なぜAbleton Liveを使うようになったのか
今まで、自分のようにそれほどAbleton Liveに詳しくない人間が情報を発信するのははばかられていました。
でも、自分のように詳しくない人間だからこその視点というのもあると思うので、なぜ、Ableton Liveを使うようになったのか話そうと思います。
Ableton Liveを使っている人はダンスミュージックの人が多いという印象があると思うんですが、バンドでも使えます。生演奏主体の私は多分、Ableton Liveの使い方としては少ないと思うので書く意味はあるかと。
Ableton Liveは私のように脳筋なプレイヤーでも使えます。LiveとAbleton PUSH2は楽しいので、その楽しさが伝われば良いんですけど。
私がAbleton Liveを使うようになった経緯から話しますね。
追記:2022/07/05
AbletonからStudio OneにメインのDAWは変更になりました。Abletonは即興、サンプリングに使う形となりました。
もともとはドラマー
自分が初めにやった楽器はドラム。やってきた時間だけは長い。交通事故で足が悪くなってしまったので、ドラムはきつくなった。その時に音楽は続けたいと思っていたので、ギターに転向。
ジャズ、ファンク、ソウルと言ったブラックミュージックが好きで、演奏するのが音楽で一番楽しかった。
アレンジを考える必要があったので、LogicとProtoolsを主にずっと使ってきました。
Logicは譜面機能が優れていたし、私の周りではLogic+Protoolsというのが一般的だった。
Protoolsも持っていたけれど、譜面はLogicのほうが自分には分かりやすかったのでLogicを使っていた。
今でもLogicは持っています。
ユーザーインタフェースが昔と変わって親しみやすくなったけれど、寂しくもありますね。
Liveは実は前から持っていた
実は、Liveにはそれほど詳しくないけれど、初代から持っていた。
なんで、使ってこなかったかというとこういう理由です。
- MIDIが使えなかった(昔はMIDIが使えなかったんです。)
- 譜面機能がない。(MIDIがないからあたりまえです。Liveは、リニアな時間の流れに対して疑問を呈する形で作られたんだと思います。ライブを志向しているんだから当然ともいえますが)
- セッションビューってなんだよ。(これがLiveの最大の特徴だと思うんですが、初めは異質でわからなかった。)
- ループベースならSONARとかACIDでええんじゃないの?
むちゃくちゃ軽くて、ノンストップで録音できるし、すごいDAWが出たみたいな感じだったんですね。
で、頑張って買ってみたんだけど即挫折しました。セッションビューが理解できなかった。
今まで、Logicでは一つずつのパートを演奏して録音していたわけです。
とりあえず、フレーズをセッションビューにガンガン録音して、それから編集するというワークフローがわからなかった。
で、セッションビューって抽象的でわからん、アレンジメントビューで録音すればよいだろうって使ってました。Ableton Liveは懐が深いソフトでそんな脳筋の私にも使えたんですね。
あ、タイムストレッチが当時としてはめちゃくちゃ先進的でした。
でも、譜面で考えたい人間なので、結局Logicに戻ることになります。
MPCプレイヤーとDJの衝撃
生楽器で演奏することがどんどん少なくなっていた。
そんなとき、DJの人たちといろいろセッションするようになったんですね。
ものすごい衝撃だった。
フォーマットがあるなかの即興と、そうでない中で即興するのは全く違う。
ループベースで音楽を作ることに可能性が見えてきて、面白くなってきました。
ループを組み合わせることで全く別のテクスチャができるおもしろさ。
違うジャンルに見えたものが根底ではつながっているのではないかという発見。
そしてMPCプレイヤー。
MPCを楽器として使う人達が出てきた。
トラックメーカー、DJというより、MPCプレイヤーと言うような人が出てきた。
ドラマーじゃないけど、フィンガードラミングやる人たち。
ルーディメンツも何もあったものじゃなくても格好よいビートを作る人達。
これに衝撃をうけた。ループと3点セット、飛び道具くらいでずっと踊れる音楽を作れる人たち。
私、もともとドラマーなので、MPC触ってもハットのオープンとクローズは同時にならないようにするし、クラッシュ鳴らすならキックと同時に叩く。
叩けるフレーズしか発想できない。そこに衝撃を受けた。
わたし、スペカンMPCさんのプレイが好きなんですけど、むっちゃ柔軟。
コンビネーションの考え方はドラマーだけれど、MPCを楽器として使いこなしている。
ハットとバスドラの組み合わせをサンプルであわせるとか、ドラマーのテクニックをもっているMPCプレイヤーなんで、大好きです。
片手でのプレイはドラムのオープンスタイルみたいだし、アイデアが凄い。
複数の指の使い方はリム掛けてからゴースト入れるみたいなところから考えているんじゃないかとか、めちゃくちゃ刺激受けてます。
サンプルにグルーブを合わせるテクニックとか、色んな音楽聞いてらっしゃるんだろうなと思っています。
ちょっと興奮して話がずれましたね。私、良いプレイヤー見ると嬉しくなるんです。
あれ、Liveってめっちゃ使えるんじゃ?
で、ループを上手く扱えて、MPCと組み合わせたりすることが出来るものってなんだろうって考えるようになります。
Logicでなんとか出来ないかって考えるんですけど、バンバンループを再生していくのは難しい。
サンプラーでやるのは途中でなにかよくわからない悟りを得てしまいそうでした。サンプルをアサインしているだけでえらい時間取られるわけです。
自分でやりたいのは、リアルタイムでどんどん重ねたり、ループを抜き差ししたり、DJやりながらそこで即興してギターを弾いたりしたいと思ったんですね。
で、馬鹿なので、DJセットを買って猛練習をはじめたりしたわけです。気づけよ。
未来のスタイルだと思って調子に乗ってました。
その時も仕事の量減らしてたな。引きこもってこんなことやってたら周りはさぞ迷惑だったと思います。
その当時はターンテーブル、DJミキサー、カオスパッド、ギター、マルチエフェクター、ルーパー、MPC、鍵盤みたいなセットアップで遊んでました。
DJの友達に、やっとできるようになってきたけど、これ、ライブでやるの死ぬほど大変だよねと話をしたら、「え、うりなみさん、Liveで出来るでしょ、マジウケル」とか言われて殺意がわきましたけど、感謝してます。
私がその時感じたLIVEのメリットは
- 即興性があること(ループベースで出来るのがそもそもセッションビューですね。)
- MIDILearnが強力(サンプルの再生を鍵盤にアサインしたり、エフェクターのパラメーターをアサインしたりできる)
- シンプル
とにかく生演奏ということにこだわっていたので、Ableton Liveは一番面白いものに評価が変わりました。出来る子だったのね。Ableton liveは(自分ができないだけです。)
PUSHがあればやりたいことが出来る
一昨年(2016年)までは、自分で全楽器リアルタイムで演奏して、LiveでDJして組み替えるスタイルをひたすら練習していたわけですが、去年一年は移動が多かったので、Ableton PUSH2とちょっとの機材しか持ってこれなかった。
で、改めてフィンガードラミングも学び直して、AbletonPUSH2ばっかりいじってると、これ、やりたいことほぼギターとPC、オーディオインタフェースで出来るよなと思うようになったんです。
Ableton PUSH2があれば、パッドはきついけど訓練すればフィンガードラミングもできるし、DJも出来る。
ルーパーを使ったようなプレイも出来るし、フットペダルやスイッチを使えばそれこそエフェクターなしでも出来る。クロマチックモードなら、コードも弾けるし、メロディも弾ける。
自分がやりたかったリアルタイムでどんどん演奏できると言う点においては、Liveは最高のDAWだと思えるようになりました。Maschineも凄い好きなんですけど。ライブをやることを考えたら、Ableton PUSHが一番シンプルだった。
フィンガードラミングやらなくても、ドラムの打ち込みならAbleton PUSH2は高速にできますからね。やろうと思ったら10秒かからず2小節のドラムパターン作ったり出来ます。
私の場合は、Ableton PUSH2があるからAbleton Liveを使っていると言ってもいいくらいかもしれないです。
追記:2019/05/08
4度のクロマチックをつかうとこういうのも簡単です。鍵盤で弾くより楽しいです…
フィンガードラムにも使えますし、ミックスも出来ます。なによりこういうのをノンストップでできるのは楽しいですね。
Drumrackがめちゃくちゃ便利
Drumrackは一度使い方がわかったら、ものすごくワークフローがシンプルになります。Drumrackはドラムだけに限定されない可能性があるんです。他のプラグインをアサインできたりするんですよ。とんでもなく柔軟です。
追記:2018/07/03 Drumrackは便利なのでコーナーまで作ってしまいました。これはよく読まれている記事です。
追記:2018/07/03 こういう飛び道具的な使い方も出来ます。
追記:2019/02/03
この記事も読まれてますね。レイヤーも簡単にできますよ。
DrumRack活用法というカテゴリを作りました。これだけで曲を作ることができます。MPCから来た人だとDrumrackからマスターすると楽だと思います。
ドラッグ&ドロップできるのもメリットですね。ブラウザから投げ込めば大抵のことは出来るんです。
LiveもSuiteなら、音源の不足は感じないですね。エフェクターが強力なのが多いですし、AnalogもAbleton PUSH2を使うと、ハードウェアシンセみたいです。Wavetableも単体で販売してもおかしくないレベルで強力です。
あ、またレビューしますが、今回のLive10のSuiteのキーボードは相当いいですよ。エレピは異様に力はいってますね。
追記:2019/06/26
Electric Keyboardのプリセットで弾いてます。なかなかに楽しいですね…
Ableton Liveの画面は、基本的にセッションビュー、アレンジメントビュー、クリップビューの3つだけですし、視認性は良いです。持ち出し用はMacBook Airなんですけど、それでもなんとかなります。
新しいLive10ではアレンジメントビューがすごく使いやすくなったので、他のDAWから移行しても使えると思います。
Max for liveもすごく面白いですね。Liveはとにかく、いろんなことが出来るDAWなので、全部の機能をマスターしようとすると嫌になると思います。私みたいな脳筋は特にそうです。
初めから全部の機能つかうのではなくて、使えるところから使っていけば良いのだと思います。
私も全部は使えてないですし。
ちょっとずつ自分がやりたいことをやるにはどうしたら良いか学んできました。
予算があったらAbleton PUSH2はおすすめできます。ドラムの打ち込みも早くなるし、オートメーションも楽勝。
DJプレイも出来る。
PUSHのメリットについてはこちらに書いてあります。
デモ版もありますし、いろいろ試してみて気にいるところがあるといいのですが。
Ableton LiveもPUSH2も楽しいですね!
追記:2019/05/08
Analogは好きすぎてカテゴリまで作ってしまいました。
全くのシンセ初心者の人でもパラメータわかって音作り出来るようになれるようにと記事を書いてます。
シンプルだから使いやすい
追記:2018/07/03
これが一番大きいですかね。私、いろいろソフトは持ってるんですよね。Protoolsも、DPもLogicもCubaseもSonarも持ってます。もってないの、FLくらいじゃないですかね…
でも、しっくり来たのがAbleton Liveだった。はじめはしっくり来なかったですけどね。どういう風に使えばいいかわかったら一気に楽しくなった。道具にあった使い方を知らなかった。
あと、思考を止めないんですね。まさにLIVEという名前の通りです。
なんでかというと、これは私がプレイヤーで、即興を志向していることも大きいんだなと思い至りました。
Ableton Live、基本的に2画面しかないんですよ。セッションビューという超巨大サンプラーと、アレンジメントビューという普通のDAWの部分。
いろいろ画面がごちゃごちゃ出てきたり、階層が深いものは演奏しているときには邪魔にしかならないですよね。
私にとってはシンプルで、とにかくノンストップで録音できるAbleton Liveが良かったということですね。
他のDAWは楽器とは思わないですけど、Ableton Liveは楽器のように感じるんです。
ノンストップで編集できたり、ループをコントロールできたり、それこそPUSHで演奏できたりする。私にとっては一番自由さを感じるから好きなんだなと思いました。
でも、これもAbletonPUSH2があるからです。本当にPC触っている感じじゃなくなってくるんですよ。Ableton Liveを使っていらっしゃる方だと同意していただけると思うんですが。
追記:2018/11/21 セッションビューがわかったら一気にAbleton Liveは面白くなります。永遠の無能であるところの私は、魅力に気づくまで15年くらいかかったけどな・・・これを読めば15分位で理解できると思います。うう・・・
セッションビューは個々のテクニック的な記事は結構あるけれど、考え方やどう使えばいいかがないなと思っていたので、セッションビューは楽しいというカテゴリを作りました。
Ableton Liveは自分でエフェクターや楽器を作れる
追記:2019/02/03
これは他のDAWとかなり違うところですね。Ableton LiveはRackという概念があって、楽器やエフェクターを組み合わせることが出来るんですね。
例えば、私だと、Amplitubeでギターアンプの音、ワウペダルなどは作り込みます。でも、空間系エフェクトはDAWや単体のプラグインの方がいろいろ無茶できるじゃないですか。
で、それらをまとめて、Rackという形にします。つまみ一つでコントロールできるようにしたりします。え、それなら他のDAWでプロジェクトごとセーブしておけばいいんじゃないって思いますよね?
でも、かなり悪いことができます。パラメーターの設定で面白いこと出来るんですよ。
踏み込めば、歪みの量を増えるように設定したとします。それだと音量が上がる。音量は上がらないようにしたいけど歪みの量を増やしたいとかありますよね。そういうときは、ボリュームは下がるようにという設定もできたりします。
なんていうんですかね…Ableton LiveはDAWなんですけど、非常に楽器っぽいんですよね。
Ableton Live10 攻略BOOKがいいのは、Rackの説明がしっかり書いてあることですね。AbletonのRackというのは便利らしいということを知っていても、マニュアルだけ読んでいたら使い方のイメージができないこと多いと思うんですよ。
私はそうでした。で、海外動画やサイトを見て使い方を覚えていったんですけど、Ableton Live10攻略BOOK読むと具体例が書いてあって非常に分かりやすいです。
追記:2019/05/08
こういうことが簡単にできます。
追記:2019/06/26
PUSHあるとAbleton Liveの楽しさはぜんぜん違うと思います。PUSH使いたいんだけどおっしゃる人にはSuiteを勧めてます。introだとPUSHの能力発揮できないんで、Standardはほしい。でも、遊び倒すならSuite一択です…
コメント
はじめまして!
muzik_kと申します。
私もLive10とPush2を使っています。
ライブ演奏というキーワード、すごくよくわかります。わたしもライブ感の中でサウンドスケッチしていくところがLiveの楽しさだと思っています。
色々なDAWを使ってみましたが、最後まで作り切ることはほとんどなく、作ってもミックスダウンしたら音が変わってしまったみたいなのが続きましたので、そういう方向から足を洗って、ライブにサウンドスケッチするところまでのやりっぱなしクリエーターを目指そうかと思ってます。
muzik_kさん、はじめまして!
PUSH2フレンズですね。笑
Ableton Liveの楽しいところは、やりっぱなしでスケッチしておいたものも後で再利用したりするのも簡単なところですよね。
とりあえずセッションビューにたくさんとっておいてということが気軽にできるので、時間がない人にも向いているなと思います。フットスイッチなんか使うとそうとう無茶できて楽しいです。笑
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