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AutoFilterでワウペダルを作ろう

Ableton
この記事は約9分で読めます。

ギタリスト向けです。いや、私はペットでも使うという方はファンクフレンズですね。友達になりましょう…

ファンク系最重要エフェクターと言って過言ではないワウペダル、もちろんAbleton付属でも作ることが可能です。

なんら難しいことはないのですが、Abletonを使っていない人にとってはちょっと手間になることもあるかもしれませんので書いておきます。

Abletonには付属のWah Pedalというプリセットがありますので、それよりもっと自分好みのワウを作りたいという人に向けた記事ですね。こういうものが簡単に作れるのがAbletonの面白さですので。

ワウペダルとは

エフェクターの中でも最も単純な仕組みと言っていいのではないでしょうか。

ペダルを動かすことによって可変抵抗器が動き、フィルターのカットオフ周波数が動く仕組みになっています。足で動かすという原始的な仕組みです。一般的には踏み込むと高音域が強調されます。肉声のようにしたいときには半分くらいに踏み込んでというのも基本的な技術ですね。

入力信号に対して反応するのがオートワウ・エンベロープ・フィルターと呼ばれるものです。

様々な使用例があります。フィルターごとの特徴なども。エンベロープフィルター、特にLPフィルターを使う時にうまくいく方法を書いてあります。BPフィルターなら問題ないんですけどね…

インダクタでいろいろ音色が変わったり、ワウマニアには楽しい沼の世界なのですが、今回は割愛します。何処かでやれたらいいな。何処に行くんでしょうね。このブログ。

ワウペダルを設定するのに押さえておく必要があること

  • フィルターの種類
  • レゾナンス
  • 周波数
  • マッピング
  • 音量

この5点くらいですかね。

フィルターの種類

フィルターの種類に関してはBP、バンドパスフィルターを選びます。一般的なワウペダルはバンドパスフィルターですので。

こちらがバンドパスフィルタです。

ワウが音痩せするというのは一目瞭然ですね。バンドパスフィルターは指定した幅(バンド)のみ音を通すわけですから。

BPフィルターが選択できるのは、OSRとCleanです。詳細はEnvelope Filterの記事をご覧ください…

フィルターは2pole(12dB)と4Pole(24dB)が選択できます。フィルターの切れ味はいいほうがいいというわけでもない。太いものにしたかったら2Poleの物を選んでもいいと思います。

OSRにはDriveがあるので、歪ませられる。

当然音量は小さくなります。そのため、後段などにUtiltyを入れたりして、ボリュームのバランスを取ることが必要になると思います。今回はRackでボリュームを調整する方法を採用します。Utilityのほうが色々できますけど。

レゾナンス

カットオフ周波数を強調するポイントです。これは実機の場合だとそれぞれかなり違うわけです。ピーキーなワウを作りたいなら、こちらの値を高くすればいいですね。50%前後くらいから調整するとわかりやすいと思います。

周波数

ここが最大の肝になります。ワウペダルはフィルターが全帯域を対象とするわけではありません。そういうのだと使い物にならんのや…

WHシリーズはファンクギタリストでも偏執的に好きな人がいるワウですね。ベースモードもあるちょっと特徴的なワウです。初代の実機は5台以上は使い潰しました…

公式ではギターの帯域をGuitar(350Hz~2.2kHz)とBass(175Hz~1.1kHz)に使い分けられるモードがあるとしています。古いタイプのワウだともうちょっとレンジが狭かったりするのでこれを目安に設定します。

WHシリーズはResonanceも変えられるタイプのワウで珍しいですね。ほとんどのワウはレゾナンスは固定です。

話を戻します。

このままではフィルターは全帯域を対象とすることになってしまいますね。それでは使い物にならない…絶望です…

範囲を限定したい。そういう場合はどうするか。

こういう場合はRack化すればいいです。Cmd+gでグループ化、もしくは右クリックして選択します。

次に、周波数をマッピングしていきます。

  • Mapをクリック
  • Frequencyをクリック
  • Macroのマップボタンをクリック

これだと、マッピングはされていますが、周波数は設定されていません。

マクロマッピングで数値を入力します。

エクスプレッションペダルにマッピングする

ここからは実際に踏んでコントロールしたい人向けです。

私はオン・オフを含めてコントロールしたいので、EV-1-WLでマッピングします。普通に鍵盤からエクスプレッションペダルを繋いでいる方は、繋いでる鍵盤を環境設定でリモートにして下さい。

ITBでやりたいなら買ってしまえといいたい便利アイテム。踏み込んでオン・オフのマッピングもできるのは嬉しいのではないでしょうか。
Input Portsで環境設定でリモートをオンにする。これをオンにしていないと、マッピングできないので注意。

エクスプレッションペダルにMIDIマッピングします。

右上のMIDIをクリックしてMIDIマッピングモードにします。

Frequencyをクリックしてエクスプレッションペダルを踏み込むとマッピングできます。

EV-1-WLの場合は、オンオフもマッピングできます。オートフィルターのデバイスアクティベーター(オン・オフ)を同様にMIDIマッピングしても良いのではないでしょうか。

PUSH3スタンドアローン単体でパフォーマンスしたい方、互換性、負荷などを考えると純正で作れると重宝することあると思います。EV-1-WLはええんですよ。これしかPUSH3に直接接続できるものないですから。

ソロなど途中で踏まないとテンションが上がらんのやという方は、オン・オフのマッピングも一台で出来るEV-1-WLはええですよ。

PUSH2なら、Expressionペダルを繋いで使うことが出来ます。M4Lが必要なのでSuiteしか使えないのですが…

調整

周波数なんかは好みで変えて下さい。というか変えてなんぼです。

実機だったらワウのかみ合わせを変えたりして掛かり方変えますよね。ああいうことをやるともっと楽しくなりますね。シングルコイルとハムバッキングなんかでも美味しいところ変わりますよね。複数のワウを使い分けていたのが簡単に出来るのはいいことですね。

このままだとボリュームが小さいわけですから、ちょっと使いづらい…

チェーンリストを表示してゲインを調整します。これでは全然ゲインがたりんのやという方は、後段にUtiltyをいれて、ボリュームを調整してみて下さい…

単体でやりたかったらチェーンのところを変更する。マックスが6dBなので、物によってはゲインが足りないかもしれない。Utilityは36dBまでゲインを上げられる。

更にカスタムしたい場合

後段にPedalやサチュレーションを置いて、歪み系のワウにしたり、パラレルにして実音を残すようなやり方もありますね。太さを残してワウを掛かるようにするのはレコーディングなどではまあまあ扱われるテクニックではないでしょうか。

エンベロープフィルターでは多いようなLPフィルターにしてみて、開閉だけやっているとか、いろんな実験が出来ますね。

こういうチェーンにしてみました。まあ、普通ですね…ギターのペダル的な感じですね。

ジミヘンみたいな感じにしたかったらPedalをFuzzにするのもありですね。

PedalでSubをオンにしておくと太さが残せる。フィルターのエンベロープを変えるような効果がある。薄いファンク系ワウにしたいならばオフにするといいだろう。歪ませるとどうしても高音がピーキーで耳が痛くなるので、トレブルを削っている。GainはUtilityにマッピングしてチェーンで不足するゲインを補う設定にしている。

え、さっきに比べてだいぶ周波数を上にとってるやんと思われるかもしれませんけど、足首が悪いのでさっと動かせる範囲が狭い。ですのでこういう設定にしています。こういう工夫が出来るので、実機よりある意味融通が効きますね。

ワウペダルを作るのも楽しいですね!


追記:2024/07/22

今回の記事で作ったWH10を模したワウです。実機とはもちろん異なりますが、なかなか悪くないと思います。

Pedal入れてあるので、Suiteでしか使えません。アンプ・シミュレーターなどなしに使えるのがメリットですかね。あと、トラブルがあって、純正しか使えない環境とかでもあると便利かも。

動画にあげているものでワウが掛かってるものはほとんどこれです。

追記:2024/05/13

歪みの設定など、いくつか違ったバージョンを保管しておきたい時はMacro Variationsは大変便利です。

追記:2024/05/13

フィルター部分だけもエフェクトとして使えるので、この部分だけワウとしてRack化してある。エンベロープフィルターとしても使えるので、オールドスクールなものが好きな人には激推しです…

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