンに 反論できる?   彼女には情報があった。 そしていまの生活のための、 率直で現実的な期待を基準にし て、 選択肢の重さを量ったのだ。 いまのところは、数時間かけて 煮込むストックは 優先的ではないけれど、塩辛い液体を料理の中 に入れることはしたくない。 だから 彼女の選択は、塩なしのチキンストックを探すことで、 それは完璧な解決方法だと思える のだ。 それ以外にも同じようなことがあるだろう。

キャスリーン・フリン. ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室 (きこ書房) (Kindle の位置No.3438-3442). きこ書房. Kindle 版.

誰もが生活に忙しいわけで、できれば体にいいもの食べたほうがいいのはわかっていても、なかなか出来ないことはありますよね。筆者の目線は温かいです。

ちょっと調理が苦手なんだけどというひとには、ああ、こういう点をおさえておけば、料理って簡単と感じさせるようにキャスリーンさんは工夫して書いてくれてます。

実際、この料理教室に参加した人は、みんな、これならできると思って、作っていくうちにスキルがあがっていったんだと思います。ちょっとその進歩もみていて楽しい。

レシピを覚えるより、その調理法は何の効果を狙っているのか。あるいは公式みたいなものがわかると楽じゃないですか。それに気づいたんだと思います。

ビネグレットソース(ドレッシング)なんか酢と油の比が3:1とか。ベースがわかれば自分で創意工夫できる。実際、本の中で、も基本はおさえて、めいめい自分の好みでドレッシング作るところとか楽しそうでしたね。

コツについては本当、当たり前のことなんですけど、当たり前のことがわからないから調理できないんですよね。こうやって楽しく読めるのはいいですね。

香草は先に炒めるとか、あと、野菜のソテーは強火でフライパンふるとか、玉ねぎとか野菜にしっかり焼き色つけるのは糖化させて甘みを引き出すためだからとか。

こういう、各調理法に共通するものを帰納的に抜き出したものが、コツなんですよね。こういうの、多くはないですけど書いてくれてます。

それぞれの状況だったり、ちょっとした人間ドラマもあるので、それも調理エッセイとして面白さを増していると思います。

コツが有るのに気づくかも

キャスリーンさんのこの本は、コツについて多く書いてあるような実用的な料理本ではまったくないです。

ですが料理が苦手な人には、ああ、こういうコツがあるんだとすごく気持ちを楽にしてくれると思いました。

コツも原理考えたら楽しく覚えられますよね。

砂糖の分子量考えたら初めに入れるだろうし、酒を入れるのは共沸効果(匂いを飛ばす)、浸透性(味を入れる)なわけですから、そりゃ肉にふったらいいだろうとか。

沸点あげるなら、料理のさしすせそって言うけど先に酒をいれればいいんだとか、わかるじゃないですか。

私の適当レシピに常にお酒が入ってるのはそれが理由です。(ごめんなさい、嘘です。)

塩ふるのだって、浸透圧で匂いがある水分出すためですよね。下味をいれるのと同時に臭みを取るわけですから。だから、タンドリーチキンでもディップは拭き取る。

卵料理で弱火にするのはタンパク質の変性考えたら納得ですよね。

想定読者は明らかに女性ですが、男性の私でも楽しく読めました。訳は、嫌いと言う人もいるみたいですけど、私はいきいきとしていて楽しく読めました。

このサイト読む人はほぼ男性で、興味はパッドと食べ物はラーメンくらいしか興味ないかもしれないですけど、調理は本当楽しいですよ!

調理記事も読んでくれ!

書くのに時間掛かるのに読まれんくて絶望や…

打倒栗原はるみでがんばります。はるみ、エグいくらいに色んな本書いてるのね…

あ、一応、コツらしいもの書いてあります。ちなみにジャージャー麺とボロネーゼ、麻婆豆腐、キーマカレーは材料は違いますけど、香草を油で炒める。ひき肉をしっかり炒めるというのは共通してます。水分を後で入れるのも共通ですね。

あ、Kindle Unlimitedで読んだ本紹介していってもいいな。これもそうです。馬渕先生のコーヒーとビールに対する愛がダダ漏れの渾身の一冊です。

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