Ableton12、今回はかなり使いやすくなるアップデートがされました。
最大の目玉はMIDI生成や変形なんでしょうけど、普通に使用する時に頻度が高いのは分割ツールでしょう。
他のDAWを使っている方からは信じられないでしょうが、Abeltonは11までMIDIノートの分割も出来なければ結合も出来なかったんです。
まさにバルバロイと呼ばれても仕方ない状態でした…
まあ、初代はMIDIも使えなかったですからね…
でも、もう、そんなことは言わせんのや。
リリースからおよそ4半世紀近くを経て、アレンジメントにミキサーとノートの分割と結合がやってきました。
もはや文明人と呼べるだけの機能を手に入れたと言っていいでしょう。
我々Abletonユーザーは蛮族と後ろ指をさされずにすみます。まあ、譜面は未だに読めないけどね…やっぱり蛮族か…
分割
では分割でどういうことが出来るのか、動画ありで見ましょうか。具体的に使っているの無かったらわからないですしね…
Eを押しながら分割
これが一番強力かもしれません…
これ、グリッドに縛られないので人間がやるようなハネ方もできますね。ブルースやファンクなんかだと顕著ですけど、1拍の中ではね方変えたりしますよね。ああいうのが爆速で出来ます。
新設されたEキーはラッチで押したままだと分割ツールになるのよ。
— うりなみ (@urinami) March 8, 2024
なので、Cmd+4でグリッドをオフにしてはね方を変えてみたわ。ブルースドラマーなんかは1拍ごとにはね方を変えたりもするわよね。
そういう遊び方も出来るわ。ラフなんか簡単に打ち込めて楽しいわよ。 pic.twitter.com/75r9HBqXET
Cmd+4でグリッドを外して移動したりすると、突っ込んだり溜めたりも更に出来るので精密な打ち込みが出来ますね。
Cmd+Eで分割
これはまあ、全音符なんかを分割して16にしたりするのに使うと良いですかね。
後述するOption+EとEを押しながら分割のほうが速い場合もあるので、使い分けるといいですね。イーブンなもの打ち込みなんかは便利だと思います。
スクエアなリズムの中で0キーを使ってミュートしたりしたら色々遊べるし、結合させてコードの刻みなんかに使うのもありでは?
生音でもいまいろいろドラマーはリズムの実験をしてるわよね。そういうのが今回はやりやすくなったということね。0キーなども使い倒すとドラッグ的なものも入力したりしやすいわね。 pic.twitter.com/BxRmOxxXmy
— うりなみ (@urinami) March 8, 2024
ちょっと注意点があります。
- Cmd+E グリッドに合わせて分割
- Cmd+Eを押したまま↑ 音価がどんどん細かくなる
- Cmd+Eを押したまま↓ 音価が元の長さになる
操作がやや複雑ですね。Windows版の動作は確認してないので、確認してみてください。ツイッターで流れているものは、ちょっと私とキー操作が違ったので。まだマニュアル出てないですしね。
option+Eで分割
追記:2024/10/29
Ableton12.1で廃止になりました。Cmd+Eしながら、上下にドラッグ、もしくは、カーソル上下です。
これは便利。考え方としてはこれは1つのMIDIノートに対して使うものと理解すると良いんじゃないでしょうか。グリッド関係なしに等分割してくれます。
MIDIノートを選択して、option+Eを押しながら近くに持っていくと分割ツールになります。
そのまま上方向にドラッグすれば、細かく等分割してくれます。グリッドを変えて分割するより早い場合が多いですね。
Option+Eを押しながら選択したノートに近づくと分割ツールが表示されるから、上方向にドラッグすると細かく分割されるわ。
— うりなみ (@urinami) March 8, 2024
一つ一つのノートを簡単に分割できるのがoption+E
全体をグリッドで分割したいときはCmd+Eと覚えると楽だと思うわ。… pic.twitter.com/mKSTwao9M4
トラップ的なものであろうが、最近の(でもないか)ヒップホップ演奏する人たちだと5とか7とか分割することやりますけど、ああいうの作るのも簡単。
まあ、4+3で7と考えているだろうのも結構あるとは思うんですけど、まあ、そういうのも爆速で作れます。
これ、結構とんでもない機能なんですよ。長さがどんなものでも等分割出来る。
私のところのドラマーは平気で5拍4連とかぶち込んでくるんですけど、そういうのやりたい人には大歓喜なんじゃないでしょうか。
結合
Cmd+Jで結合です。
分割しまくった後に結合したり、色々使い道はありますね。まあ、これは普通に使い道たくさんあります。
とりあえず、全音符でコード弾いてから、Cmd+Eで分割。それからいい長さのところで結合。こういう使いかたはありじゃないでしょうか。プラック系のものでもいけるのでは。
そして、新たにできたコマンドがCommand+Option+Jの「時間軸範囲に合わせる」です。
え、意味がわからないと思ったんですけど、使ったらわかります。こういうことです。
長さが不揃いなものを均等にするのに使えたりするんじゃないでしょうか。タイミングバラけたコードとかかな…使うとしたら。
追記:2024/03/25
リアルタイムで打ち込んで、長さがバラけたパッドとか、小節の終わりまで伸ばしたいときに使うのもなかなか便利だとわかりました。
まとめ
従来からある0キーを活用したり、Cmd+4でグリッドを無効にしたりするのを組み合わせるとMIDIの編集は大分楽になります。
MIDIノートの分割、特にグリッドに縛られずに切れるのと、等間隔に分割できるOption+Eは、リズムで面白いこと考える人が出てくるように思います。MPCによって生楽器の演奏も変わったくらいのインパクトあるんじゃないかと思いました。
テクノロジーの進歩に合わせてプレイヤーは進化してきた。そういうのがまた起こるんじゃないかなとワクワクしました。不便でも使って楽しいのがAbletonだった。便利で楽しかったらなお嬉しいですよね。
私のようにオールドスクールなソウルやファンク、ヒップホップをやるひとにももちろん楽しめますし、どんな音楽を作っている人にも楽しめる大幅な機能強化だと思います。
なんというか、発想が一気に広がりますよね。
久々に面白さを感じました。
MIDIが弱すぎるから、Abletonは加工用だけという人はかなり多かったと思うんですけど、なかなかどうしてかなり改善しましたよ。ジャンルを問わず楽しめるはずです。
Ableton12、楽しいですよ!
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