Abelton Live10のProbability Packは楽しい
またなんかえらいものが出たよね。
Creative Extensionsは飛び道具な印象があったけど、今度のProbability Packもかなり面白いよ。
個人的な事言うと、今回のProbability Packは飛び道具じゃなくて、バリエーション作るのに凄くいい。
あと、PUSHやPUSH2、LaunchPadみたいなネイティブ対応しているコントローラーでは高速に打ち込めるんで、新たなハードウェアが増えたような感覚があるな。Standardなら使えるのかな?
これはかなり楽しいよ。
追記:2019/02/10 Ableton LiveのPACKは他にもあります。
Probability Packって何?
公式の説明を引用しよう。
音楽制作で確率と偶然性の操作を可能にするクリエイティブシーケンサーコレクション
Probability Packには、5基の独創的なステップシーケンサーが収録。制作やパフォーマンスで、統制されたランダマイズを可能にします。 各シーケンサーは、規則的なパターンを独自の方法で“微細”/“過激”にランダマイズし、予測不可能な結果を生成。 新しいアイデアの喚起、既存のパターンに基づくバリエーション作成、変化し続ける予測不可能なテクスチャーの設計といった用途に使えるほか、そのすべてを組み合わせて、完全な混沌を生み出すこともできます。
シーケンサーはPushを使って指先で操作を行えるように設計されていますが、ハードウェアがなくても使用可能。 さらに、各デバイスの豊かな表現力を示すためにSonic Factionが特別にデザインしたプリセットも付属しています。
Ableton公式サイトより引用
Ableton LiveはデフォルトのMIDIエフェクトでもかなり無茶が出来るんだけど、これまた凄いもの作ってきたね。
Ableton本社では、「やっぱり完全な混沌は必要だよね!」「うぇーい」みたいな会話がかわされとるんやろうか…
まあ、これはAbleton Liveはモジュラー使ってライブする人もたくさんいるし、セッションビューで遊ぶときにランダム要素があると自分みたいなプレイヤーでも楽しめるよね。
じゃあ、今回のPackの中身を見てみよう。
あ、注意点。これ、全部シーケンサーだからね。自分でいろいろやりたかったら、音源アサインしてね。
公式の動画がわかりやすいんちゃう。
公式のものはどれもうまく作ってあるから、万能の無能との二つ名の自分が使えるかやってみよう。
自分に使えたらみんな出来る!言ってて悲しくなってきたな…
Probabilityに含まれる5つのシーケンサー
- Melodic Probability
- Rhythmic Probability
- Probability Arp
- Step Divider
- Dr. Chaos
まあ、この5つがあるんやけど、蘇る無能であるところ自分からすると2つに分けられるな。
バリエーションを作るのに便利な
Melodic Probability
Rhythmic Probability
Probability Arp
飛び道具
Step Divider
Dr. Chaos
まあ、こう考えてええんちゃう。飛び道具をぶっこまないとハゲるとかなんか呪いでもあるんかしら…
個人的にはProbability Arpはなかなかおもしろいと思ったよ。
展開作れたり、Strumなんかは普通の演奏に応用できるしね。
アルペジエイターが生きるのは生楽器以外というイメージがあるよね。
でも、Strumを使うと割と生楽器でやってもおかしくないアプローチができた。
まあ、こういうのは説明読んでも、わからん。無能死すべしと言われるかもしれないが、やってみたらわかるはずや…なのでやってみたよ。
これは飛び道具じゃない3つを使ってやってみた。
Melodic Probability
Rhythmic Probability
Probability Arp
この3つだね。
一応簡単に説明しておくね。
Melodic Probability
これはモノフォニックをランダム化するものやね。
Packを右クリックしたら「デフォルトレッスンを表示」で解説が出るよ。
ま、色々書いてあるけれど、1ステップごとに、音程、オクターブ、ベロシティ、長さをランダムに出来るよってことだね。
下にページ切り替えあるからね。
Doubleなんか使って、一部だけ設定変えるの楽しいね。
あ、一応注意しておくと、PROBABILITYのEventは、そもそも発音するかどうかね。
0%だと発音しない。
100%なら必ず発音する。ゴーストノート的な表現とかに使っても面白いかもね。
Pitchは100%なら指定した通りの音になるね。
SWINGは跳ね方。
地味だけどFOLLOWを押しておくと、実際にはどのような音程になったとかわかるよ。
面白いのが、コントローラでPUSHを選ぶと入力で出来るから、ちょっと新しいハード買ったみたいな気分になるな。
この画面はNote指定する画面やね。自分はCのドリアン・スケールでベースラインを弾くことにした。
オクターブの指定。もともとのオクターブより下げたい場合はこうしたら下げられるね。
ちょっとややこしいかもしれないけれど、PROBABILITYは確率だから、フレーズを固定したい場合は100%にすればいい。さっきと同じ。
わからんかったら、100%と0%で試したら覚えられるんちゃう。
脳筋なやり方やけど…
PUSHだとこう見えるよ。2つ目のノートはオクターブ下がっているから、さっきの画面と対応するね。
全般的に言えることやけど、基本的なフレーズやリズムの形を作って、ランダムで変わって良いところを設定するとなかなかいい感じのフレーズにしてくれるな。
こっちが長さ。
こっちがベロシティ。PROBABILITYの考え方は同じだよ。
Rhythmic Probability
まあ、これも考え方は同じなんだけど、Probabilityがちょっと違う。
これはさっきのEventと同じ。ノートが発音されるかどうかだね。
これ、意外に良いね。
さっきのやつだと、4拍目に16分の連打が入れてあったり、ゴーストノート的なものを結構確率でいじってやってみたけど、自然だね。
まあ、基本的なフレーズは100%にしておいて、あとは任意の確率にすると、音楽的に破綻しないからね。
あ、さっき書かなかったけど、PatternはClearににすれば消せる。
BankはDrumrackの打ち込みの時の上への切り替えだよ。
これ8*8やろ。
つまりDrumrackの半分しかない。縦の列が音だから8個しかないからね。
16のDrumrackだと上の8つのパッドが対応してないということになるよね。
だから、Bankで切り替えるんやよ。
ちなみにPUSHだとOctaveで切り替えできるからね。
Probability Arp
これ、意外に実用的で驚いた。
あ、注意点としては、これMIDIクリップ作って、音をいれておかないと自動演奏にならないからね。
まあ、普通に演奏してもいいけどね。
shapeがコードタイプを選択なのよ。
自分は今回鍵盤が半音でガンガンマイナー11thを動かすようなものを想定してやってみたのね。
まあ、ベースだけ調性がわかるようにステイしてコードはコンスタントストラクチャーで動かすようなパターンね。
割とあるアプローチだと思うんだけど、InvertとStrumが単調にさせなかった。
ええ仕事しとるよね。
Invertは転回形。
同じコードばっかり続いて単調やなと思ったら、いじったら同じコードでも単調じゃなくなるかもね。
意外にないパラメーター。
Strumはマイナス方向だと下降して演奏、プラス方向だと上行して演奏。
Strumの絶対値が大きいほどバラけて弾く。
ARPはアルペジエイター。もし1音で弾いたコードをアルペジエイターで使おうと思ったら、Strumはゼロにすればいいね。
onでアルペジエイターが掛かるよ。
横のProbabilityはRateがグリッド、Styleがアルペジエイター。これはLiveのアルペジエイターと同じちゃうかな。
Gateはアルペジエイターの発音タイミングだね。
PROBABILITYはちょっとわかりにくいけれどRangeが幅、下のAmtがそれが起こる確率と考えればええんちゃうかな。
追記:2018/10/11
MIDIエフェクトのChordより断然高機能。コードがわからない人がコードネームや音程を覚えるのにも使えるかもしれない。
Strumがあって、アルペジエイター、ゲートがあることを考えると、これをDrumrackに組み込んで、PUSHで叩くのもコードが苦手な人には良いかもしれないね。
Step Divider
来ましたよー。頭おかしいやつですよー。みんな待ってました。ポリリズム製造シーケンサーです。
ここからは飛び道具要員。ちょっと使うのも大変になってくるけど面白い。
PROBABILITYにオクターブで飛ぶところがあるのは、ハイハットでも音色違いにするとかいろいろやり方はあるね。
Packについてるもの見たら使い方がわかってきた。
そのままでも遊べるけどちょっと覚えておくと良いのが、これかな。
これ、Divはこのシーケンスのを何分割するかってこと。めちゃ変な数で割れます…
マウスでクリックすると、16や32分音符、6連符なんかでも入力できるけど、グリッドを7で割ったり出来るからね。
Probabilityはちょっとわかりにくいと思うけれど、入力音の2オクターブ上から下までランダムで出るということみたい。だから、同系統の音色入れても面白そう。
Dr. Chaos
脳機能を模したとか言うから、いかにコンテクストを読み取るとかなんか、SFやなと思ったら違いますね…
これ人間の脳じゃなくて火星人の脳やな…
完全なる混沌でした…
うーん。まるで意味がわからないけれど、強そうね…まあ、大事なのはランダムだけだよ。
NETWORKは繋がりだから、あるスケールをどの様に繋ぐか確率で変化させてる。ぶっ飛んでるね…
Networkの下に1から8まで 数字があるでしょう。これ、1の下に8って書いてあるやん。
このグラフは1から8に行く確率やな。人間はこんなフレージングしないよ…
まあ、無理やりコントロールしようとしたらできなくはないかもしれないけど、この子は火星のフレンズやから、持ち味を生かして参加してもらうのがええな。
だから、このランダムのところと、スケールの設定かな。
左側のChaosは押せば一応スケール内の音からつながりを変更してくれる。
右側のランダムは、そのノートがオクターブ上に行くかとか、ベロシティはどうとか、長さとかやね。
キーとスケールは設定するけど、普通のフレーズに使うことは難しい。
でも、火星人もパッド研究会に来てセッションしたいと言うかもしれないよね…
日本どころか、地球を超えた規模で普及する可能性があるから、自分は抜かりがないよ…
とりあえずパッドサウンド(持続音)にして、メカニカルでも成り立つようにホールトーンスケールで設定してみた。
これで火星人のパッドフレンズが参加するって言っても安心やな。
んじゃ、自動演奏させてみますか。
ソロのサックスはMelodic Probabilityで、Bluesスケールを設定。確率変化は1小節に1音のみくらい。一定のテーマがあって崩してくアドリブみたいにした。
ベースもMelodic Probabilityドリアン・スケールで設定。
ほとんど聞こえないだろうけど、オクターブを極端に飛ぶような設定にして、ベロシティ低めが2小節に1音設定した。ゴーストノート的なアプローチだね。
エレピのコードはルートを短3度で動かしたのものをクリップに録音して、Probability Arpで。
マイナー11thにして、StrumはゼロArpを音にしてGateはクラーベみたいに設定した。Rateは1/8
ドラムはRhythmic Probabilityにした。一拍目裏の8のハイハット、一拍目のキック、2拍目のスネアはベロシティと長さを固定してた。
展開になる8小節目は違うノートが起こる確率を高めてるね。
もう一つのドラムはStepDividerで適当にランダムで作ったパターンを再生しているだけ。
最後は火星ちゃんやな。都立家政のゆるきゃらみたいやな。でも、なんかPファンクとかならありそうな気がするな…
飛び道具系統2つもポイントを押さえて使うとアンサンブルとしては崩れないよね。
そして、適度なランダム要素があると、セッションビューでの演奏も楽しくなるし、アイデアが出るよ。Ableton Live10、楽しいな!
追記:2018/10/11 YOSIO PCさんの動画は使いながらやってくださってるから、すごく参考になるよ。
YOSHIO PCさんのYoutubeチャンネルはこちら
いろいろPUSH2の動画で作ってくださってて、勉強になるな。自分とは全然違うアプローチはすごく刺激になる。そのうちPUSH2もって一緒にセッションしたいな。
どうでもええんですが、病院の待合室にあったので、読んでしまって超ハードボイルドな気分です。
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