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Ableton Moveのコードワーク

Ableton Move
この記事は約7分で読めます。

Ableton Moveでのコードワークの配信をやりました。Moveの場合は32パッドであり64パッドと違った工夫が要求されます。

クロマチックモードで弾くための知識を整理しました。動画2つご覧いだければ、Moveをコンパクトな打ち込みツールとして使うことは十分可能だと思います。

ライブ配信で話した内容をスライドにしました。復習用などにご活用ください…

前編は基本。コードの基本的な知識がない方でもご覧になればこういう仕組みだと理解できると思います。

後編はかなり応用的な内容を含んでいます。ルートレスボイシングやテンションノートの入れ方、音域が少ないものをカバーするためにパッシングコードを入れるなど伴奏やアレンジに役立つような知識についても話しています。

実際コード進行がある中でフィンガリングも変わりますので、コードの押さえ方だけ知っていても演奏では難しいことも動画をみたら一発でわかるかと。

Moveの場合、パッドの数が限られるためにフィンガリングを工夫する必要があります。配信で話しましたが最低音を基準にクロマチックに練習していくことをお勧めします。いずれもCをルートした基本フォームです。

パッドで重要なのは視覚的にパッドにコードやスケールを展開出来るかです。フィンガリングは状況に応じて変える必要がありますので。

音を鳴らす前に歌ったりするのも耳の訓練になると思います。

仕組みを知りたい方はこちらの記事と動画を見たら、コードは押さえられるようになると思います。

メジャー

メジャー、マイナーとも5度は共通していますので、Rと5度の位置関係をまず覚えましょう。それから長3度を覚えていきたいですね。

Cのトライアド

最も基本となるフォームです。下の横一列Bb~Dまでカバーします。Ebを同じ横一列で弾きたい場合はフォームを変更する必要があります。

Ebのトライアド このフォームはソロを弾いたり、ブルージーな引掛けをする時に重要なフォームになる。

右側を有効に使えるフォームです。

Eb ポジションを移動した例、基本のフォームをずらすとこうなる。段の移動は速いプレイの場合難しい可能性がある

基本フォームで弾こうとすると移動が多くなるので難しい場合もあります。

Bb こちらもソロを弾くときには有効なフォーム。

左を有効に使うフォームです。

マイナー

Rと5度の位置関係は同じなので、短3度の位置関係を覚えましょう。

Cm

基本となるフォームです。下の横一列でAm〜Db(C#m)までカバーします。

Ebm

下の横一列ではEbm,Emをカバーします。

Ebm

基本フォームを移動するとこうなります。

オクターブ上のCm

こちらフィンガリングもありますけれど、コードを押さえるときにはあまり使いませんが、ソロを取ったりマイナーケースケールを覚える時の目印になります。

ディミニッシュ

マイナートライアドの5度が減5度になったものです。5度の位置が半音下がると理解しましょう。

Cdim dimのフォームは4和音のドミナント7thのルートレスボイシングでも用いる。

基本となるフォームです。下の横一列ではAdim~C#(Db)dimまでカバーします。

Ddim ミクソリディアン上でのソロなどの時に展開できると便利。

下の横一列でDdim,Ebdimをカバーするフォームです。

Ebdim ディミニッシュは短3度ずつ(パッド3つ分)積み重ねたものなので、短3度を視覚的に覚えられると役に立つ。

基本フォームを移動して弾いています。Ebdimは別のフォームでも弾けますがこの2つで対応するので十分かもしれません。

Ebdim こちらもソロを取る時に展開できると便利

下の段横一列でDbdimからEdimまで弾けるフォームです。下の横一列で唯一Edimを弾けますが、このフォームでコードを抑えることは少ないと思います。

オーギュメント

メジャートライアドの5度が増5度になったものです。完全5度が半音上がったものです。5度を目印に覚えておくといいですね。

Caug 

基本となるフォームです。下の横一列でBbaug~C#augまでカバーします。

Aaug メロディックマイナーのリックを弾く時の目印にも使えますね

左を有効に使う時のフォームです。

Daug 長3度(半音4つ)ずつ積んだものがオーギュメント。

下の横一列でBaug~Eaugまでカバーするフォームです。こちらを基本と考えてもいいですが、メジャートライアドの関係を考えて初めのものを基本としました。概ね2つのトライアドを覚えればかなりコードワークは対応できるということですね。

sus4

メジャートライアドの長3度が4度になったものです。

Csus4 展開するとFsus2になる。Fsus2 Cmajのような進行はエンディングなどでも良く使われる。

基本となるフォームです。下の横一列ではAsus4からDsus4まで弾くことが出来ます。sus4からメジャーになることも多いので交互に弾く練習をしてもいいと思います。

Ebsus4

下の横一列ではEbsus4,Esus4をカバーするフォームです。

Ebsus4

基本フォームを移動させています。

転回形について

動画で説明していますが、コードの最低音をオクターブ上に持っていくことを転回型(inversion)といいます。

Moveで演奏しようとした場合、音域の問題があるので、基本形(この場合の基本形は、ルートから順番に音を重ねていくという意味です。)でコードを弾くことが出来ない場合があります。

ジャズ・ポップス理論では並び方が違ってもコードの構成音が同じなら同じ機能を持つと考えます。

最低音をオクターブを上にしたものが転回型といいます。これならばMoveで基本形を弾けない場合でも問題なく演奏できる事が増えます。

Cメジャーで見てみましょう。

Cmaj コードの場合表記がいろいろある。Cと書いてあればCメジャーコード。C△も同じこと。だが、ジャズの場合はトライアドで弾くことはほぼない。ジャンル等によっても違うのでこのあたりは慣れるしかないです。

Cメジャーで、R,3,5の順番で音を積んである基本形です。

3度が最低音になった。C/E,ConEなどと表記する場合もある。オクターブの関係性に留意されたい。

転回形では何よりオクターブの関係性を覚えてください。オクターブ上は右に2、上に2つの位置がオクターブです。右の斜め2つ上とおぼえてもいいです。視覚的に

これをCの第一転回形。1st Inversionと呼びます。

5度が最低音となった。メジャー、マイナートライアドの転回形では4度音程を含むことを理解すると譜読みやブラックミュージックで多いモーダルなバッキングで役に立つ。

第2転回形です。第一転回形で最低音になった3度をオクターブ上に持っていっています。

他のポジションの転回型のフィンガリング

メジャートライアドのEbのフィンガリングです。

Ebの第一転回型です。オクターブの関係が先ほどと変わりました。左に3つ、上に3つがオクターブです。

左斜め3つ上がオクターブと覚えてもいいです。オクターブを目印にしてスケールやコードは覚えていくと整理されます。

こちらも覚えてしまいましょう。

パッドでスムーズな演奏するために必要なのは様々なパッドの見方です。

メジャーとマイナーのトライアドは転回型は必ず4度音程を含むのはフィンガリングが変わっても同じ。Rの下が5度覚えると応用も出来る。
4和音はR+3和音なのでこのように転回型をさっと弾けるようにするとボイシングの可能性は広がる

さらにもう一つの可能性 様々なポジションで転回形を弾く

もう一つのフィンガリングをとる場合のAメジャーを例にあげて考えます。

Aメジャー

基本形です。 

第一転回型です。

第2転回型です。今まで出てきた転回形との共通点に気がついたのではないでしょうか。

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