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Move日記7日目 Moveの限界を踏まえてやってみる

Ableton Move
この記事は約13分で読めます。

Move日記、7日目に入りました。

パッド大処分のために導入されたMoveですが、当初の予想より楽しく使えています。

シンプルで軽快。出来ないことがある上でちょっと工夫すると出来ることも増える。

自分が当初考えた、しんどいときに練習したり、マイナスワンを作ると言う用途では使えていません。

が、違った楽しみ方が出来ています。楽しいんですよ、実に…

出先に気軽に持っていけるのは、Moveのメリットだと強く感じています。日常の買い物にPUSH3スタンドアローンを持っていこうとは思いませんが、Moveなら持っていけますしね。

Moveの限界を踏まえてやってみる

Moveは軽快に使えるようにするために、様々な制限があります。

その制限がある中で、色々出来ないかという実験ですね。

トラックは4トラック。生音系は弱い。マルチサンプルではありませんしね。パンはドラムを除いてはありません。

パッドの感度は良い方だと思いますが、PUSH3には及びません。

今のグルーブボックスならもっと高機能なものありますけど、Moveはとにかく軽快であることに力を入れている。

その中で、今まで覚えたやり方で、作ってみましょうかね。

内蔵音源、Moveだけでやってみます。

今日のビート

ということで、作ってみました。

限界は超えてないです…
Meguさんに「もっと貪欲に登録者数増加をめざしましょう!」と発破を掛けられてしまいました。YouTuberのように、「超有料級情報」など誇大広告気味に攻めるべきですかね…今回は結構長めの動画になりした。考え方を説明するとどうしても時間は掛かってしまいますね。

以下に考えたことを書いていきます。

鍵盤は使わない

まず1つ目は鍵盤を使わないこと。

鍵盤をMoveにつなぐのは初日にやったんですけど、びっくりするくらいつまらなかった…

これは意外でした。鍵盤に繋いだ時点でMoveの面白さは半減しました。

「あ、買ったけど即売ろうかな…」と思うくらいつまらなかった…

持ち運ぶことが難しくなることもあるけれど、鍵盤で長い事音楽を作ってきたということもありますね。

機動力が全くなくなる。スタンドアローンの面白さを殺してしまう。出来ることが多くなることがいいわけではないということですね。

PUSHは拡張性があることはいいことだと思っていたので、全く違う意見になったのは面白いです。

これなら、Abletonに鍵盤繋げたほうが効率が良いとなる。

音源もそりゃ外部音源使えるAbletonとMoveを比べるとどうしたって見劣りしますから。

楽しみではなく効率に目が向いてしまうんですね。だから鍵盤は使いません。

私は4トラックというMoveの仕様は制限というよりはアイデアを出すための仕掛けのように捉えていますね。

サンプリングはしない

32パッド、4トラックという縛りがあるからその中で工夫する事に面白さがあるわけですね。

2つ目はリサンプリング、サンプリングの禁止です。

Moveの内蔵音源だけで作ってみます。

サンプリングで作る意味はありますけど、サンプリングでしか出来ない表現をする以外にやりたくない。

リアルに見せるためにやるサンプリングは簡単すぎる。

自分でそれこそ全ての楽器演奏したらそりゃリッチなもの作れますけど、Moveでやる意味がない。

それならAbletonでやってしまえということになっちゃいます。

リッチにするのも簡単だし、リサンプリングするならそれこそ無制限に出来てしまう。Moveでしか出来ないことをやる。

ということで、内蔵音源のみを使う、鍵盤を使わない、サンプリングはしないという条件でどう出来るかやってみます。

出来るだけ生の質感があるものをやってみました。Moveが苦手とするところをどう工夫するか。得意なところはまた今度挑戦してみますね。

トラック数の問題

Moveは4トラックしかないのですが、抜け道はあります。どんなところでも抜け道はあるものですね…

一つはDrumsamplerの16pitchesを使うことです。

パッド一つ一つに音色をアサインできます。オクターブも変更できるので、メロディなんかも弾けちゃいますしね。

なんなら、Abletonで1小節のクリップなんか大量に作ってMoveに持ってきたら、セッションビューを使わずに曲を作ることが出来てしまいます。

サンプラーの使い方としてはオールドスクールなやり方ですけど、今回は採用しません。

オーバーダブする

別に1トラックに一つのパートと限定する必要はない。メロディとコード弾いてもいいわけですからね。

生楽器系の音色に関してはMoveは前世紀のマルチティンバー(わかります?)音源程度のものしかない。まあ、しょぼいです…

なので工夫する必要があります。

内部的には普通にsimplerを使えているんだから、マルチサンプルの音源はそのうち欲しい…

軽快さのためと安全マージンをかなり確保するためなんでしょうね。サンプルをのぞいて、原則プリセットしか使えないわけですから。

普通のアコースティックピアノだとサンプルしたものをピッチ上下させると流石にアタックが嘘くさくなる。シンセと違って、生楽器はマルチサンプルでないと難しい。

エレピでもリアルなエレピを求めるなると全く情報量が足りません。

なので、シンセっぽいエレピというラインを狙いました…姑息ですね…

音色変化を加えるために、エンベロープフィルターなんかあるものを選んでもいけると思います。

とにかく、音色面のバリエーションがないのでフレーズやタイム感で情報量を増やして生っぽくするしかない。

シングルノートの刻みなら成り立ちやすいことと、遠くでメロディを弾いてるようにすればそれっぽく聞こえるはず。聞こえるといいな…

パンの問題

Moveを使ってびっくりするのは、Drumsamplerにしかパンがないことですね。びっくりするくらいの割り切りです。

スピーカーがモノラルだからですかね。でも、スケッチなら不便はしない。Abletonのコントローラーとして使うときにもPanがコントロール出来ないのには驚きましたけど。

じゃあ、エフェクトで処理するのかと思ったんですが、そうではない。

AutoPanで処理するかと思ったらそれすらなかったのにはびっくりしましたね…

Autopanがあれば、疑似サイドチェインコンプというか、ポンピングサウンドも作れる。

だからこれくらいはあるやろと思っていたんですが、なかったという…

ステレオ感がほしいのであれば、Reverbを使うことが一つの解決策かもしれませんね。

あとはPinpong Delayを使うことでしょうか。今回は1トラックにオーバダブしていく関係上、Reverbでステレオイメージ広めで行きます。

パッドの感度の問題

PUSHと違って、Moveには感度調整がありません。スネアのゴーストノートをMoveのパッドでそのまま叩いて入れるのは難しい。

絶望しそうですが、大丈夫です…!

ですので、懐かしのサンプラーのテクニックで対処します。

スネアを別のパッドにコピーして、ピッチを下げ、フィルターで削ってという形でゴーストノート的な音色を作りました。

ハイハットなどにはもちろんChokeを設定します。

MoveはChokeグループが複数あるわけではないので、リムショットとゴーストノートを同時に鳴らしたくない場合は編集でカバーですね。

編集したくなかったので、演奏してキャプチャしました。

このあたりはPUSHの方がChokeグループが複数設定出来るからやっぱり機能面では上ですね。

でも、スケッチなら何ら問題ないと思います。

マルチサンプルでないので、生楽器が嘘くさい問題

これはフレーズと音色でなんとかするしかない…

生っぽいけど生じゃなくても成立するジャンルってなんだろうと考えてDiscoやBoogieを作ってみることにしました。

シンセ的な音色でも行けますしね。

そもそもDiscoはテープ操作したり、シンセを使ったりするプロデューサー主導の音楽だから多少人工的であっても成立しやすい。

Moveにはストリングスがあるものの、当然マルチサンプルではないので弾き分けたりしすることでの変化は期待できない。

まあ、普通にストリングスの打ち込みはPCでも手間ですけどね。本格的なものではなくて、フレーバー的なものでいくしかない。それっぽく聞こえるフレーズや和音の積み方の工夫やリズムをジャストにしないことでしょうか。

ストリングスのアタックの部分はそれっぽく聞こえるので、演奏してからリリースを短くして対処。

リリース部分やアタックがマスキングされたら嘘くささは減るので、ベースを大きめにして目立たないようにしました。

ミックスやアレンジのテクニックも使って隠蔽している感じですかね…

今回、エレピ的なものがコードを弾いてないので、ストリングスがコード感を担う必要がある。

ベロシティ弱めで音域も低めに配置して目立たないけど鳴ってるくらいのラインを目指しました。

あとはもうリバーブ感があれば生っぽく錯覚するのでリバーブ深めに処理ですね。

昔の質感を出したかったので、サルソウルの一部の楽曲の様に上があんまりないリバーブを掛けました。Decayは長めにしました。

ドラムをらしくきかせる

キックとスネアはステップで入力しました。

バックビートのスネアに関してはらしくしたかったので、Nudgeでレイドバックさせました。微妙なのでこういうジャンルを聞き慣れている人以外なんとも思わないかもしれない。

でも、溜まってないと凄く息苦しくなります。

キックもちょっと突っ込んでるところとか、ディスコ期のドラマーがやってるようなフィールに近づけてみてますね。

キックは当時のバランス考えるベースのほうが重心が低いので、そのあたりの音色、音量のバランスは意識しました。

ハイハットは手打ち。

エッジやチップの叩きわけは無理なので、16pitchesで変化をつけることと、Filter&SetupでVelocity>Filterでベロシティでフィルターの開閉が変わるようにして音色変化を。これはスネアもやりました。

手打ちだと変化が出るので、よりらしくするための昔からのテクニックです。

1つのサンプルから情報量を増やすとしたら、タイミングとベロシティしかないですからね。普通の作曲とは違いますけど、サンプル扱う時の基本的な考え方じゃないでしょうか。

あとは何でしょうかね。

ハイハットオープンのバリエーションが少ないので、2つ作って、ホールドやリリースを調整。クローズとハイハットと同様にFilter&Setupに入り、Velocity>Filterの設定で音色変化があるようにしました。

4つうちでも良かったんですけど、ダッキングもMoveは出来ないので、キックは4つうちにしませんでした。

時間軸上でキックのタイミングを操作してキックがマスキングされないように工夫してます。突っ込んだり。あるいは他の楽器がジャストじゃなかったり。

ファンク的なパターンなのと、ちょっと突っ込んだりベースと完全にシンクロさせてない。

あとはコンプですね。ドラムとマスターでも二段で掛けたのかな。Disco期はかなりコンプが掛かったサウンドが特徴的なので。

ピッチベンドがない問題

Glideがあるベースの音色を選びました。

GlideTimeはフレーズに合わせて設定。ピッチ変化を認識させるように他の楽器のスペースをぬって、フィルイン的にやりました。

あとはGlideが印象的に残るようなフレーズ作成ですかね。

あとは、フィルイン的なフレーズのところはフィルターの開閉を3連的にしたり、情報量を加えたくらいですかね。

演奏のときにいつもやってるようなことですけど、1回目のフィルインと2回目のフィルインでレゾンナンスもちょっと変えたり、フィルターの開き具合を変えています。

鍵盤だったら弾きながら出来ますけど、パッドだと無理なので、演奏してからオートメーションをオーバダブしました。

覚えたこと

Filter&SetupでVelocity>の項目がFilter,Attack以外にもあったことですね。

FX1やFX2にベロシティで変化を加えるならPlayback EffectでPitch Envelopeにしたり色々打楽器に使ってもいけますね。

それこそDisco Laser的なものも作れるかもしれないですね。

こういうのも作れそうではある。書き出して持っていったほうが速いだろうけれど。

あとは、複数ノートのコピーを覚えました。

コピーキーを押しながら、複数ノートを選択、押したままコピー先のステップをオンです。

ゴーストノートのコピーやハイハットロールなどはNoterepeatを使って録音してから、コピーというやり方ならかなり早く出来るんじゃないでしょうか。

まとめ

4トラックでもかなりいろいろなことが出来ることはご理解頂けたのでは…

Move、思っていた以上に可能性があるマシンですよ。

モジュレーションソースをベロシティにすればいろいろなことが出来ますし、縛りと捉えるか、アイデアのためのきっかけと捉えるかでMoveの楽しさは変わるように思います。

今回はMoveが得意ではないところを、アレンジやら演奏やらサンプラーの昔からあるテクニックを動員してオールド・スクールなものを作ってみました。

Ableton友の会のササキさんもMoveを購入されて、Moveの得意なところを活かしたプレイをされてました。

流石ですね… 

ササキさんはフィルターの開き方一発でわかるくらい楽器としてマシンを使いこなされるんですよ。カッコいいなあ。モテ散らかしてる感じがしますね…

Choke,ノートリピート、アフタータッチを活かしたプレイだと思うんですけど、同じ機材でも全くアプローチが違う。Move、ポテンシャルがある機材とわかるんじゃないでしょうか。

ササキさんとDiscordで、今度はササキさんがオールド・スクールなものやって、私がマシンライブ的なアプローチしても面白いなとなりました。こういう技術交換みたいなのは面白いですよねえ。

ササキさんとMoveについて語るとか、動画にしたら面白いかなあ。物凄いテクニックを開発されるので。

既に変拍子を開発しているという…

とんでもないテクニックをすぐ開発されると思います。

また、お題ありで10分、15分など制限時間ありで1ビート作るみたいなのやってもいいなという話が出てます。そのうち友の会の皆さん、週末にでもやりましょうか。笑

友の会ではMoveの人気が上がる一方で、PUSH3スタンドアローンの株が大暴落してます…

アップグレードキットだけでも売りたい気持ちになってきました…

欲しい方いらっしゃったらお声がけください。相場より安くしますので…

PUSH3交換後、一度もスタンドアローンの使用はありません…

インタビューは現在6まであるが、ご覧いただければササキさんがいかに超人かわかると思います。Hardware TechnoLoopsはメチャクチャ使いやすいですよ。
インタビュー分残りがあるので年末年始にまとめられたらいいなあ。

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