友達がMoogのSubsequent37を買って、今はMother32は使ってないというので借りてきました。
もう、ハードはいいかなと思っていたけれど触るとやっぱり楽しい。ハード沼から脱出したのに危険な気がしますね…
ハードのシンセを使うのはは久しぶりです。
かつてMinimoogを使っていました。Bernie WorrellやStevie Wonder,Herbie Hancock、Chris Jasperたちファンクレジェンドへの憧れもあった。ミョンミョン言わせたかったわけです。
ファンク系だとMoogかArpの使用頻度が高いですしね。
70年代は特にそう。80年代のBoogieなんかだとJuno-106なんかも使用頻度高いので、以前はハードをコツコツ集めてました。ただ、経年変化でコンデンサーが液漏れして腐食したり、色々扱いが大変でした…
Mother32はMIDIも使えるし、チューニングも安定している。取り扱いも簡単です。MIDIが使えるのはコンパクトなシステムでは楽だなと実感しました。
なかなか楽しい…ハードはギターかベースだけにしようと言う気持ちが揺らいでます…
Mother32は簡単
リードやベースに使うのに1VCOでかつ波形はPulseとSAWしかない。どうなのかと思ったんですが自分の用途なら十分でした。
まあ、70年代的なファンクならこれでもいける。サイン波はあると嬉しいけど、ないならないでその範囲で音作りすれば良いですしね。
やっぱりMoogはフィルターが本当に特徴的ですね。太い音が簡単に作れます。この価格でもちゃんとMoogの音がするのでびっくりしました。
もちろん1VCOなので、5度をレイヤーするとか、Detuneはできないわけですけど、ないならないで問題ない。配置も合理的で、シンセで音作りしたことがない人でも簡単に使えると思います。
ファンク的なベース、リードなどを作るのに十分使えますね。まあ、Detuneできないなら、代わりにコーラス使ったりすればいいですし、DAWで使うならオーバーダブして使えばいいでしょうしね。
Envelope GeneratorもSustainはオンしかできないけど十分。レガートになるのでソロプレイにも問題なく使える。
セミモジュラーなので、何もパッチングしなくて使えるので、演奏しか使わないという人でもいきなり使えると思います。
スペースもとらないので、ちょっとアナログ系統のサウンドを加えたいという人に嬉しいのでは…
まあ、Minimoogでも3つオシレーターあっても、オシレーターとして使えるのは実質2つでしたしね。多分困らないだろうと思っていたんですが、自分の用途ならMother32で十分でした。
Noiseはオシレーター単体で用意はされてないんですけど、VCOと切り替えができるのでシンセドラムなんかも簡単に作れます。
あと、びっくりしたのが、MIDIでピッチベンド情報を送れるところです。簡単ですねえ…
注:正確にはパッチングすればサイン波は作れるが、VCFをピッチとして使う形になります。レゾナンス上げて自己発振させる方法ですね。チューニングを安定させるのは難しいので演奏には使えないと思います…
追記:2023/01/22
エレピ以外Mother32で作ってみました。
ドラムはノイズから作って、ディケイタイム、フィルターの開閉などでハイハットのバリエーションを5つくらい録音しました。キックとスネアは1パターンのみ。パッチはEVからVCA CVにいく様な普通のパッチングですね。
それを録音してから切り刻んでDrumrackに変換してハイハット、キック、スネアとプログラムしました。リバーブやディレイ、コンプなどもかけてます。
ベースは普通に演奏してからフィルターとレゾナンスをいじるくらいで特別なことは何もしてません。一番Moogらしいプレイですかね…
シングルノートのものは、ハイパス使って薄い音にしてます。 エフェクトはDAWでいろいろと。
リードはサステインをオンにするとこれくらい伸ばせますね。あ、レガートになるプレイやろうと思ったんですが、忘れてました…
エレピもマルチサンプルして鍵盤的なもの作ろうと思ったんですけど、疲れてきてやめました…
MIDIで録音してから、1音1音録音すればできるのはわかってるんですけど、疲れますね。
やるとするなら、先にMIDIデータでプレイして、低音、高音と分けて録音するほうがマルチサンプルして調整するより楽かもしれないですね。
楽しいけど、おっさんは楽なものじゃないときついですね…リード、ベースで使えれば十分ということがわかったのは収穫かな。
生演奏して遊ぶときに便利な方法
シンセベースやリードに使うとき、面倒なのはピッチベンドのレンジですよね。
デフォルトは1オクターブあるのですが、普通にプレイするなら 全音あればいいですよね。
NRPNでコントールするのですが、よくわからん、絶望やという方にはこういうものがあります…
そもそもAbletonにはイベントリストもないですし。
Suite限定ですけど、楽できると思います。AbletonはSuiteまでバージョンアップすれば、一気に便利になるんですけどね。
楽ちんですね。
PBのレンジなんかなら、簡単に作れるやろと思ってMax For Liveで作っていたんですけど、Max for Liveで作ってる人いるのでは?そう思ったらやっぱりありました。アホすぎる…
パッドで遊ぼうとする時の注意点
リードやベースを演奏する時、必要になるのはモジュレーションとピッチベンドですよね。
パッドで演奏しようとする場合、そこがネックになります。PUSHは一応タッチストリップでピッチベンドもコントロールできますが、ベース弾く時の様に使いまくる場合はさすがに厳しいです…
そういう時にはTouchéをピッチベンドやモジュレーションホイールとして使えばいい。
ですが、私が所有しているのはCVが出せるTouchéではなく、Touché SEなんですね。ということは直接Mother32に繋ぐことはできないわけですね。PC側から制御する必要があります。
では、どうすればいいか。
トラック2つにわければいい。Ableton live のExternal Instumentを2トラック作って、アーム状態にしてます。MIDI入力は1トラックの入力はPUSHにして、もう1トラックの入力はTouché SEにしてます。
1つ目のトラックのExternal Instumentは以下の通り。MIDI TOはMother32に接続するところを選びます。デフォルトだとCh1ですね。私の場合オーディオは4chに繋いでるのでこういう設定になってます。
もう1トラックはこんな感じです。PUSHでコントロールしたい場合、モジュレーションホイールをCC1にマッピングするなどして、Mother32のAssignからパッチングすれば色々楽しめるんではないでしょうか…
まとめ
いやあ、やっぱりアナログシンセは簡単ですねえ。もう、ハードはいいやと思っていたんですが、さっと音作りできるのは楽しいです…
PUSHも確かにつまみがあるからマウスでパラメータいじるより早く音作りできはするんですけど、シンセのパラメータ全部にアクセスできるわけではない。
Ableton PUSH2から画面遷移してる間に面倒臭くなっちゃいます。おっさんだから疲れるのはダメなんや…
その点ハードはみたまんまですから、視認性は良いですね。画面が小さいプラグインなんかだと厳しいですもんね。
見なくてもつまみの位置を覚えるのでさっと触れることが出来る。
そして、やっぱりMoogはMoogの音がしますしね。これだけでも十分遊べました。シンベとリード、これだけで自分はかなりまかなえちゃいますね…やっているジャンルがシンプルな音色のものが多いからなんでしょうけど。
モジュラーとして使いまくりたい人には不満があるのかもしれないですけど、強力なMoogのシンセベースとリードの音が手に入るなら自分にとっては十分。
セミモジュラーは手軽に使えるところがいいと思いますし。MIDIが使えるので、CV出力できるものを用意するコストも掛からない。演奏と考えると付属のキーボードで扱うことは無理ですけど、MIDIで繋げますしね。問題とならない。いいとこ取りだなと思いました。
フィルター開閉してるだけでも楽しい。あと、なんというかツマミのトルク感が最高なんですよね。官能的ですらあります。変態的ですかね…でも、実機の楽しさはこういうところじゃないですか。
パラメーターが少ない分、狙った音色に持っていくのも簡単ですし、それこそシーケンサーを走らせながらパラメーターいじるのも楽しい。
シーケンサーも簡単でした。スイングもできますし、コンパクトに纏まってるけど、入力もしやすい。ハードのシーケンサーとしては非常に簡単じゃないでしょうか。
シーケンス組んでdecayいじるようなテクノでよくやるものも簡単に出来て楽しいです。DAWを使わずにシーケンス組めるのはより肉体的に遊べますね。
機能は絞られている。でも、それは私の場合は特に問題になりませんでした。
空間系なんかはDAWで掛ければいいですしね。なんと言ってもMIDIも使えるのでDAW中心のシステムでやっている人にも扱いやすいですね。
安価で省スペース、これくらいならデスクにおいてもいいかな。ここのところずっとハードを持たない様にやってきた気持ちが揺らぎました。いや、1つ買ったらもう歯止めが利かなくなるか…
実機もやっぱり楽しいですね!
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