ファンクをやるために歴史を知ろう 2 西海岸 | 無理ない暮らし
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ファンクをやるために歴史を知ろう 2 西海岸

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音楽
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ライブ配信の補足資料で書いていたんですけど、あまりにも分量が多くなってきたので分割しました。

どうせ追記して更にボリュームが大きくなっちゃいますしね。

西海岸

西海岸は映画産業もあり、それに付随して音楽産業も盛んな土地。他の地域のミュージシャンが全米から集ってくる土地でもあります。モータウンもSTAXも途中で西海岸に移動しますしね。

ですので、西海岸のサウンドと大雑把に分けるのは無理がありますが、概要を掴むために、西海岸出身のアーティストを取り上げます。西海岸は後にヒップホップの中心地の1つになりますが、サンプリングソースはJBなどが中心だった東海岸と異なったことも興味深いのではないでしょうか。

P-Funk勢がG-Funkに与えた影響は大きい。

ヒスパニック系の人口も多く、人種混淆バンドが多いのが特徴と言われています。文化的にもまた他の地域より解放的というのもあってか多様なスタイルがありますね。

西海岸というか、ファンクを代表するアーティストであるSly&The Family Stoneから。

アルバムと違って、ライブではメドレーをやっているのが多い。ブートなどではすべてこれは1曲だったんだったとわかるアレンジもあります。

Sly&The Family Stoneの代表曲の1つ。

ドラマーのGreg Erricoはとにかくタイトなドラマーだとラリー・グラハムが評していますが、パターンをクールに守るスタイル。

ドラム、ホーン、ギター、ベース、コーラスそれら全部がリズム楽器として立体的に組み立てられている。スライのリズムの組み方は知的だなと思います。スライはマルチプレイヤーでもあります。スライのベースは、Larryともまた違って非常にファンキーです。リズムの難易度はスライの方が上かも。

ドラマーがアンディ・ニューマークに交代。リズムマシンと生ドラムの組み合わせという今では当たり前のことをやっています。ファンクの場合、たいてい最初にスライがやっていたことが多いですね…

Milesにこの曲は影響を与えたことでも有名です。

伝記に関してはこれが決定版ではないでしょうか。レコーディングの逸話がいっぱい。

James Gadson,Al Mckayを要するバンド。片手16ビートというとGadsonの代名詞ですが、ファンク全体で見るとむしろ片手で16分音符を刻むスタイルは少ない。

James Gadsonはモータウンの仕事も多くしていますね。Motownも移転後のミュージシャンについても書いておかないと影響関係も見えにくいですね。書いてるうちにどんどん書かないといけないことが出てくるわ…

James Jemersonは西海岸に来たけれど、Bob Babbittは東海岸に行く。モータウンで仕事をしていたミュージシャンはジャズの人ともかなり仕事しますしね。James Gadsonもその一人です。

両手で16を刻むディスコ的なスタイルもいろいろ聞くとスタイルの1つに過ぎないこともわかると思います。

Low Rider文化について歌っている曲という意味でも非常に西海岸っぽい。ファンクといってもいろいろスタイルがあるのがわかるのではないでしょうか。

WARのアティチュードは人生にもいろいろ良い影響を与えてくれました。しかし、キックの音が凄い…コンプサウンドはファンクの特徴でもあります。

WARの歌詞は、西海岸の生活を歌っているものも多いですね。WARは作曲やアレンジがかなりしっかりしているのもアドリブ要素が多いファンクの中では個性になっているかもしれません。

西海岸の人種的な特徴が出てますね。ベースのロッコがこのテンポで16刻み続けるスタイルは全然標準的なスタイルではないです…

でも、これもファンクなんや…

David Garibaldi、Mike Clarkとリニアドラミングの達人がいるのも西海岸の特徴ですね。ドラマーとベーシストが良くないとファンクは成り立たないのでグレイトなドラマーやベーシストが多いです。

ゴーストノートを組み込んだドラミングはファンクでは多いですが、ガリバルディはその中でも際立ってますね。ホーンセクションが豪華なのも日本で人気がある理由かもしれません。

ホーンセクションは色んなところで出稼ぎしてます。Bonnie Raittのところや、Larry Grahamのレコーディングなど。ホーンもファンク時代はリズム楽器としての要素が大きくなることもあると思います。

ファンクだと他にもThe Horny Horns,Memphis Hornsなどが有名です。ファンク時代はホーンを抱えた大所帯のバンドが多いのが特徴でもあります。

メロウな曲もTOPの持ち味。ファンクバンドでもコード進行があるものだと、ソウルと同じようなアプローチになることがわかるのでは。

この時代だとソウルの人もファンクの人もリズムは共通で、よりファンキーにしたい場合にコードを少なくしたり、モーダルになったりということなんでしょうね。だから、どっちも出来るのが普通だと思います。

Doony Hathawayの曲。このバンドはホーンが豪華なバンドでボーカルは全然ファンクという感じがしないですけど、大所帯のホーンありバンドということで西海岸の特徴がわかるのではないでしょうか。

多分、このアルバムが一番ファンク度数が高いですかね。豪華なホーンセクションは西海岸の特徴がよく出てます。

Greg Ericcoがプロデュース、Larry Grahamが参加してます。まあ、聞けばわかりますね…

この二人もグレイトなリズムセクション。
クレジットをみるとシルヴェスターが参加しているのもポイントが高いですね…

リフで引っ張るスタイル。こういうのもファンクではあります。いろいろなスタイルがある。

Greg Erricoは印象的なリズムパターンを作る名手。倍テンになったり、フラムをうまく使ったり…ハイハットワークがクールですね。

ハイハット・オープンをアクセントして使うのはBernard Purdieも名手ですが、Greg Ericcoもかっこいいですね。

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ファンク期のマイルスのところも色々面白いです…

「あんたは白人であること以外に何をしたんだ? オレかい? そうだな、音楽の歴史を5回か6回は変えたかな」といったマイルス節がたまらん自叙伝です。全人類買うべきですね。買ったらしばらく脳内マイルスがあなたに語りかけてくれるでしょう…

Bettyの話も出てきます。ジミ・ヘンドリックスと付き合っていたり、Slyと付き合っていたりというエピソードがBetty Davisは取り上げられがちですけど、強烈な個性でかっこいい。

マイルスの自叙伝とスライの伝記双方を読むとなかなかおもしろいです。

マイルスはスライの影響が大きかったことや、晩年はGo-Goに接近したりファンクはやはり重要だったことが再確認できるのでは。

スライに「そのブードゥーみたいなオルガンはやめろ」と怒られたエピソードなどこれ聞くとわかる気がしますね…

怒られが発生するのは当然や…

マイルスはビートルズより売れると思っていたらしいです…

コロンビアのプロモーションが悪いと伝記でディスりまくっていましたが、やっぱりマイルスは帝王だと思わざるを得ない。ファンク度数が高すぎますね…

HerbieやDonald Byrdと違ってポップさがゼロのアルバムです。かっこいいですけどね。これが売れたら驚くわ…

マイルスは最後にそれぞれが別のモードを設定して弾くような世界に突入していくんですが、当時、日本では相当な戸惑いをもって受け止められたそうです。

1973年リリース。マイルスと比べると大分聞きやすいですね。日本のディスコでも大流行したらしいです。

ドラムはHarvey Mason ベースはPaul Jacksonの強力なリズムセクションです。

Head Huntersのドラムは後にMike Clarkに交代しますがもともとMike ClarkがHeadhuntersのドラマーとのこと。後期はP-FunkのグレイトなギタリストでもあるBlackBirdが参加します。

ベースがアンティシペーションした位置から入っているので慣れてない人だと頭がわからなくなるかもしれない…

スネアがバックビートに打たないことによって緊張感が出てますね…ファンクではしばしば行われる手法です。

他ジャンルだとないスタイルだったりもするので、研究のしがいがありますね。楽しい。

ゴーストノートも印象的です。またドリアンモードで作られた典型例でもあります。ファンクはモードに基づいて作られたものが多い。

ほとんど1コード、2コードでやっているような曲の多くはモードに基づいてます。

モードの場合、そのモードに含まれているコードを自由に使っていいということではあるんですが、かっこよく響かせるにはある程度パターンがあります。メジャーのトライアドの第2転回形を動かしたりするのはHerbie先生も結構やりますね。Stevieもやります。

このあたりは調性音楽っぽいけど、モードに基づいてるのが多い。ただ、厄介なのが今一般的に言われているモード理論ではやらんやろと言われているものも普通にやってたりするのは結構あるんです。

まあ、モードの始まりと言われるSo WhatもMilesのソロ、出だしからb6使ってたりするので、Dorianモードではなかったりしますからね…

ですので、理屈がわからないとコピーできるけど意味がわからんということになりかねないですね…モードをかなり活用してるのはChicもそうですし、たくさんの曲がモードに基づいて書かれている。

Donny HathawayのThe Ghettoもドリアン・モードの曲ですね。

ブルースなんかはモードと考えたほうが理解できるものが多いので、こういうのもブラックミュージックの歴史的なつながりがわかる。いずれ解説出来たら良いですね…

いろいろ資料あります。ファンクのシンベについてある程度の知識が得られると思います。
ベースラインは、コードやスケールの知識がないとうまく作るのは難しい。名曲のベースラインが弾ければ同時にマスターできるというコーナー。パッドじゃなくてベースにしたほうが楽だったのではと思わなくはないです…

ブラックミュージック、特にファンクではマイナー7thコードを全部ドリアン・モードに基づいていると拡大解釈してその中のコードを任意に動かしてバッキングしたりします。

え、そんなええの?と思われるかもしれないないですが、良いんです…なぜならかっこいいから…

ストレートなファンクでは使われませんが、ジャズ・ファンク系ではかなり使われる手法です。

So Whatコードは鍵盤がやることが多いですね。

まあここまでフルコードで弾くことは少なくて、ファンクではブロークン・コードで弾くことも多い。

ドリアンを代表する6thのサウンドが入ったボイシングはギターでは概ね2種類のボイシングがあります。これもまた紹介していきますね。

次はEarth,Wind & Fireです。ライブです。中西部に入れようと思ったのですが、結成はシカゴであっても、ロスでの活動のほうが有名なので、西海岸に分類しました。

スタジオ盤に比べるとずっとワイルドですね…

Verdineの高速スライドやビブラートはこれだけでも一発でわかりますね。めちゃちゃ手数が多いベーシストです。音色も特徴的だし、ボトムを支えるプレイからからフィルインまで縦横無尽ですね…

VerdineじゃなかったらだいぶEarthは違ったサウンドだったんじゃないかなあ。

Al Mccayはドミナント7(#9)で弾いていますが、Verdineはブルーススケール(もしくはドリアンと)解釈して弾いています。

上に乗っているコードがメジャー系なのに、ベースはマイナーになるということはブラックミュージックではあります。こういうモードの混在もファンクの特徴です。ブルース由来と考えると非常にわかりやすい。

後半のドラムだけになるところなどヒップホップへのつながりなども見えるのではないでしょうか。

ハイブリッド・コードの使用はEarth,Wind & Fireは多いです。これもそうですね。コード、スケール編の動画でも少し説明しましたね。ファンク、ソウル、R&Bでは頻出のコードです。

モーダルなアプローチも多いのでハーモニー的にも高度なバンドでもあります。

ギターの音域も楽器数が多いので考えられていることが多いです。

ファンクバンドの場合、ギターはフルコードで弾くことは少ない。1〜3弦だけ弾いたりもします。このあたりも奏法上の特徴を知らないとサンプルやプラグインを使ってもらしい感じにならないと思います。

Fred WhiteはDonny Hathawayのライブで叩いていたドラマーでもありますね。

長兄Maurice WhiteはRamsey Lewisバンドのドラマーでもありました。シカゴで活動をしていた(Chessのスタジオミュージシャンだった)ので、中西部で取り上げるのがいいのかもしれませんが、西海岸に移動してからヒットに恵まれたので、西海岸に入れてあります。

Charles Stepneyなどシカゴ人脈との付き合いがあるのもどこで活動していたか理解するとわかりやすい。サウンドに関してはCharles StepneyがEarthのサウンドに影響を与えたのは大きかったはずです。

高校時代にBooker Tとバンドを組んでいたということらしいですが、ファンク、ソウル界のコミュニティは凄すぎますね…

Verdineはファンク・ベーシストとしては結構前でも弾きますね。まあ、曲によってもその度合いも変えますし、BPMによって前に行ったり後に行ったりする。

先程の曲ではFredはレイドバックしてるから面白い。曲によってかなりスネアの位置が違ったり達人だなと驚嘆します…

アンサンブルの妙ですね。フィルだけ溜めてるのに頭で戻るとか笑いながら叩いている映像とかありますからね。超人リズムセクションです。まあ、ファンクは大体超人リズムセクションばっかりなんですけれども。

Al Mccay含めて最強のリズムセクションを擁するバンドと言えます。Al Mccayは構築されたギターのパターンを作る人でキャッチーなリフを作る名手です。Larry Dunnもそうだし。すごすぎますね。

Verdineに関して言うと、Jerry Jemottも前で弾くことありますけど、ものすごく個性的なスタイルです。ファンクはみんな個性を追求するものなので同じようなフレーズでも驚くほどタイムは違う。

ベースが前の位置にいるバンドはファンクとしてはかなり少ないですが、これもバンド・アンサンブルの妙ですね。グレイトなバンドのアンサンブルを研究すればするほどそれぞれのバンドの個性があることに驚くと思います。

1小節だけでそのバンドとわかるくらい特徴あったりしますからね…

EWF Horns,phoenix Hornsの貢献度も高いです。超絶ホーンセクションですけど、知名度は今ひとつかな。

特徴的なオクターブで動くことがファンクのホーンでは多いんですけど、この人たちはレコーディングでは低音オクターブ、中音オクターブ、高音オクターブなどもやってますね。おかしい技術力です…

次は東海岸編です。マジでどれくらいの分量になっちゃうんでしょうか…

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