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The Jazz Harmony Book メロディとコードを結びつけるために知っておくべきこと

音楽
この記事は約8分で読めます。

日本語版が出たので購入。自分のメモなので皆さんのお役には立ちません…

ドラマーとオルガンで輪読会を5年くらいやっていた。

ブログを更新してなかった間はピアノばっかり弾いていたのだが、この時Mark LevineのDrop2のものをパッドに置き換えるのとこちらを重点的に勉強していた。

ピアノ弾く人は洋書のほうがリング綴じだから使いやすいかもしれない。

今後のハードコア・パッドスタイルのなかでおすすめ書籍とするか、これを底本としてより、ファンク、ソウル、R&B,ブルースなどに拡張して説明するか考えたい。まあ、自分がやるなら後者か。

メロディに対してハモるというコンセプトは、ジャズ系では少ない。特徴としてはこの手の書籍としては珍しく、思考のプロセスがしっかりと言語化してあるところだ。自分以外の人間がどう捉えているかでものの見方が大きく進歩することがある。

ちなみに私はスケールのことを”あるメロディ音をハーモナイズするために使用可能な音の集まり”として捉える事を好みます。

The Jazz Harmony Book P121より引用

ハッとした。

思えば、師匠は、レッスンの1回目に「コードとスケールは同じことや、わかってるよな」という事を言ったのを思い出した。

わかるかよ…

でも、あの初回のレッスンが自分のハーモニー観を作ったと言える。モードの接続をうまくさせたかったんだろうな。

そしてスケール・コードを等価に扱って学ぶという実験だったんだろう。癪ではあるけれど、自分は師匠の設計図通りにある程度なった。途中までは。

Dさんではなくて、私が師匠の教室を引き継いだのはこういうところにあるんだろう。パッドの4和音の捉え方は自分以外はやっている人間は存在しない。まあ、誰もパッドでやろうとはしないんだろうけど…

別に大人だろうが、40超えていようがパッドなら学び、演奏することは出来る。

これは、師匠が譜読みと聴覚を一致させるために自分をトレーニングするためにやったものの転用。

ただ、ギターでは瞬間的にこう分解するのはかなり負荷が高いから、まっさらな自分に試したのかもしれない。

他の書籍との使い分け

The Jazz Harmony Bookは面白いんだけれど、どうするか。

The Jazz Theory Bookのほうがもちろん体系的だし、スタンダードの譜例が多いから、理論を俯瞰するにはいい。

こっちは著作権考慮せざるをえないから筆者のオリジナルが多くなったという経緯のようなので(本文から読み取れる限り)、人によってはマイナスに感じるかもしれない。

筆者のオリジナルで意図は通じるから個人的には問題ないと思うけれど。ここは好みは分かれるのかな。

譜例と音源が違うのもあるけど、こういう音楽だし、譜面見ていれば十分わかる。

ただ、全部はやっぱり、ジャズ的な手法まで含めて全部パッドで弾きたいという人にしかやれないか…

メイン楽器がある人ならおすすめという方針かな。つまめるところだけつまむのでも十分いいテキストだけれど。

The Jazz Theory Bookもいいんだけれど、あれは青チャート全部やればだいたい分かるやろっていうようなもんだからな…

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挫折率ナンバーワンではないかしら…

これも面白いんだけれど、ホーン・アレンジに主眼が置かれているので、人を選ぶ。

全然ピアノで弾くのでも学べるところはあるんだけれど。パッドを使うのでももちろん出来る。

三井田くんしかもうこういう内容やらないだろうし、そもそも、ファンク系だとこれも全部必要というわけではない。ただ、辞書的にはあると便利ではある。

アヴォイドとアプローチノートの例もいいんだよなあ。フリジアンのところは特にいい。とにかく音源がいいんだよなあ。多くの人はホーンそのものに馴染みが無いだろうし。

The Jazz Harmony Bookは大学の講義をもとにしているので、当然基本的な知識はあるのが前提。譜例はそんなに難しくないと思うが、ピアノが弾けない人には厳しいかもしれない。

やっぱり白眉は9章。ビパップ・スケールから導き出すダイアトニック・コードという観点は特に面白かった。これ読むまで、使ってはいるけれど、論理的に使えているとはとても言えなかった。

応用範囲が広すぎるので、まだまだ学習の必要はある。

ゴスペルで、トニックとサブドミナントだけでメロディをハーモナイズするという手法もこう考えれば、理論的に説明できる。ディミニッシュでハモるパターンも弾けるし、言語化は出来てたけど、何故かという説明は出来てなかった。

結局のところビパップ・スケール群をまとめたら、ブルース・スケールの拡張ということになりそうではある。もうちょっと考えたい。

非常に興味深かったけど、ここはあまりにも一般的なダイアトニック・コードの世界観に慣れている人間にはめちゃくちゃ大変。ここだけで3年くらいみんなでやっていたもんな。まあ、集まった時だけしかやってなかったけれども。

弾けるほうが大事だから、自分の引き出しとしてだけしておくか。

パッドだと視覚化が出来るから、ピアノのような困難さは無いんだけれど。

こっちも面白かったけど、パッドでやるのはいくらなんでもハードコアすぎるしなあ。

The Jazz Harmony BookのAPPENDIX Bを洋書では読み飛ばしていたのがもったいなかった。

ノン・キーボーディストでもこれくらいは基本的に出来てほしいというのはやっぱりメイン楽器がある人には厳しいんだよなあ。でも、確かにその通りではある。

ではジャズ・ハーモニーの勉強を進めるために必要なピアノのスキルとはどのようなものでしょう。

それは何よりもまず、スタンダードのリード・シートを見て、それなりにピアニスティックな演奏をする能力です。

“それなりにピアニスティックな演奏”とは、リード・シート上のコード・ネームから適切なコード・トーンとテンションを読み取り、それを“ピアノに適した音域かつクリアに鳴るボイシング”で演奏することを意味します。

“ピアノに適した音域かつクリアに鳴るボイシング”とは難しいことのように聞こえるかもしれませんが、少なくとも概念的には非常に単純です。それは次のようにして得ることができます。

ルートを音域的に低めに設定する(ピアノの中央Cのおよそ4度下からさらに1オクターブ下位の範囲)

そのルートの上のコードの7thと3rdを置く(ただしルートから離れすぎない)

ディミニッシュ7thコード、あるいはマイナー7th♭5コードなどのように♭thにフラットやシャープがつけられた7thコードの場合は5thをその指示に従わせる

メロディを演奏する場合はトップ・ノートをメロディ音にする

テンションをコード・トーンの上(9thの場合は下も可)に追加する

これだけでも、それなりにピアニスティックなサウンドに聞こえるはずです。おめでとう!

The Jazz Harmony Book P218~219 より引用

これを12キー弾けるようにならないと、最低限曲の構造は分析できない。パッドだと教えたら一日で出来る。173のシェルボイシングで出来るから。この効率性はパッドが一番だろう。137も作ってあるし。

もちろん、基本的な部分を理解する以外にも身につけるべきスキルはあります。ピアノ上のボイシングの見た目とサウンドに慣れること、またすべてのキーにおいて、指の配置とそこから受ける印象が少しずつ異なるといった難しい現実にも対処しなければなりません。

ピアノ初心者は、次のようなプロセスに従って練習を進めるといいでしょう。

  1. 一般的なコードのコード・トーンをすべてのキーで見つけ、ルート・ポジション(ルート・3rd・5th・7th)でそれらを演奏する
  2. 一般的なコードをオープン・ルート・ポジションのボイシングで演奏する
  3. 一般的なコードで最も頻繁に使用されるテンションを見つけ、3度を積み重ねた状態で演奏する
  4. オープン・ルート・ポジションのボイシングで、コード・トーンと一般的なコードのテンションの組み合わせを演奏する
  5. メロディをボイシングのトップ・ノートとし、メロディの下にコードの3rdを右手で演奏。ルートを最低音とし7thまたは6th(トライアドの場合5th)を左手で演奏する ステップ3で説明したように♭thを演奏するが、メロディ音の下、かつ3rdの上に右手で(例外もある)テンションを追加する(9thは3rdの上または下に足すことも可)
  6. その先のレベルを望むなら、ボイス・リーディングを考慮してここまでのメソッドを調整し、右手の役割を変更する
  7. さらに先のレベルを望むなら、一般的なルート・ポジションの上に上部構造を使うボイシングを学ぶ
  8. さらに高いレベルを望むなら、ベース・プレイヤーとの演奏時に用いる、ルートを省略した左手用のボイシングを使用したり、そのボイシングを右手で用いて左手でベース・ノートを弾くことも学ぶ

The Jazz Harmony Book P281より引用

6はやってあるし、8も一部メンバーシップのほうでは説明してある。7はUSTだからパッドならすぐ。

バド・パウエルボイシングなんかはやってないけど。173,137はやってあるからすぐ出来る。251やれば左手用のボイシングも出来るから、あと4回くらいで分析のための手法は完成できるはず。

ボイスリーディングを考慮したパターンをたったあれだけの分量で出来るように体系化したのは上手いこと出来たと思う。自賛になるけど。

普通からしたら超分量かもしれないけれど、楽器奏者向きで譜面を使えないという縛りを考えればよくこれくらいで収められてるとは思う。

手間はめちゃくちゃに掛かるんだけれど、ピアノなら1年掛かっても大人だとゼロからだと無理なレベルまでは行ける内容になった。

The Jazz Harmony Bookも出来るだけ譜面をシンプルにという強い意志を感じる。

とは言え、鍵盤を弾けない人には難しいようだ。うーん。これ以上シンプルにするのは難しいよなあ…

パッドでどこまでやるか。もうちょっと初心者が楽しめるくらいの情報量に制限して考える。

テンションなどの仕組みと、25の鍵盤的なA/Bボイシングはパッドだと見た瞬間覚えられる。そのあたりまでがノン・キーボディスト向けかな。

4度堆積やハイブリッドコード化なんかは今のブラック・ミュージックやるなら知っておきたいけど、ポップスやるのに必要もないしなあ。本編でやるか。

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