誰が得するのやという記事ですね。良いんです、自分のメモだから…
何処かで動画を撮ります。撮りました。末尾にリンクを貼りました。
目的
生徒さんが復習できるように資料として置いておきたい。自分の知識の整理と技術向上のためでもある。
レッスンは個別でするけれど、座学は同じでもいいので。
本当に細かいところは直接教えないと出来ないため。リズムの感じ方なんか無理ですしね…
あとは、ファンクをやりたいけれど、ベースが弾けない人の為の資料になればいい。
ソフト
MODOBASS2を使う。CSであれば、無料。オールドスクールなソウル、R&Bをやるのに不可欠と言って良いフラットワウンド弦が使えるため。
またミュート、死んだ弦のシミュレートなどが出来る。サンプル音源のほうが音としては存在感があるが、奏法の再現度は圧倒的に高いため。
オールド・スクールな音色にするための設定
James Jamerson的なサウンドを基本として設定する。様々な音色が作れるが、まずは基本。プレベが最も、ソウル、ファンクでは人気があるベース。
Open Stringはオン。オールド・スクールなベースの場合はウッドから転向したプレイヤーも多く、開放弦を多用するため。タッチノイズ、スライドノイズは高くしてあるのは、埋もれがちなためにあげてある。
Fm7-Bb7のドリアンのVamp
— うりなみ (@urinami) May 7, 2024
Willie Weeksのあのラインを弾いてみた。開放弦A弾いてから押弦GのラインはJemerson直系でロック的な発想では出ない。
Focusing EQとHarmonics,VCA Compressorのオン・オフで比較。
MODO BASS2はPUSHで弾いたのを修正。もうちょっと後ろにしたほうが良いけど、まあ… pic.twitter.com/xzf0BqY2Wu
Harmonics,VCA Compressor,Focusing Equalizer,TAPEを使用した。70年前後のサウンドをシミュレートしている。
VCA VompressorはDBX160のモデリングなので、60年代後半から70年代前半にはないものだが、らしいサウンドになるので使用した。LA-2Aなどでも良いと思う。
大事なのはサウンドだから、結果的に目的に近づけるならなんでもいい。VCA Compressorは無償配布していたこともあるし、ギターやドラムなどにもよく使われていたので採用した。
あと、単純に好みだからです。
モータウンは他のインディ・レーベルと違って資金は潤沢にあった。そのため高額なFairchildなどもスタジオ機材としてあった。そちらを使ってもらしくなるかもしれない。
個人的にはAnalog ObsessionのYALAはAltec 436Cのエミュレートで素晴らしい質感だと思う。
細かい設定は出来ないが。160より重心が落ちるが、パンチもある。低音はファットな質感がある。アタック、レシオ固定だが、ドラムやベースに使ってもいい。
Analog Obsession、一回サーバーの攻撃で配布はやめてしまっていたけど、Patreonで復帰していたので愛用している。
— うりなみ (@urinami) May 8, 2024
YALAは笑っちゃうくらい凄い。ドラムに使ったけど、何にでも使える。
ソウル・ファンクおじさんは洋の東西を問わず使ってる人が多い。 pic.twitter.com/0rdm9uSVha
コンプサウンドはファンクやソウルの特徴でもある。
コンプはどんなものを使ってもいいだろうけれど、往時の質感にしたい場合は、TAPEとフラット弦、ミュートが鍵になる。動画では音声ありで説明しているのでよく分かるのでは。
8トラックを最も早く導入したレーベルであるモータウンは、ベースの重要性を理解していたレーベルである。
1トラックはJamersonに当てられたと言われており、VUが点灯するようなレベルでJamersonは録音していたとの記述がある。サチュレーションは超重要。抜けはEQよりサチュレーションで作っているのではないかというのが今のところの結論。
Jamersonのベースだけ抜き出したものなどを聞くと、かなり歪んでいる。単体で聞くとMarshall Jonesなどもそう。アンサンブルだとわかりにくいのだが。Motownの場合は、ラインだが、他はベースアンプを使っていたところは多い。
このあたりは求めるサウンドに応じて調整するべきところ。
一般的なセオリーのように、棹物はラインが骨格で、アンプは色付けでパラレルでやったほうが簡単に行く場合も多い。
テープコンプは、オールドスクールなファンク・ソウルでは大きな要素。
モータウンの場合、基本的にシンガーと同録は行われなかった。また、サザン・ソウルなどでは正式にリリースされるとなってからホーンなどをオーバダブされたという記述もみられた。
テープコンプはリズムセクションに関しては2重に掛けてもいい。上があまり出ないサウンドはテープレコーディングの影響も大きかったはず。DAWでシミュレートする場合は、ベースとマスターで掛けてもいいだろう。
2000年代のレコーディングで、リズムセクションのみテープでレコーディングされたりすることを考えるとなかなか面白い。
モータウンはAMPEXで、アメリカのソウル・ファンクではAMPEXの使用が多かったはず。スタックスでも同様。
クロストークの影響も大きかったので、そこも設定してある。THDは1~3dB程度を狙っている。
HarmonicsはTUBEでAltecの卓を使っていたので、SoundtoysのRadiatorのほうが近くなると思っていた。
が、SoftubeのHarmonicsのほうがらしくなった。正直この辺りは好みで、どっちでも同じような効果は得られる。
サチュレーションが乗るところがオールド・スクールなサウンドへの寄与度としては大きいかもしれない。
Focusing EQでサチュレーションを掛けるだけでも、かなりらしくはなる。Harmonicsのほうが、低音の質感は近い感じに感じられた。
EQに関してはFocusing EQはトーンコントローラー的に使えたので使用。こっちでRadiatorを使っても良さそうである。ベース以外の楽器が多くあり基音などが多い100〜300hzを簡単にEQ出来るため。
資料にあるようにPulteq EQを使うのも手だろうと思う。EQP−1Aタイプで60hz、100hz(表示は違うが同じこと)でいわゆるPulteqテクニックを使ってもいい感じにはなった。自分の好みがFoucusing EQだったということだ。
EQP-1Aだと100hz以上の処理が3kまで出来ないというのもある。
現代的なミックスなら、躊躇なくカットするような帯域も、古いサウンドの場合は必要になることもある。60年代の音源だと混ざっているからこそ出る質感もあるからだ。
明瞭なサウンドも明瞭でないサウンドもどちらも作れたらよい。Focusing EQはそれが簡単にやりやすい。パラメーターが多くないので直感的に使える。DAWのパライコは視覚を使いすぎるが、ハイカット、ローカットしてからEQするという流れなので耳しか使わない。
膨らみを減らしてスッキリしたサウンドにしたい場合にミドルをカットするのも楽。大まかな音色とバランスを作るのには良いEQだと感じている。
EQに関しては現代よりキックは軽く、ベースが最低音を担う場合も多いことも留意する必要がある。ダッキングなどはされないので、アレンジ、演奏レベルで解決していることも多い。時間軸でカブりを解消するのがオールドスクールなやり方だ。
上手いプレイヤーは何も言わずともそうしてくれるけれど、打ち込む時はドラムも含めて考える必要がある。
らしさを完全に破壊するのは音量バランス。それぞれの楽器の音量感は時代性もあるので注意する必要がある。
次回以降は、打ち込み技術的なところと、フレージングの分析を同時に行う予定。譜面が苦手な人向けにピアノロールを使いながらやってみてもいいか。パッドでの演奏も出来たら作る。動画にして補足記事という形にするかは考える。
ロジックに関しては日本語書籍だとこちらが一番充実している。クロマチックアプローチの分析も的確。採譜例も、特にスタイルを代表するものを取り上げてあるのでベースを弾く人以外にも役立つはず。
追記:2024/05/08
文字を読むより動画のほうが音が聞けていいという人のために作りました。煮物が出来たので終了。これくらいならTwitterにあげてる動画くらいの時間で出来るから、まめに作ってもいいですね…
2024/05/09
同様のセッティングでやった例。
もこもこベース音源選手権、ぶっちぎりの1位は相変わらずMODOBASSやな。フラット弦+ミュート、古い弦と奏法がシミュレートできるのはデカい。
— うりなみ (@urinami) February 21, 2024
これを喜んでくれるのはヘブライさん@he_bu_ra_i
しかいないだろうけど、ソウルファンには激推しですね…
まあ、弾いたほうが早いけど、ロマンだから… pic.twitter.com/19hNbtNTrs
こういうのをやることにするか。エレクトリックベースやドラムの打ち込みやりたいという人もいたし。
— うりなみ (@urinami) March 14, 2024
ホーンの打ち込みとかは別に需要ないから良いか。
MIDI関係で生楽器の打ち込みやるときにつかう基本的なツールは説明できるな。 pic.twitter.com/1nOcrllrnP
MODO BASS2,SoftubeのHarmonics,VCA Compressorで実験。70年代サザン・ソウル風。
— うりなみ (@urinami) March 23, 2024
グリスはもうちょっと追い込んで粘っこく出来そうだけど、フラットワウンドで古い音にはなってるな。どうなっとるのや…
Pushならリアルタイムで弾けるから人から見たら気持ち悪そう…… pic.twitter.com/7bOa0f4MTJ
フラットワウンドのスラップの音にちゃんとなっていて驚愕した。ベース弾いたほうが生々しく出来るけれど、打ち込みでオールドスクールなものが作れない時代は過去のものになったと言える。
Morning Jam
— うりなみ (@urinami) March 17, 2024
Ableton12で格段にドラムが打ち込みやすくなった。
ストリングスやホーンセクションも前までだと細かい打ち込みはきつかったけど、非常に快適に。
まあ、こういうオールド・スクールなものでレイドバックしているものを打ち込む意味があるのかと言われたらあれだけど…
IKのMODO… pic.twitter.com/phM7Y1vXuE
こういうメロウなものでありそうなプレイをMODOBASS2で。ドラマーは100%自分のプレイとMODOBASS2と識別できたけど、他の人は識別出来なかった。自分のタイム感とそのようなフレージングにしてることもあるか。ボーカルサンプル以外は全て打ち込み。
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