DrumbussはAbleton10で新たに搭載されたデバイスです。なかなかに強力です。Abletonはぶっ飛んだエフェクトが多い中で生楽器などにも使えるエフェクトとして使いやすい。
これが付属しているのはちょっと凄いんじゃないでしょうか…
サチュレーション、コンプ、フィルター、トランジェントシェイパーに変わったところではローエンドの強調に使えるところがAbletonらしいところですかね。
簡単にドラムバスで要求されることが出来ます。めちゃくちゃ派手に掛かるところもAbletonらしいですね。
#Abletonだより
— うりなみ (@urinami) February 13, 2024
おばあちゃんよ。
Abletonは一体になに使うかわからないぶっ飛んだエフェクトが多いわよね。
でも、シンプルで使いやすいエフェクトもあるのよ。Drumbussは強力ね。Ableton10で導入されたエフェクトよ。… pic.twitter.com/YwFtgZZx1l
簡単操作で狙った音に持っていきやすい。ドラムのバスに使ってもよし、トランジェントシェイパーはギターなんかに使っても良いんですよ…
味付けは濃いめのエフェクターですので、生楽器に使うときは控えめのほうがいい結果を生むんではないでしょうか…
では構造を見てましょう。
Drumbussの構造
と言っても、そんなに構造は難しいものではないです。大まかには3つしかない。ドライブ・入力と中高域、低域ですね。シンプルです。
最終段にDry/Wetがあってパラレルプロセッシングが出来るようになっています。
まずは赤色に印をつけてあるところから見てましょうか。
左側にインプット関係が集まっていますね。
インプット関係
- Trimは入力レベルの調整。Drumbussに入ったら音量が大きくなるので下げる方向で使うことが多いと思います。
- Compはパラメーター固定のコンプ。割りとアタック早め。程よく圧縮する感じですかね。自動でメイクアップしてくれます。
- 以下の3つはサチュレーションです
- Soft
- Medium
- Hard 歪むのとローが出ます。
- Driveは歪みですね。
ドラムを前に出したいときにサチュレーションを色々掛けたりすると思いますが、Drumbussはこれ単体で歪を選べると言うことですね。
まずは入ってきた信号をTrimなどで調節して、どういう歪みがほしいか考える。シンプルですね。
エフェクティブなものじゃなかったら歪みはSoftでも自分は良いかな…ミックスとかで言われるサチュレーションはSoft位ですかね。しっかりかかってくれます。
リズムマシンなんかだと派手に掛けても音色変化があるので楽しめるんじゃないでしょうか。
倍音付与したいからちょっと掛けるくらいの使い方することが私は多いです。
Hardはもうめちゃくちゃに歪みます…
中高域
緑のところですね。
- Crunch 中高域の歪みです。ドラムだとスネアなんか影響するのがわかるんじゃないでしょうか
- Damp Dampingの略でしょうね。ローパスです。金物がうるさかったりするときに削るのに使います。
- Transient 100hz以上に効くとのことです。+方向ならサステイン(リリース)が強調されます。ー方向ならサステインが減少します。タイトになるということですね。
Crunchはスネアの骨格とかハイハットの下の方の太さなんかに影響するのでお好みで。倍音付与されるので、音像は前に持ってこれますね。
金物など耳障りならDampでカットしていく感じですかね。タイトさはTransientで決めるという順番でやると素早く音作りできると思います。
ギターに使ってみました。効果がわかりやすいようにやっています。
サステインをカットしたり、伸ばしたりすることも出来るのもわかりますね。Compで適度に潰して、サチュレーションが乗ってるから音像が前に出るのがわかるんではないでしょうか。
ギターに使ってみたわよ。
CompとTransient,Damping調節すればこういうファンク系ギターにも使えるわね。
なかなか活用範囲は広いわよ。簡単でいいわね… pic.twitter.com/flTcq4GS1A
— うりなみ (@urinami) February 13, 2024
ちょっとトランジェントシェイパーとして変わっているところがあります。
マニュアルを見ると、Transientはサステインのコントロールであって、正の方向、負の方向に行ってもアタックは増すという文言があるんですね。
コンプでアタック丸めるからという割り切りなんでしょうね。まあ、ドラム中心ならそのほうが扱いやすいですし。
このあたり、Abletonの姿勢がわかりますね。実際使うとき、それで問題はないでしょうし。
低域
- Boom レゾナントの度合い。どれくらい低域を強調するかですね。さり気なくからめちゃくちゃにもできます。
- Freq ローを加える周波数を決定します。ノートに設定でキーに合わせることが出来ます。
- Decay ローの減衰率
Boomもなかなか面白い。Decayがなかったら物凄く使いにくかったと思います。これは設計の勝利ですね。
オールド・スクールなものだと音程感出たらベースとぶつかってしまうし、そもそも転調したら大惨事ですからね。
低域は強調したいからBoomを上げるけれど、キックのサステインはいらないという場合はDecayを小さな値にすれば良いわけですね。オールド・スクールなものだけれども低域加えたいときに嫌味なく処理出来ます。
こういうことが直感的に出来るのは素晴らしいです…
まとめ
簡単操作でドラム全体の処理にも使えるし、ギターやプラック系の音色をタイトにするのにも使えますし、なかなか使い出があるエフェクターです。
細かいことをやるときは流石に専用のトランジェントシェイパーやコンプを使ったほうが好みのものが作れると思います。タイトにするならゲートでも出来る、
ですが、コンプもよくわからないし、サチュレーションも今ひとつわからない…
でもドラムに迫力があるようにしたり、ちょっと余韻やルーム感を調節したいけど皆目検討がつかない。
そういう人はCompとサチュレーションを使って迫力を出して、タイトにしたいかをTransientで調節すればいい。
実に簡単ですね…
固定コンプもいろいろ追い込みたい人にはちょっと物足りないかも知れませんが、ダンスミュージックのドラムで求められるコンプ感ってこういう感じだよな、確かにという作り方。
何よりさっと形に出来るのは素晴らしい…
強烈に掛かるので、生楽器に使うときには控えめに使うといい感じになるなという印象ですね。
別にローをいじらなかったらどんなソースでも使えると思います。Trimを調整して、歪み系を控えめにすれば、思ったより多くのソースに使えるんではないでしょうか。
サチュレーション+EQ+コンプ+トランジェントシェイパーみたいに使えるのはギターに使った動画御覧頂いたらわかるのではないでしょうか。
まあ、そういう使い方はあんまり想定してないかもしれません。むちゃくちゃ潰して、パラレルプロセッシング少し加えるというのも質感付与にもいいですね。
シンプルなだけにいろいろ使えます。Abletonの近年のエフェクトの中ではお気に入りです。
Drumbuss、なかなか良いですよ!
マルチバンドで使えるSoftubeのものもお気に入り。Softubeは自動でゲインを合わせられるので騙されること無くて良いです…
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