いやはや暑いな。パッドフレンズのみんなは元気?
出張終わって帰ってきたら一気に疲れが出てしまったわ。いろいろ頭整理する時間もいるしな。考える時間がないとあかんなと思うよ。みんなも体調に気をつけてな。
じゃあ、今日はマイナーのクリシェについて説明しよう。
みんな、マイナー・メジャー7thは覚えている?
ハーモニック・マイナーやメロディックマイナースケールのトニック・マイナーはマイナー・メジャー7thコードやったね。
あやしかったらみてね。
で、これ弾いてパッドフレンズはどう思う?ちょっとやばい感じするよね。Cm7はそれほど怪しくないけどCmmaj7はかなり怪しいよね。
なので、大抵のマイナー・キーの曲の場合は、トニック・マイナーはⅠm7や。
Immaj7はそうやな… ジャズのエンディングなんかでは使うこともある。
ただ、ポップスで言うと、クリシェというパターンで使用されるのが一番多いな。
クリシェというのは定義するなら、コードの構成音の一部が半音ずつ変化していく形と言えるかな。
Cm | Cmmaj7 | Cm7 | Cm6 |
こう使うことが多い。クリシェの使い方は、例えばフレンズがこういうコード進行で考えとるとするよ。ありがちなコード進行で作ってみるよ。
一応音源もつけるな。
Cm | Cm | Cm | Cm |
Fm | Fm | Dm7b5 | G7 |
まあ、普通やよね。マイナートライアドが連続して、サブドミナント・マイナーに行ってマイナーⅡⅤ。まったくもって普通なんやけど、これ、ナチュラル・マイナー、ハーモニック・マイナー、メロディックマイナー・スケールのHarmモードでも弾けないよね。1-3-5で前半弾いて。最後はハーモニック・マイナー・スケールの1-3-5-7で後半を弾く形になるかな。あえて言うなら、前半のCmはやばくないようにしたいから、ナチュラル・マイナー・スケールを想定しているとも言えるかな。
もし、これ、コードセットでひこうとすると6小節目まではminorのコードセットtype Min1で弾いて、最後の2小節をMin6で弾くという泣きそうな形になる。自分も何でやといいながら弾いたよ…。鍵盤でやるのは一応禁じ手にしてるからね。
まあ、つまらんよね…
じゃあ、ここでクリシェ使ってみよう。クリシェはトニックで使える。これだとマイナーが4小節続いてダルい。リズム的な工夫もないし、音色も工夫していないから当然だけど。じゃあ、こう変換してみよう。
Cm | Cmmaj7 | Cm7 | Cm6 |
Fm | Fm | Dm7b5 | G7 |
こういう風に、コードが変わらない時に、クリシェを使うと動きが生まれる。半音の動きってのは強力やったよね。
この場合だとCmのルートのC、Cmmaj7のmaj7のB,C7のBb,Cm6のAと半音の流れが出来たね。
これ、Maschineのコードセットでは弾けないからね。Keyboardモードにしてルートを半音下げる形で弾いてみてね。
音源欲しかったら言って。Twitterで言ってくれたらまた考えるから。
ま、でもこれもサブドミナント・マイナー2小節続いていて、もうちょっと動きあると面白いな。サブドミナント・マイナーの特徴はAbやったね。何でこうする。
Cm | Cmmaj7 | Cm7 | Cm6 |
Abmaj7 | Fm | Dm7b5 | G7 |
ちょっと怪しかったらまたサブドミナント・マイナーの説明のところ戻ってね。
Cm | Cmmaj7 | Cm7 | Cm6 |
Abmaj7 | Fm7(9) | Dm7b5 | G7 |
サブドミナントマイナーのFmをFm7(9)にした。となると、9thやからGやね。そうするとAbmaj7のルートのAbそれとFm7(9)の9thのGと半音でつながる。非常にスムーズやね。そして、気がついたもしれないけど。Abmaj7,Fma7,Dm7b5と全部Ab共通させてるやろ。だから最後もアレンジする。
Cm | Cmmaj7 | Cm7 | Cm6 |
Abmaj7 | Fm7(9) | Dm7b5 | G7(b9) |
となると、前半は4小節はEbが共通していて、後半はAbが共通してることになるよね。なかなかにスムーズや。
まあ、でもまあ、もうちょっと遊んでみようか。トップノートじゃなくてベースラインをいじってみる。
こうしよう。
Cm | Gaug on B | Cm on Bb | Cm on A |
Abmaj7 | Fm7(9) | Dm7b5 | G7(b9,b13) |
オンコードとか分数コードとか呼ばれるやつやな。G/Bとか書かれたりするんやけど、分数コードと言われる場合、2つの意味がある。また説明するけど、最低音をしている場合はオンコードというね。まあ、こんなものと思って。
2小節目のGaugとかなんやとおもったかもしれんよね。これ初めの4小節ピアノでトライアドで弾くならこれが楽だから。Gaugの構成音は、G,B,D# つまり。D#=Ebやよね。鍵盤だとベースを弾くとこう手形になるのよ。
最後のコードb13というテンションをいれた。13は6度のこと。まあテンションと言われるのは-7したらもともとの度数が分かるから覚えておくと便利やね。そうするとこれはEbになる。もうわかったね。あたまのCmに戻るときにEbがあったら共通してスムーズやろ?
これを弾くんだと、Chdset min2で5小節目まで弾いて 6小節目からMin8で弾ける。
最後にフェイドアウトしてない適当な処理やけど勘弁してくれい。こういうのも揺らして弾いたりメロディ入れると随分雰囲気出るよね。
ね。サブドミナントマイナーの置き換えやクリシェを使うと、サウンドの幅は一気に広がる。基本的には共通してる音がなにか考えることと、半音の流れを作ること。これだけなんだよ。
今回は、こういう風にコード進行を複雑にしていく過程を見せたけど、逆のことも当然出来るわけ。こういう複雑な処理が美しい場合もあるよ。でもさ、ステーキやったら、塩と胡椒だけの方がおいしいってこともあるやん。シンプルな方がいい場合も絶対ある。
だから、これはパッドフレンズの感覚やよ。どれもこれもテンションだらけにするのは格好悪い。
でも何も考えなくて感覚で作れるかと言ったら、凡人は無理やろうな。シンプルなものも、何が格好いいか言語化しないと再現できない。
作れてもいつか行き詰る。
まあ、「基礎的な勉強してなくなる程度のものはセンスではなくて錯覚や」と自分の師匠には言われた。「お前、まさか自分にセンスがあると思ってるわけ?」って言われたな。
ぐうの音も出なかったよ…
でも若いうちにわざわざ言ってくれて本当に良かった。感謝してるよ。真面目にやっていくと、いつか勉強しないと作れなくなる。どうしても大事なのはセンスやから、それ以外のところは凡人はやれるだけのことやれってことなんだよね。
ま、こういう動きがクリシェってわかったら、パッドフレンズもすぐ聞いて分かるようになる。そういう意味でもコード譜眺めていっぱい叩いて名前を覚えると広がるよ。
しんどいとは思うけど、こういうのはいつか自分を支える杖になる。プレイが満足にできなくなっても、音楽で出来ることがあるのは自分には良かったな。年をとると説教臭くてあかんな。すまん。
でも、コードとスケール分かると楽しいな!(無理やり)
Curtisのこの曲もマイナーのクリシェやな。
そして、クリシェをマスターしたかったら、シャンソン聞くといいよ。びっくりするような使い方が学べる。
自分はEcho買ったから、家ではAmazonMusicばっかりやな。10代の頃は毎日アルバム一枚採譜とかやっとったな。そう言えば。外ではSpotifyやね。
いまだったら、コード譜ネットで見つけて、ストリーミングで聞けば効率よく勉強できる。年齢は関係ない。別に60過ぎても出来るよ。自分の祖母60すぎからピアノ始めたらしいけど、下手やけど弾けたからな。ナット・キング・コールが好きやったな。
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