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Chromatoneを触って気づいたこと

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Chromatoneを触って気づいたこと

2021/10/04

別のサイトで書いた記事です。そのサイトを閉じるつもりなのですが、Chromatoneは本当に素晴らしい楽器だと思いますのでこちらに記事を残しておきます。


Chromatone、12キーでとりあえず弾いて、気づいたことが沢山あるので書いていきます。

前回の記事ともかぶるところはたくさんありますが、新しい楽器を学ぶときの記録としても残しておきたい。

結論から言うと、ハーモニーを理解し、音程感をつけるのにChromatoneは最高の楽器だと思いました。そして、ハーモニーを理解するのなら、五線譜は必ずしも必要ない。

クロマチック・ノーテーションのほうがずっと理解するのは早い。

鍵盤がメインでない管楽器奏者、ギタリストやベーシスト、シンガーには本当に強力な武器になります。

え、楽器弾けるのに習得する価値があるのかって?

習得する価値、十二分にあると思いました。

ハーモニーを理解するコストを下げる

ハーモニーを理解するのに、Chromatoneはコストを引き下げてくれます。Chromatoneだけでもめちゃくちゃわかりやすいと思いますが、クロマチック・ノーテーションと組み合わせるともっと理解は容易になる。

なぜか。

これ、ちょっと見てください。メジャーⅡⅤⅠのケーデンスですね。キーがCに統一してあるからまだ読みやすい譜面ですけど、ちょっとコードを覚えてみたいなあという人には敷居が高い。

ハーモニーは極限すると、インターバルを理解すればいいわけです。理論なんでやるのかって言ったらこういうサウンドになるからって理解するためじゃないですか。

譜面見て、すぐに音を出して、音程の関係をスムーズに理解できたらいい。

ハーモニーを学ぶときに障害になるのは、読譜だと思います。

五線譜だとCの位置ですら一定でない。特にギターや管楽器をやっている人はヘ音記号を読むのは慣れるまで大変なはずです。

ハーモニーを学ぶのと違うところで必要とされる知識が多い。その手間がなかったら、ハーモニーを学ぶのはすごく楽になるはずです。

3線譜ならオクターブ内の位置関係をおぼえればいいだけ。

クロマチックノーテーション(3線譜)

ムトウ音楽メソッド公式サイトより引用

謎譜面に思えると思うんですが、変化記号をつけないこと得られるメリットは絶大です。そして、これ、音程が正確に一致してるんですよ。完璧なピアノロールと言ったほうが通じるのかもしれないですね。

どういうことか。

ムトウ音楽メソッド公式サイトより引用

コロンブスの卵的というか、オクターブを数字で表すんです。これなら、1オクターブ内の音は常に同じ位置。だから譜読みの負担は激減しますね。

特に、オンベースなんかト音記号しかやってなかったら理解するのは難しい。さっきの譜面もそうですね。

あと、ローインターバル・リミットを理解するのもクロマチック・ノーテーションなら簡単ですね。

対位法やったりするときも、結局の所相互の度数がわかる必要がある。音程が正確に見えることは本当に楽です。

ピアノロールと完全対応している

え、どういう意味って思いますよね。こういうことです。

ムトウ音楽メソッド公式サイトより引用

今、音楽をやるのに、楽器を触ったことがないという人もたくさんいますよね。

でも、打ち込みはやっている。一番身近なものはピアノロールではないかと。

ChromatoneやWholetone Revolutionは縦にしたらピアノロールと同じですね。

ですから、好きなMIDIデータをピアノロール上で見てから弾くことだって出来ますね。Chromatoneの場合、ピアノロールと手形が完全に一致してるわけですからね。

鍵盤なら難しいことですけど。

そしてピアノロールのメリットは、音程と譜面が一定すること。でも、インターバルが短9度とかだったらどうでしょう。パーカーフレーズとか分析するとよく出てくるやつです。

結構きついですね。クロマチックノーテーションだと、オクターブ表記と線がある分直感的にわかりやすいです。完璧なピアノロールと言ったのはそういう意味です。

12音の一つずつの音に名前をついているので、図形的にも認識できます。12個だけ覚えればいいだけなんで、アルファベットより簡単ですね。

初見で歌える可能性がある

これねえ、初見で歌える可能性があがりますよ。

何を言ってるんだと感じると思うんですが、クロマチックノーテーションで書かれたものなら、相対音感ある人なら普通に歌えるようになるんじゃないかと思いました。

音程関係が正確に見えるからその響きを覚えればできる。ホーン奏者やボーカリストは嬉しいと思うんですよね。特に。

もちろんこれでは手の形に無理があるから、高速には弾けません。

五線譜で学んで、大人からやったら普通初見で歌うのは無理とは言わないけどきついと思うんです。

ですがChromatoneとクロマチックノーテーションならできる可能性が充分あると思います。

Chromatoneとクロマチックノーテーションを使ったら、相対音感はめちゃくちゃ鍛えられますしね。

だって見た目と音と弾く場所が同じですからね…

即興的にボーカルのハーモニーつけたりするのも楽になるんじゃないかと。

ポジションマークが最小限なのが自由

Chromatone

これ、ポジションマークがないのがいいんです。一応上の黒い点がありますね。

というか、ないことで得られる自由とメリットが物凄く大きい。どういうことか。視覚的なイメージが変化しないということです。

黒鍵と白鍵があることで、色に引きずられることってあります。

64パッドも凄く可能性感じてるんですが、スケール表示は正直邪魔です。ダイアトニックだけの音楽やるならいいんですけど、そうじゃない場合は視覚的にうるさいこと、結構あると思います。

例えば、コンテンポラリーなジャズやりたい人がCmaj7(9,#11、13)みたいなコードを弾きたいとします。

これ、要するにCmaj7にDメジャートライアドを乗っけたわけですね。アッパー・ストラクチャー・トライアドです。コードのエクステンションを理解しないとジャズ的なアドリブはむずかしいですよね。

ギタリストは、比較的簡単に弾ける。全音上のメジャートライアド弾けばいいと認識すればいいわけですから。

鍵盤の人はちょっと大変ですね。Bmaj7(9,#11,13)を弾けと言ったときに、全音上のトライアドを足すのもきつい。フィンガリングも変わってきますしね。黒鍵と白鍵が入り交じると視覚的なイメージが変わってしまいます。

鍵盤やったときに一番苦労したのはこれです。ハーモニーも理論も勉強してから鍵盤を覚えなきゃいけなかったので、めちゃくちゃだるかったですね…

ギターの場合はコードネームから弾くのは簡単ですけど、譜面にするのが大変ですね。

ポジション複数あるし、音名を把握するのにキーを考えなきゃいけない。

非機能的と言われるようなコード進行の音楽は多いじゃないですか。ヒップホップとか、モーダルなのとか、いちいち変化記号つけるより、実音で書いてあって、音程がわかっていればいい。

頭の中では、何度離れたところに行ってるとか考えてプレイしますよね。

Chromatoneとクロマチック・ノーテーションなら関係ないわけです。びっくりしました。

Chromatoneだと、相対的な位置関係そのままに弾けます。

12音に音名が与えられていて、しかも音程関係は五線譜と違って完全に一致してる。目に見えているもの、譜面、音が全部一致してるわけです。

ギターとピアノのメリット両方あるような感じですね。

Chromatoneがポジションマークをつけないのは、転調が多い場合にも対応しやすいからです。

これ、黒鍵や白鍵があったら混乱しやすいですよ。視覚的にうるさい。

ポジション見つけにくいと思うかもしれないですけど、上のクロマチックの鍵盤部分見たらそんなに難しくないです。いや、本当に。

キーがたくさんあることで演奏とハーモニーが楽になった

Chromatone、キーが多くて大変だと思った人もいると思うんですが、そうではないんですよね。

私もはじめコードフォームを弾きやすい形でやればいいと思って、サイトからダウンロードしたんですが、ちょっとむずかしいなと感じました。

でも、ああ、演奏することを考えないのならまず、下の1,2段だけでまず考えようと。

ですが、Chromatoneは、1段目、3段目、5段目は同一の音。2段めと4段目が同じ音だと理解していればいいだけです。はじめに構成音確認してから自由に弾けばいいですね。

私の場合はまず下の1,2段でインターバル確認してからやりやすいフィンガリングにしていこうと思います。

これ横5列あることで、無理がないフィンガリングができる。しかも、クロマチックの部分を見ると、音程はわかります。

Chromatone クロマチック鍵盤

ここがクロマチックのキーボードになってるんですね。

Cmaj7を押さえてみます。

ちょっと写真の角度があれなんですが、クロマチックの部分が沈みこんでますね。

他のキーボードでも、ホールトーンを組み合わせたものはあるようですが、決定的に違う。

このクロマチックとホールトーンの組み合わせがあるから、楽なんです。ポジションで迷わない。クロマチック部分見ればわかりますしね。

譜面と音と鍵盤が一致する。

他のキーボードでは結局の所クロマチック部分がない。だから、フィンガリングで迷うはずです。

半音違いのホールトーンの組み合わせだけでは到達しないんです。似てても全然違うはずです。

実際まとまった時間触ってみたら可能性わかると思うんですけどね。

この凄さは記譜法を含めてのもので、単に楽器として価値があるだけじゃないです。

そして、黒鍵、白鍵のイメージに引っ張られないから、純粋に音だけ聞いてインプロできるようになると思います。

ポジションマークが最低限だから自由なのは転調が多い曲をやったらわかるのではないかと。

クロマチックノーテーションをそのまま楽器にしたということは、言葉にすると物凄く単純なんですけど、とんでもないなと思いました。

まとめ

仕組みはある程度わかった。もっと触ったら色々発見があるでしょうね。楽しみです。

もう少し触ってみてから徹底的にトライアドの練習をします。新しい楽器を始めるときの基本ですね。

その上で、もう一度バイエルからやり直す。クロマチック・ノーテーションに慣れたい。

コードはおそらく苦労しないんで、楽器特有のフィンガリングを覚える。でも、合理的な楽器なので習得コストは圧倒的に低いはず。

そして、楽器になれたら、いろんなボイシング試してみます。

ピアノロールとクロマチック・ノーテーションでボイシングやよくあるケーデンスの記事なんか作ってもいいかもしれない。

五線譜で学習するよりずっと早いし、エンハーモニックなものの理解も一発でできる。

サブドミナントマイナーの代理なんか、クロマチック・ノーテーションとChromatoneがあったら、視覚的にも一発理解できる。共通音見えますからね。すごすぎて笑えます。

言葉ばっかりであれなんですけど、本当に凄いことなんですよ。

譜面と聴覚とフィンガリングが一致するというのは。

これを目指してプレイヤーは一生訓練するわけですから。何の矛盾もない。

若いときに知っていれば今よりずっとマシなプレイヤーになれたと思います。

ChromatoneやWholetone Revolutionは多分先進的過ぎた。

DAWでピアノロールの時代だから、演奏できないけど、理論を学びたいという人がたくさんいることはわかった。そういう人には本当に刺さるはずです。

今だからこそ真価が理解される土壌が整ってきたのかもしれないですね。

演奏するだけがChromatoneやWholetone Revolutionの持ち味じゃない。

音楽を理解するのに素晴らしい楽器です。

これ、ちゃんと触って弾いたらクロマチック・ノーテーション含めて可能性が見えると思います。とりあえず触って三日目の感想でした。

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