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Ableton Moveのコードワーク

Ableton Move
この記事は約13分で読めます。

Ableton Moveでのコードワークの配信をやりました。Moveの場合は32パッドであり64パッドと違った工夫が要求されます。

クロマチックモードで弾くための知識を整理しました。動画2つご覧いだければ、Moveをコンパクトな打ち込みツールとして使うことは十分可能だと思います。

ライブ配信で話した内容をスライドにしました。復習用などにご活用ください…

前編は基本。コードの基本的な知識がない方でもご覧になればこういう仕組みだと理解できると思います。

後編はかなり応用的な内容を含んでいます。ルートレスボイシングやテンションノートの入れ方、音域が少ないものをカバーするためにパッシングコードを入れるなど伴奏やアレンジに役立つような知識についても話しています。

実際コード進行がある中でフィンガリングも変わりますので、コードの押さえ方だけ知っていても演奏では難しいことも動画をみたら一発でわかるかと。

Moveの場合、パッドの数が限られるためにフィンガリングを工夫する必要があります。配信で話しましたが最低音を基準にクロマチックに練習していくことをお勧めします。いずれもCをルートした基本フォームから説明しています。

パッドで重要なのは視覚的にパッドにコードやスケールを展開出来るかです。

フィンガリングは状況に応じて変える必要がありますので。

音を鳴らす前に歌ったりするのも耳の訓練になると思います。

仕組みを知りたい方はこちらの記事と動画を見たら、コードは押さえられるようになると思います。

メジャー

メジャー、マイナーとも5度は共通していますので、Rと5度の位置関係をまず覚えましょう。それから長3度を覚えていきたいですね。

Cのトライアド

最も基本となるフォームです。下の横一列Bb~Dまでカバーします。Ebを同じ横一列で弾きたい場合はフォームを変更する必要があります。

Ebのトライアド このフォームはソロを弾いたり、ブルージーな引掛けをする時に重要なフォームになる。

右側を有効に使えるフォームです。

Eb ポジションを移動した例、基本のフォームをずらすとこうなる。縦の段の移動は速いプレイの場合難しい可能性がある

基本フォームで弾こうとすると移動が多くなるので難しい場合もあります。

Bb こちらもソロを弾くときには有効なフォーム。

左を有効に使うフォームです。

マイナー

Rと5度の位置関係は同じなので、短3度の位置関係を覚えましょう。長3度が半音下がった形ですね。

Cm

基本となるフォームです。下の横一列でAm〜Db(mC#m)までカバーします。

Ebm

こちらのフォームは下の横一列ではEbm,Emをカバーします。

Ebm

基本フォームを移動するとこうなります。

オクターブ上のCm

こちらのフィンガリングもありますけれど、コードを押さえるときにはあまり使いません。が、ソロを取ったりマイナーケースケールを覚える時の目印になります。

ディミニッシュ

マイナートライアドの5度が減5度になったものです。5度の位置が半音下がると理解しましょう。

Cdim dimのフォームは4和音のドミナント7thのルートレスボイシングでも用いる。

基本となるフォームです。下の横一列ではAdim~C#(Db)dimまでカバーします。

Ddim ミクソリディアン上でのソロなどの時に展開できると便利。

下の横一列でDdim,Ebdimをカバーするフォームです。このフォームでしか下の横一列ではDdim,Ebdimは弾けません。

Ebdim ディミニッシュは短3度ずつ(パッド3つ分)積み重ねたものなので、短3度を視覚的に覚えられると役に立つ。

基本フォームを移動して弾いています。Ebdimは別のフォームでも弾けますがこの2つのフォームで対応するので十分かもしれません。

Ebdim こちらもソロを取る時に展開できると便利

下の横一列で唯一Edimを弾けますが、このフォームでコードを押さえることは少ないと思います。

オーギュメント

メジャートライアドの5度が増5度になったものです。完全5度が半音上がったものです。5度を目印に覚えておくといいですね。

Caug 

基本となるフォームです。下の横一列でBbaug~C#augまでカバーします。

Aaug メロディックマイナーのリックを弾く時の目印にも使えます。
メロディックマイナースケールの短3度から始まるダイアトニックコードは理解するとマイナー系整理しやすいと思います。

左を有効に使う時のフォームです。

Daug 長3度(半音4つ)ずつ積んだものがオーギュメント。

下の横一列でBaug~Eaugまでカバーするフォームです。こちらを基本と考えてもいいですが、メジャートライアドの関係を考えて初めのものを基本としました。

概ね2つのトライアドを覚えればかなりコードワークは対応できるということですね。

sus4

メジャートライアドの長3度が4度になったものです。

Csus4 展開するとFsus2になる。Fsus2 Cmajのような進行はエンディングなどでも良く使われる。

基本となるフォームです。下の横一列ではAsus4からDsus4まで弾くことが出来ます。sus4からメジャーになることも多いので交互に弾く練習をしてもいいと思います。

Ebsus4

下の横一列ではCsus4からEsus4までカバーできます。Ebsus4,Esus4を下の横一列で弾こうとした場合はこちらのフォームでしか弾けません。

Ebsus4

基本フォームを移動させています。sus4に関してはこちらの2つのフォームを覚えれば演奏で問題はないはず。

転回形について

動画で説明していますが、コードの最低音をオクターブ上に持っていくことを転回型(inversion)といいます。

Moveで演奏しようとした場合、音域の問題があるので、基本形(この場合の基本形は、ルートから順番に音を重ねていくという意味です。)でコードを弾くことが出来ない場合があります。

ジャズ・ポップス理論では並び方が違ってもコードの構成音が同じなら同じ機能を持つと考えます。なんて、乱暴なんやと思われると思うんですけど、そうです。乱暴なんです…

最低音をオクターブを上にしたものが転回型といいます。これならばMoveで基本形を弾けない場合でも問題なく演奏できる事が増えます。

Cメジャーで見てみましょう。

Cmaj コードの場合表記がいろいろある。Cと書いてあればCメジャーコード。C△も同じこと。だが、ジャズの場合はトライアドで弾くことはほぼない。ジャンル等によっても違うのでこのあたりは慣れるしかないです。

Cメジャーで、R,3,5の順番で音を積んである基本形です。先程もでてきましたね。転回してみましょう。

長3度が最低音になった。C/E,ConEなどと表記する場合もある。オクターブの関係性に留意されたい。

転回形では何よりオクターブの関係性を覚えてください。オクターブ上は右に2、上に2つの位置がオクターブです。右の斜め2つ上とおぼえてもいいです。視覚的に覚えることが非常に大事です。

これをCの第一転回形。1st Inversionと呼びます。

5度が最低音となった。メジャー、マイナートライアドの転回形では4度音程を含むことを理解すると譜読みやブラックミュージックで多いモーダルなバッキングで役に立つ。

第2転回形です。第一転回形で最低音になった3度をオクターブ上に持っていっています。5度がベースになりましたね。

他のポジションの転回型のフィンガリング

メジャートライアドのEbのフィンガリングです。先ほど取り上げたフィンガリングです。ではこちらを展開します。

下の画像がEbの第一転回型です。オクターブの関係が先ほどと変わりました。左に3つ、上に3つがオクターブです。

左斜め3つ上がオクターブと覚えてもいいです。オクターブを目印にしてスケールやコードは覚えていくと整理されます。

こちらも覚えてしまいましょう。

パッドでスムーズな演奏するために必要なのは様々なパッドの見方です。

メジャーとマイナーのトライアドは転回型は必ず4度音程を含むのはフィンガリングが変わっても同じ。Rの下が5度覚えると応用も出来る。

さらに転回してみます。

4和音はR+3和音なのでこのように転回型をさっと弾けるようにするとボイシングの可能性は広がる

第2転回型になりましたね。

さらにもう一つの可能性 様々なポジションで転回形を弾く

もう一つのフィンガリングをとる場合のAメジャーを例にあげて考えます。先程とりげたものですね。

Aメジャー

基本形を転回してみましょう。

Aメジャーの第一転回型

第一転回型です。

第2転回型です。今まで出てきた転回形との共通点に気がついたのではないでしょうか。

すべての転回形をインプロしたい人なら練習してもいいと思いますけれど、曲を弾く時に、「あれ、これでは弾けない…」となった時に転回形を考えてみるのはいい訓練になると思います。

アンサンブルではベースが最低音を担うので、転回型やルートを弾かないボイシングでも問題はありません。

PushよりMoveの方がボイシングやフィンガリングは工夫する必要があるんですけど、それもまた楽器としての特性なので面白いですね…

4和音

ここからは4和音です。4和音で特に重要な、メジャー7th、ドミナント7th、マイナー7th、ハーフディミニッシュ(マイナー7thb5)は、ルート+3和音の組み合わせで作れると理解すれば、覚えることが少なくすみます。

また、音域が狭いMoveの場合は、ルートをベースに任せるルートレスボイシングを多用することになると思います。ルートを取り除いたら、どのコードになるかさっと認識できるといいですね。

メジャー7th

メジャー・トライアドに長7度(M7)が加わったものです。長7度はオクターブの半音下と覚えると覚えやすいと思います。

また、こうも覚えましょう。R+長3度からのマイナートライアド。C(ルート)+Em=Cmaj7ということですね。

Cmaj7

基本となるフォームです。下の横一列でBbmaj7~Dmaj7までカバーするフォームです。

左を有効に使うフォームです。

Amaj7

下の一列でAmaj7が弾けるのはこのフォームだけです。A+C#m=Amaj7ということですね。

右側を有効に使うフォームです。

Emaj7

下の一列です。Emaj7です。E+G#m=Emaj7

下の一列でEbmaj7,Emaj7が弾けるはこちらのフォームだけです。

実用的には基本フォームをまず覚えて、基本フォームだけでは弾けないとなった時にこれらのフォームを覚えていく事が負担が少なく、楽しんで覚えられるのではないでしょうか。パッドで全部何が何でも演奏したいハードコアなあなたは全部覚えてください…

R+3和音と整理すると、ボイシングの自由度も一気に増えます。すべてのパターンを列挙するのは大変なので1例のみ取り上げます。

Cmaj7

C+Em(第二転回型)です。ギターの6弦ルートなどのボイシングと同じですね。Cmaj7-Fmaj7などTonic-SubdominantのVamp(短い繰り返し)などトップノートを共通にできるので、スムーズな感じにできますね。鍵盤的なボイシングをしたい場合はいかに共通音を多く作るがポイントになります。

Vampはこういう感じのやつですね。

マイナー7th

メジャー・トライアドに短7度(7)が加わったものです。短7度はオクターブの全音下と理解すると覚えやすいと思います。

また、こうも覚えましょう。R+短3度からのメジャートライアド。C(ルート)+Eb(メジャー)=Cm7ということですね。

Cm7

基本となるフォームです。下の横一列でAm7からC#m7までカバーするフォームです。

マイナー7thはメジャー251などで使用頻度も高いのでこのフォームだけで対応するのは現実的ではありません。

こちらも覚えましょう。右側を有効に使えるフォームです。

Dm7

D+F(メジャー・トライアド)=Dm7

マイナー7thに関してはこの2つのフォームを覚えておくといいと思います。マイナー7th、メジャー7th、ドミナント7thなど4和音、テンションを含むものは5度はしばしば省略されます。

ルートの自然倍音列に5度が含まれているからです。厚みを欲しい場合は5度を弾き、そうでない場合はカットすればいいですね。

速度を出す必要がある場合、あるいはノブの操作を行いたい場合は5度を抜くフォームを選択されると楽しめるのでは…

ドミナント7th

メジャー・トライアドに短7度が加わったものです。メジャー7thコードの7度が半音下がったものと理解してもいいですね。単にセブンスと呼ばれることもあります。

また、こうも覚えましょう。R+3度上のディミニッシュ。C+Edim=C7です

C7

ちょっと注意になるのですが、短7度はb7と表記されることもあります。今回は7と書いてあるものはb7と同意です。

下の横一列ではBb7からD7までカバーします。

こちらも覚えましょう。右側を有効に使えるフォームです。

Eb7

Eb+Gdim=Eb7

下の横一列でEb7,E7を弾けるのはこちらのフォームです。

メジャー251の5やトライトーン・サブなどでドミナント7thは多用されます。この2つのフォームはマイナーの2つのフォームと共に早い段階で覚えると楽しく遊べるはずです。

ハーフディミニッシュ マイナー7thb5

マイナー7thの5度が半音下がったものです。

また、こうも覚えましょう。R+短3度からマイナー・トライアド。C+Ebm=Cm7b5です。

φこのように表記される場合があります。

ジャズ系だとハーフディミニッシュということが多くて、ポップスの人だとマイナー・セブンス・フラット・ファイブと呼ぶ人が多いかもしれませんが、どっちも同じ意味です。コードの呼称は方言みたいなものと思っておくといいと思います。

Cm7b5

下の横一列ではAm7b5からDb(=C#)m7b5までカバーします。

こちらも覚えましょう。右側が有効に使えるフォームです。

Dm7b5 ハーフディミニッシュはインプロの際に様々な応用が可能。余裕がある人は覚えておくといいですね。

下の横一列ではDm7b5,Ebm7b5を弾くことが可能です。

D+Fm=Dm7b5です。

Em7b5

下の横一列でEm7b5を弾ける唯一のフォームです。使用頻度は低めだと思います。上記2つのフォームを覚えて余裕がある方はどうぞ。

マイナー251の2で使われる使用頻度が高いコードです。4和音、ここでは基本形を取り上げましたが、もちろん転回型も存在します。いろいろ試して楽しんでください…

応用的なものはnoteで有料で売ってボロ儲けを目論んでいます…AdsenseとMoneytizer分の穴埋め、どうすればええですかね…

追記:2025/01/18

今年こそパッドドリームを追うぜということで、有料記事を書いてみました。ハードコアパッド論と銘打ち究極のパッドプレイを目指すための方法論やハーモニー、スケールなどを取り扱います。

フォームについては今までブログに書いてなかったことですけど、プレイの上限を決めるものだと思いますので結構細かいことを書きました…

ハードコアパッドスタイル 第1回 フォームについて|うりなみ
今回の企画は、あくまでパッドで弾き倒したい、鍵盤的なボイシングやキーボードで弾くようなものをパッドで弾きたいというハードコアなパッドプレイヤー向けの企画になります。 他の楽器とインプロ合戦になっても戦えるようにしたいあなた。 そんなあなたに...

2025/01/19

当ブログで最も長期にわたったカテゴリーだった押して覚えるコードとスケールですが、今回の記事で終わりにしようと思います。その経緯について書きました。Abletonの電子書籍も出さないと行けないですしね。

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