どうしてこんなに指ドラム(フィンガードラム)は面白いのか
これだけ指ドラムのことを書いてきたにもかかわらず、なぜこんなに面白いのか書いてこなかったことに気づきました…
「何がそんなに面白いの?」と聞かれて、ちょっと語り尽くせなかったので。
人によっていろいろ魅力があると思います。いろんな魅力があるんですよ。
一人で全部できる
これ、抽象的ですよね。私、もともとドラマーで、事故してからギターに転向。
一人で全部演奏できないかということを考えてきました。だからAbleton Liveをつかうようになったんです。このあたりのことは書きました。
で、移動が多い時期に、AbletonPUSH2を持ち歩いてて(これがおかしいですね…・)、え、コレ何でもできるじゃんと思い始めたわけです。
私、フィンガードラミングのキングは、Jeremy Ellisさんだと思うんですね。即興性があって、これは生楽器では出来ない。
集団での演奏が好きなんですね。ずっと子供の頃からジャズやってきて、ファンクやソウルをやったりもしたんですけど、アンサンブルの演奏が面白い。でも、そんな毎日アンサンブルで演奏できるわけじゃないですよね。
アンサンブルの音楽を自分一人でできる形式が、フィンガードラムだったということですね。
私の場合は、全パートを全部自分で演奏したいという欲求があるんですよね。自由が欲しいんでしょうね。
私がPUSH好きなのはそれが大きな理由の一つです。これはフィンガードラムという定義に入らないと思いますが、一人で音楽ができるという喜びは大きいです。
もう一度ドラマーとして演奏できる
これは自分にとっては大きい。
いろいろ自分をごまかしてこんな年になってしまったんですけど、やっぱりドラムが大好きなんですよね。怪我の影響で生ドラムは叩くのがしんどい。特に左足がキツイ。叩けなくはないですけど、まともな演奏は出来ない。
手も二回目の事故でやってしまったから、昔のようには動かないんですけど、足に比べたらマシなんですよね。
本当に馬鹿なんですけど、フィンガードラムやって普通に一曲叩けた時は、ああ、私は叩けなくてもやっぱりドラマーだって思ったんですよね。
ドラムやめてからギターはそれこそ物凄く練習したんですけど、やっぱりドラム叩きたかったんだと。
ドラマーの前でギターを弾いているのは違和感がやっぱりあった。ドラムスローンが自分の場所だと強く思ったんです。
生ドラムが叩けないとしても、フィンガードラムはできると思った。
生ドラム以上の可能性もある
私の師匠のスペカンさんのプレイです。
スペカンさんとよく話すんですが、これ、生ドラムとは違うよねと。ダブルストロークは存在しないし、ゴーストノートもないわけです。生ドラムと違う。
生ドラムのシミュレーションという意味での指ドラムの可能性もあります。これもすごく面白い。私、初めはそっちに興味があった。でも、スペカンさんの動画見てたら、あれ、この人見えてるものが全然違うんだろうなってわかってきた。
私達ドラマーは、右手でハイハット刻んでいて、自然に左手でゴーストノートを入れている。指ドラムやってる時、キックは、ゴーストノートではないんですが、パルスを表現するものとしても使うから、音色が生ドラムの音であったとしてもぜんぜん違うんですよね。
歴史の瞬間に立ち会っている
スペカンさんの最近のプレイはとんでもないところまで到達してるんですよ。
もう、ハット、キック、スネアだけで成り立つ。もともとのドラマーとしての能力の高さもあるんですけど、のキックの位置が凄まじい。打ち込みでやったらこうならない。あっちの人が言うポケットに完璧に入った演奏なんですよ。この3つで成り立つってドラマーとしての究極ですからね。
そして、キックがタムのような機能を果たしている。
ドラムだったらスネアでフラムしてキックなんか初歩的なコンビネーションです。だれでもやる。でも、フィンガードラミングでこの速度でやるひとは一人もいない。
ゾワッとしましたね。ああ、これ、まだみんなフィンガードラムやってないから気づかないけれど、新しいイディオムが誕生したんだって。
レイアウトの考えだったり、5フィンガートレーニング、ムーブというのは、指ドラムが普及したら、誰もがやることになると思います。まさに、ルーディメンツを指ドラムの観点から作ったんです。
2フィンガーダブルは、フィンガードラムにしか無いテクニックですし、これを演奏で体系化してやってるのはスペカンさんだけなんですよ。
いろんなフィンガードラムの動画もありますけど、ドラムの延長線上でダブルストロークをやるのとは全く次元が違うんです。
これもね。全くの初心者向きの講座のときに書きます。フィンガードラムはじめからやるなら、スペカンさんのメソッドが一番いい。それ以外とは全く違います。それはやっぱりドラマーかどうかは大きいんだと思います。
いま、世界中でいろいろテクニックが生まれている。
もうちょっとしたら今のドラムのようにモダン・フィンガードラミングというのが生まれるかもしれない。
同期・非同期、片手、両手と様々なスタイルがあって、世界中で色んなスタイルをみんな追求している。面白くないわけがない。
どこでも練習できる
これは、生ドラムにはないメリット。生ドラムはどこでもは練習できない。
電子ドラムでも夜に演奏するのは無理があると思いますが、指ドラムなら深夜でもできる。
パッドあれば出来ます。
どこでも練習できるのは、上達のスピードが違います。
つかれて家に帰ってきて、練習スタジオ行ってというのは難しい。でもパッドなら家ですぐ練習できる。
打ち込みやるのも楽しい
生ドラムの打ち込み、難しいって言う人もいると思うんです。
私の極論ですけど、打ち込みするなら指ドラムしたほうが楽しいですよ。
生ドラムの音色を選ぶのは、人間が叩いている感じが欲しいからですよね?
フィルが考えつかないとか、パターン考えつかないとか言う人いると思うんですよ。だからMIDIデータを貼り付けるとか。
でも、フィンガードラムやって、ドラムも学んだら自分で考えられるようになります。
教則本を理解できるようになるというのは、プラグイン100個買うより、アイデア広げると思います。
ドラマー的な思考って、すごく大事だと思うんですよ。
ドラムをやったことがない人でもはじめられる
金銭的、スペース、音量の問題で生ドラムを出来ない人でも、指ドラムなら始められます。
打楽器の楽しさというのは他の音程がある楽器とは別です。
今なっている曲にあわせてサックスふけるかといったら、まあ、無理ですよね。理論わかった上で長期間に渡る訓練が必要です。
でも、打楽器は違う。
友達がラップしてるところでフィンガードラミングできたら楽しいですよね。
ドラマーがいなくても、指ドラムが出来たら、簡単にセッションできるかもしれない。
極めようとしたら、当たり前ですけれどドラムですから難しいですけど、始めるときのコストは低い。これも魅力だと思います。
やってみたら楽しかったですよ。みなさんもぜひ。
なのでこういうシリーズも作りました。一応、いままでの記事を見たら叩き方や考え方についてはわかると思います。
生ドラムと違う自分を発見できる
ドラムで簡単なことでも、指ドラムで難しいことはアホみたいにあります。
そういうのを練習してみるといろいろ発見があります。
オルタネイトのレイアウトなら、速いテンポでも16のキックを入れることは簡単。
4WAYやは簡単。リニアドラミングなんかは、フィンガードラムではすごく発展しそうです。
ベロシティ固定ということで、リズムの理解も深くなりました。
ベロシティ固定で、同じ譜面を叩いても人によって全くグルーブは違って感じられる。音色以上にリズムに集中できる。
なんというか、人間とマシンの中間みたいな感じなんですよね。
まとめ
書ききれないのでこれくらい。でもなんだろうな。
多分、一番自分が魅力を感じているのは自由さなんだと思います。なんでもできるかもって大人になってから感じたことありますか?
私はフィンガードラムやっているときに一番自由を感じます。これ、こうしたらできるんじゃないかって、まだまだ未踏の地がある。そうは言っても操作がよくわからなくて嫌になることもあるんですが、工夫して乗り越えたときの喜びは大きい。
みなさんも、フィンガードラマーになりませんか。
これだけ面白いもの、なかなかないですよ!
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