頭が悪いタイトルですね…
いやあ、びっくりしちゃったよ。
Ik Multimediaから少し前に出た、TONEXがいろいろ凄かったので感想を書いておきます。
TONEXのエコシステムやそれぞれで出来ることを把握していると、物凄い可能性があって楽しめますね。
行き着くところまで行き着いたなと思います。
なんですが、設計思想や何が出来るか把握していないと「なんだかなあ、使いにくい… 意味不明すぎて絶望や…」となりそうです。
わかったら物凄く楽しい機材。
ハード版のTONEX Pedalの使用感も合わせて書きます。
自分でも全ての機能を把握しているわけではないので、色々追記していくことになると思います。なんだろう、使い方動画とか動画にしておけばいいのかな。
私はオールド・スクールなものが大好きなのにPCでやるほうが得意というギタリストとしてはちょっと偏ったポジションの人間の感想ですので、そのあたりご留意ください…
音、これはもう素晴らしかったですよ。なにこれって感じですね…
Tonex凄いのね。びっくりした。
— うりなみ (@urinami) November 17, 2024
アンプ持ち運ばずに行けますね。これ。
おじさんにはストンプの切り替えすらいらないんではないかという気がしてきました… pic.twitter.com/7uk5Q1a52o
リアルです…
FenderのHot Rod Deluxeのキャプチャしたもので弾いてます。ダイナミクス結構つけてどうなるか試してみました。これもかなり意地悪して弾いたんですけど、らしくてたまげました…
ベースはラインでも良かったんですけど、B-15。フラットワウンドで弾きました。
何、これ…
フェンダー系の反応が速いアンプで強いアタックなんかだと「あれれ…」とアンプシミュレータだとなることが多かったんですけど、もう今のモデリング、キャプチャはそういうところを突破した感じがありますね。
チョップしたところなんか本当にらしいです。一音だけピッキングで歪ませるとか普通に出来ますよ…
全く同じかと言われたら違うと言いますけど、アンサンブルで聞いたら弾いてる自分しかわからないかも。
Neural DSPのCory Wongもそうだし、SoftubeのAmp Roomもそうですけど、もう音源で弾いたらわからんですね…
ギター、ベースをToneXペダルをインターフェースとして使って録音。
ギターはDeluxe Reverb,Princeton,ベースはAmpeg B-15で。こういうガレージというかサイケ的なものは苦手だろうと結構意地悪して弾いたんですけど行けちゃいますね…
ギター、ベース全部ToneX Pedalでやってみた。
— うりなみ (@urinami) November 19, 2024
サイケな感じというか、ガレージロック的なものはどうだろうと思ったんですけど、出来ちゃいますね…
オーディオ・インターフェースのインプットとして使う場合、バイパスしないとそのまま録音できるのはギタリストには手頃かも。 pic.twitter.com/k8k9YygH1G
とまあ、物凄い事になってるTONEXなんですが、なかなかややこしいので整理してみました…
これはソフトが基本ということを理解していたら、楽しんで使えるのではないでしょうか…
意味がわからないと思いますけど、Amplitube MAXもTonex MAXも入ってるのに単品より安いです。激推しのMODOBASSやB-3Xも入っているので、ソフトでいいやという方はこちらがおすすめです…
TONEXってなに?
TONEXは、IK Multimediaが開発したギターアンプとエフェクターのモデリング/キャプチャリングシステムです。
大きな特徴はAI Machine Modeling技術を使用して、実際のアンプやエフェクターの音をキャプチャーするということです。
モデリングのAmplitubeなどとはまた違う仕組みですね。IKの惹句だとエフェクターの音をキャプチャとあるのですが、基本的にはアンプです。エフェクターは歪み系統のキャプチャしかありませんし。
アンプ、キャビネットなどをキャプチャーできます。
キャプチャの方法に違いはあれど、KemperやQuad Cortexなどと同カテゴリーですね。
キャプチャが無茶苦茶速いのは機材を色々持っている人には嬉しいんではないでしょうか。
あと、アンプとキャビネットを分離できるのは人によっては物凄いメリットがあると思います。
iOSでも使えたりもします。機能がてんこ盛りすぎる…
おじさんはコンボアンプで足りちゃうからあれなんですけど。
そして、ソフトウェア版とハードウェア版があります。これはTONEXの物凄いメリットである一方で、わかりにくさにもつながってます…
ソフトとしてTONEXも使えますし、プラグインとしても使える。そして、Amplitubeのモジュールとしても使えます。メチャクチャ多機能です。
そして、TONE.NETというところで、世界中のユーザーがキャプチャしたTone Modelを交換出来るという。もう、何がなんだか…え、こんなマニアックなアンプがというのでびっくりしました。
Kemperより、キャプチャしたものの質にバラつきがないように思います。
膨大すぎて全然追えてないからかもしれませんけど、今まで試した感じでは、これは変だというものにはあたってないですね。
TONEX、ソフトもハードもあるんですが、基本はソフトウェアだと考えるといろいろスッキリすると思います。
TONEX ハードウェア
そして、ハードも3種類あるわけですね。これも混乱しますねえ…
TONEX PedalとTONEX ONEがあります。演奏用はこの2つ。
スペックも違います。
マルチエフェクターなどと組み合わせて使いたい方はTONEX PEDALでしょうね。マルチのプリセットの切り替えをしたいならMIDIは必要ですしね。
エクスプレッションペダルも繋げますし、多機能ですね。
そしてプリセットの切り替えが3つスイッチで素早く出来ることもTONEX ONEよりTONEX PEDALがライブ向きと言えるんじゃないでしょうか。
Ampitube5がフルバージョン、ToneXMAXがフルバージョンです。
正直、TONEX MAXとAmplitube5の値段だけでハードと同じくらいの価値があるんですよね。だって、€300ですからね。いろいろおかしい…
さっと音色を作りたい場合はつまみが多く、操作がしやすいTONEX PEDALが手軽でしょうね。
ライブの使用考えるとつまみがあって、プリセット3つ切り替えあれば大分楽でしょうし。リバーブにも種類がありますし。
TONEX Oneはペダルボードで使うことを想定されているんだと思います。圧倒的な小ささですね。ジャズやブルースのようにアンプ直で行けるジャンルで、アンプのトーンも変更しないという人ならTONEX Oneでいけちゃうでしょうね。
ジャズだと使う人はいそうだけど、ブルースだといないか。流石に…
私みたいな原人はTONEX Oneで足りちゃうな。
TONEX Oneは付属ソフトがTONEX SE,Amplitube SEなので、ソフトを使い倒したい人は物足りなさがあるかもしれません。
USB-Cでつなげるので、TONEX ONEは荷物少なくしたい人には凄く良いのでは。おじさんには凄く刺さりました…
TONEXは非常に気に入ったので、TONEX ONEを買うかもしれません…
PCやPUSHを大体持ち運ぶので1gでも軽くしたいので。160gというのは凄いですね。
何と言ってもこれら2つ音最大の特徴は、キャプチャしたアンプなどを転送して持ち運べる。この軽さで。
PC持ち歩くから設定には困らないけれど、PCがないとプリセットなどの入れ替えは出来ないので、TONEXハードは両方ともPCありきのシステムということですね。
あとはソフトウェアベースということもあるんですけど、発売当初よりエフェクターが増えてます。
ディレイ2種、コーラス、フランジャー、トレモロ、フェイザー、ロータリー、スプリング・リバーブが追加。場所もプリ・ポストと変えられます。
ノイズゲートが不自然と言われていたようですが、私はFXアップデートがあってから使ったので、不自然さは感じなかったです。クリーントーンが中心ということもあるとは思うんですけど…
それに加えて、キャプチャ専用の機材までもあります。
ガッツリ演奏したい人はTONEX PEDAL、持ち運びの容易さやエフェクトボードに組み入れることを考えたらONE、お手持ちのアンプのヘッドやキャビネットを正確に取り込みたい。あるいはリアンプしたいという人はTONEX Captureということなんでしょうね。
ソフトが中心
と、まあ、メチャクチャ高機能なTONEXですけど、これ、エフェクターやハードのアンプシミュレーターと考えたら混乱するところがあるように思います…
TONEX PEDALをPCに接続してわかったのが、びっくりするくらい割り切った作りになってるわけですね。
PC上では実は、TONEXソフトウェアは3つ立ち上げる方法があります。
- スタンドアローンのTONEXソフトウェア
- プラグインとしてのTONEX
- AmplitubeのプラグインとしてのTONEX
もう、これだけでPCやDAWが苦手な方には意味がわからないですよね…
PEDALにTONE MODELを転送したい場合は、スタンドアローンのTONEXソフトウェアを立ち上げる必要があります。
初め、プラグインで立ち上げてそこから転送も出来るやろと思ったんですが、出来ません…
プラグインとして立ち上げてもTONEX Pedalでトーン・コントロールは流石に出来るやろと思ったんですけど、プラグインのコントロールも出来ません…
あくまで、ハードはハードのコントロールのみです。
なんでこんな勘違いしたかというと、TONEXソフトウェア(スタンドアローン)を立ち上げたときにプリセットの変更やバンクチェンジは画面に反映されるからなんですね。
これは、どこにTone Modelがあるかわかりやすいようにということなんでしょうけど、「何故だ。意味不明…」となりました。
そして、ハードの操作は結構複雑というか、直感的ではないです。
ソフトは極めてわかりやすいのと対照的ですね。私がソフトに慣れているというのもあるかもしれませんけれど。
例えば、リバーブのパラメータを変更したい場合は、2通り方法があるわけです。
5のパラメーターを長押しするとAltモード。ツマミの下にあるパラーメータをコントロールできます。
出来るんですけど、ReverbだとMIX(Dry/Wet)のコントロールしか出来ない。
よく使うパラメーターに素早くアクセス出来るという意味では良いんですけど、あ、違うタイプのReverbに変えたいなというときは、5のパラメーターを押して(長押しではない)、Reverbを選択して、更にタイプを選択という事をしなければならない。
パフォーマンス中にさっとコントロールするのは難しい。間違えます。曲間で調整しようとしたりしたらやらかす自信があります。
でも、PCだったら快適なんですよ…
ですので、ペダルで音作りするよりPCで音作りして、保存して最後にトーンなど微調整くらいで良いんじゃないかと思います。
こういう感じですね。
また、詳細なパラメータ、PCでは調節出来るんですね。これはペダルで出来ない。ソフトがメインと言うのはこういうことですね。
普段PCベースで作業している人にはメチャクチャ便利な一方で、ハードでやりたいという人にはストレスが溜まるところがあるかもしれません。
PCにつなげたときの挙動が独特 TONEX Pedalの場合
オーディオ・インターフェースとして繋げたとき、そのままペダルの音がDAWに送られます。
これはシンプルでいいですね。ギタリストでギターだけ録音したいという人や練習として使いたいというのなら直感的です。
でも、AmplitubeなどをPCで使いたい場合、困りますよね。
どうすればいいか。点滅しているところを踏むとオフ。バイパスです。素の音で録音できるというわけですね。
これでPC上のAmplitubeも使用できます。安心ですね…
DAWと繋いだとき、どう作動するかマニュアルで見当たらなかったので戸惑ってしまいました。
TONEX OneはダイレクトモニタリングとTONEXで加工された音がデフォルトで出力される設定になってるようなので、戸惑っている方がいらっしゃるようでした。これはTONEXソフトウェアで設定しないといけないのも、混乱しやすそうです。
このあたりはTONEX Pedalの方がシンプルなんでしょうね。
オーディオ・インターフェースとしてはかなり低レイテンシーです。
ただ、DAWで使うときは、負荷を考えるのでなければ、普通のオーディオ・インターフェースを使って、TONEXをプラグインとして立ち上げて使ったほうが便利なこと多いんじゃないかな。
それ言ったら終わりやろという気もしますが…
トータル・リコールが楽でしすしね。
なので、あくまでも、ハードはPCを使わないとき、あるいはPCベースでも負荷を減らしたいときに使うというのがストレスがたまらない使い方ではないかなと。練習用として、ミキサーやモニタースピーカーに繋げるのはありですね。
移動が多い人なんか、TONEX OneをPCに繋いで、アウトプットをPCからなんて使い方も手軽で良さそうです。
まとめ
と、ハードの操作性に付いてはいろいろいいましたけど、音に関しては素晴らしいです。本当に。
友達のDV MARKのTONE MODELを試させてもらったんですが、もう録音したオケ中ならわからないし、生演奏でもアンサンブルなら多分弾いてる本人以外はわからない…
アンプのリアルさは凄いところに来ました…
ピッキングの強さでトーンも追従します。最近のものは本当にリアルでたまげますね…
ただ、ギターのボリューム絞ったときのハイ落ちは思ったよりある感じで、そのあたりは真空管アンプとちょっと挙動が違うと感じました。
SoftubeのAmp Roomのツインは感覚的にはギターのボリューム絞ったときの挙動なんかは一番しっくり来ましたね。このあたりは好みがありそうです。でも、全然対応できる範囲ですけど。
個人的にはプラグインで古臭いタイプの音が欲しかったら、SoftubeのAmp Roomが一番自分の好みです。
モダンなクリーントーンならNeural DSPのCory Wong Xを選ぶんですけど、TONEXでキャプチャしたら自分のアンプをプラグインとして使えるわけですよね。これは、もう圧倒的です。ハードすらいらないんだから。
PCとオーディオ・インターフェースで済むのは、他のシステムでは出来ませんしね。
古い銀パネのツインと60年代のデラリバを友だちのところに預けてあるんですけど、これキャプチャしたら自分の使用としてはTONEXの方がいいかもしれないと思っちゃいました。
スピーカーはCelesitonに換装してあるし、真空管はRCA。同じスペックのものはないんですよね。いろいろ手を掛けて来たアンプです。
でも、こんなクソうるさいアンプを自宅では鳴らせないですし、いちいちマイキングも大変。
安定して使うなら、電源入れてしばらく温めてということ考えたら気軽には使えない。維持費も掛かりますしね…
そして、リコールが大変すぎますけど、TONEXなら楽勝です。
久しぶりにちょっとサポートする事になりそうなんですけど、使うとしたらワウくらいしかエフェクトはいらない。鍵盤も兼任するだろうし、場合によってはAbletonでマニピュレータ的なこともするかもしれない。
そんなときにアンプを持っていくなんて非現実的ですけど、TONEXやTONEX Pedalを使ったら運べるわけです。おじさんは重たいの無理だからね…
そして、これがTONEX Oneなら160gならポケットにいられる重さですものね。楽勝で運べます。
そして、TONE.Netがとんでもないです。
Suproのキャプチャしたものとかでてきますからね…
モデリングされてないようなアンプ、普通はあんまりやらないようなスピーカー違いなどもあります。
正直、キャプチャしないならTONEXってそもそもいらないんじゃないかなと思っていましたけど、そんなこと全然ないですね…
TONEX MAXに入ってるものも高品質でしたから。びっくりしました。
そしてPC上だともっと無茶なことが出来てしまう。Amplitubeで処理まで出来ますからね。ヘッドとキャビネット分けられるし、IRも読み込めちゃうわけですからね…
Amplitube内にTONEX読み込んでやってみた。Funkadelicみたいなやつで実験。
— うりなみ (@urinami) November 20, 2024
エンベロープ・フィルターかけてるのがデラリバで、6thのスライドしてるのがBalck FaceのTwin
Amplitube内でコンプやリバーブなどは処理。もっと凝ったことやらしくは出来るけど、もう何が何やら… pic.twitter.com/GWPgEY5UGG
エンベロープフィルターが掛かってるのがデラリバ、スライドしているギターはPrincetonです。いずれもTONEXから呼び出して、処理はAmplitubeでやりました。
もう、何が何だか…
低音弦強めに弾いて膨らむようなものとかね。アンプにしか聞こえないです。意味不明すぎる…
やろうと思ったらもっと追い込めますけど、Amplitubeと組み合わせるだけでこれだけオールド・スクールなもの作れちゃうというのは信じられない。ハードまみれで作っていた時代を考えると夢のようですね…
特に普段はDAWで作業していて、アンプを持ち出すのは大変という人には、自分の機材をキャプチャして使える。しかもセッティングの手間がない。
そして、アンプを持ってない人であっても、TONEX Pedalならとても使い切れないような量の超リアルなアンプサウンドを手に入れられる。TONEX ONEなら移動が多い人でも負担にならない。
PCを使うのが苦手でなかったら、家で作り込んだアンプのセッティングをリハやライブで使える。
凄い時代になりましたね。TONEX、楽しいですよ!
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