Touchéを導入して楽しく使っています。
導入した当初はコントロールするのも難しかったものの、やり方が分かってきました。
音源やコントロールしたいパラメータごとに感度を変えたり、横の動きやすさや、上下の感度を調整したりしないと思ったようにコントロールできない。Lieで感度のカーブを変えることも大事です。
パッドコントローラーとTouchéの相性は良い。特にLinnstrumentとの相性は素晴らしいと思っています。
ちょっと前にImagineも試して面白かったのですが、新しくNoisyというプラグインがでたので試したんですが、これもまためちゃ面白いシンセでした。
Noisyはどんなシンセか
日本の発売元のHook upによるとアコースティックとエレクトロニックの共鳴とあります。
正直何を言っているかさっぱりわかりませんね…マジでこれで分かる人いるんですかね…
フィジカルモデリングと減算式シンセということで、まあ、フィルターはアナログ的なんだろうなというくらいの雑な理解で使ってみたんですが問題なく使えます。
オシレーター部分がちょっと仕組みが違う。レゾナンスなんかもフィルターのレゾナンスと違ったりいろいろ違うんですけど、どこをいじればどういう音になるか理解すれば使える。脳筋の私でも使えるので大丈夫です…
どこがフィジカルモデリングなのかというと、共鳴(レゾナンス)にあるコムフィルターの部分がフィジカルモデリングということのようです。ドブロギターなんかもレゾネーターあったりしますもんね。
コムフィルターって、ノイズに使うと音程感があるようになったりするから、そのあたりがNoisyの独特なんだろうなということしかわかりませんでした。
でもね、わからなくてもめっちゃ楽しいんですよ。これ。
Noisyがどういう音がするプラグインなのかは公式の動画を見てもらうのがわかりやすいですかね。
ストリングス、プラック的なもの、パッド的なもの、マレット的な音と音作りの幅はめちゃくちゃ広いです。1つのシンセとは思えないくらい多様な音作りが出来ます。
音色変化が多元的。いろんなモジュレーションが掛かっている音が特徴と言えると思います。
公式のデモ曲です。
繰り返しになるんですが、Touchéがあると本当にいろんなパラメータを同時にコントロールできるのでもっと面白くなります。4つのCCを送れるのはやっぱり強い。
なんか、小難しそうだなと思ったんですが、使うだけなら全然難しくなかったです。
というのはプリセットで使える音が多いんですね。
突っ込んだ音作りをしたいならちょっと仕組みを知っておくと、もっと楽しく遊べると思うので、書いておきました。まあ、知らなくても使えるからいらないかも…
Noisyで音作りする時に覚えておくと便利なこと
普通のアナログシンセの場合はオシレーター部分で波形を選びますよね。矩形波だったりサイン波だったりノコギリ波だったり。Noisyはオシレーター部分がノイズとオシレーターに分割されてるんですね。
ノイズのオシレーターっていうと、アナログシンセだと打楽器の音を作ったりするのに使う。音程ないものに使いますよね。ここがNoisyの最大の特徴と言えるかと。
Noiseで波形を選んで、また、Resonatorで基本波形を選ぶと考えればいい。Resonatorというところに実は波形を選ぶものがあるんです。
ギターなんかで考えたらわかりやすいと思うんですけど、ギターの弦をミュートした状態は音程がないですよね。ファンクなんかだとほとんどパーカッション的に使ったりもする。弦が振動して、共鳴することによって初めて音程がつく。
NoisyはNoiseとレゾネーターでいわゆる普通のオシレーターと理解すれば良いんだと思います。
そうしたら理解は簡単ですね。GainをあげないとそもそもResonatorが動かない。弦が振動するイメージをもったらわかる。
ということはnoiseはピッキングのバリエーションみたいに考えればいいということでしょうね。
ノイズについてはマニュアルにはこう書いてあります。
- ベルベットノイズは、粒状の特性を持つバランスの取れたノイズ信号です。
- ピンクノイズは、中低周波数域で最も強力で、高周波数域で滑らかなノイズ信号です。
- ホワイトノイズは、バランスのとれた規則的なノイズ信号です
- ブルーはノイズは高域にパワーが集中し、低域は少ない。
でも、こんな物覚えなくて使えます。何故か。音聞いてつまみいじって変化聞けば音作り出来る。原理がそんなにわかってなくてもこれだけ音作りできるシンセは珍しいと思います。よく出来てますね。
一番ノイズの違いがわかるのは、エンベロープを変えること。時間変化させるとノイズの特徴がわかります。
じゃあ、アンプエンベロープってどうするのって言ったら、これはエクスプレッションでコントロールしてるんですね。Exp amt(Expression Amount)でコントロールします。
Resonator部分で普通の波形を選ぶ
これでnoise部分の仕組みはわかりましたね。Resonator部分までまとめて普通のオシレーターと考えればいいわけです。発音部分だけNoiseが担当すると考えたら混乱しない。
でも、Resonatorのどこで波形を選ぶのかわからないですよね。
普通のシンセはオシレーター部分に波形を選ぶものがありますけど、Noisyにはないですね。絶望しそうになりますが大丈夫です…
どこで波形を選ぶのって下で選ぶんです。
X軸でいろいろ波形が変化してるのがわかりますよね。
Y軸はサイン波。下に行くと、それぞれとX軸の三角波、矩形波、ノコギリ波に変わる。上、よく見るとサイン波になってますよね。
この黄色いものををLFOやExpressionで変化させるわけです。音を聞いたときに、あれWavetableっぽいところあるなと思ったんですけど、波形を移動しているわけだから当然ですね。
波形がモーフィングしてるわけだから、音作りの幅が広いのは納得ですね。
そんなことがわからなくても楽しく使える
ここまでマニュアル読んだり、いろいろ試して記事を頑張って書いたんですけど、わからなくても楽しく使えるのがNoisyの良いところなのかなと思いました。音色変化に注意すれば充分音作り出来ますし、プリセットだけでいくらでも遊べる。
独特なシンセであることは間違いないんですけど、Touchéと組み合わせて使うと圧倒的に楽しいですね。
Imagineと違って、普通のMIDIコンにMIDIマッピングしても楽しく使えるんですけど、やっぱりTouchéがあるほうが楽しいと思います。
モデリングと言うから、弦楽器みたいなリアルなものを目指しているのかと言うとぜんぜん違う。びっくりしました。
なんというか、Imagineが普通のシンセと全く違って想像できないような音を作るシンセだとしたら、Noisyはシンプルに良い音で弾けるシンセです。
どっちも凄く使えるシンセですけど、あえて言うなら、Imagineはシネマティックなものが得意で、Noisyは演奏に向いている。
Imagineはシーケンサなんかもありますし、処理も重い。そうじゃなかったらもっと使いたいんですけどね…
Imagineに比べるとNoisyは軽いです。
あと、原理がわからなくても、ここを動かせば音が変わるというのはわかりやすい。演奏しながらさっと調整できる。コムフィルターのレゾナンスを時計回りにすると偶数次倍音、反時計回りだと奇数次倍音が出るそうなんですけど、音色の変化だけでわかって使えました。
マニュアル読むのも好きなんで、全部読んでみたんですけど、使ってから、ああそのつまみがそうなのねって実感できることが多かったです。
普通にと言ったら変なんですが、普通に良い音のシンセだと思いました。
Resonatorにオシレーターがあって、2つをレイヤーしていると考えると6オシレーターというモンスターシンセなんですよね。
Noiseから作られていることや、フィルターがコムフィルターだったりすること。波形がWavetable的に変化することなんかは、一つ一つをとったら他のシンセでもあること。
なんですけど合わさるとぜんぜん違う印象になります。
予想しない挙動やメチャクチャなモジュレーションが出来るImagineと違って、分厚い音も作れるシンセで、EDMなんか作る人にも向いていると思いました。
個人的にはシンセベースやリードに使ったら楽しかった。ファンク系リードやシンベは行ける。あとね。Chorusが良いです。Junoと名前がついてるプリセットがあったんですけど、これだけ出来がいいものはなかなかない。
プラック系なんかも弦の振動をモデリングしているからなのかなかなか使いでありました。
プリセットがそのまま使える音なんですよね。2つのレイヤーを変えたら全然別の音になりますし。
音作りの仕組みが日本語情報で無かったので書きましたけど、プリセット弾いてるだけでもめちゃ楽しいシンセです。
おっさんなんで、ハードシンセをそれなりにいじってきたけど、ハードシンセと並べて弾いても見劣りしないと思いました。技術の進歩は凄いですねえ。
Imagineもフィジカルモデリングで、Noisyもフィジカルモデリングだけど、個性は違う。Archeもぜんぜん違うし、本当、こればっかりは弾かないと面白さは全然わからない。動画も作りましたけど、これは弾いてほしいシンセですね。できれば、Touchéと一緒に。
MIDIマッピング出来て、これだけでも相当面白いシンセなんですけどね。
演奏していてとにかく楽しい。
多くの場合、公式の方が安いと思います。
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