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絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

無理ない暮らし
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今まで読書メモはブログには載せていなかったんですけど、これからはブログにも書いておくことにします。感想を書かなくてもこの時に何を読んでいたかの備忘録にはなりますしね。引用などは自分のメモなのでページ数だけ付けておこうと思ってます。

2019年のノーベル経済学賞を受賞した二人による著作。

思想的にも経済的に二極化が進みつつあるなかで、社会的な紐帯を保つことは出来るのかという問いに対して一つ一つ誠実に答えている本だった。他の経済学者の知見やデータなどもあり、専門外の人間にも読みやすい。

印象に残ったのは特に4章、好きなもの・欲しい物・必要なもの。

お互いの言うことに耳を貸さなくなったら、民主主義は意味を失い、選挙は次第に部族投票のような様相を呈してくるだろう。みんなが自分の部族に忠誠を尽くし、政治的主張を注意深く聞いて判断するのではなく、とにかく同じ部族の候補者に票を投じるようになる。

P199

ネットの普及によってエコー・チェンバー効果はますます強くなり、相互理解は難しくなる。ネットが新たな公共空間になると期待された時期もあったが、レコメンドやフェイク・ニュースの増大でもはや機能していない。

が、希望がないわけではない。ニュースの配信元を自分で選んだ場合には党派色が薄れる。自分のソースのバイアスを理解しているからと筆者は想定している。

が、選択を容易にさせるようなシステムを作れるかという難しいか。ナッジ的なものをすべてのニュースサイトに実装は現実的ではないし、それもパターナリズムではないか。

ネットニュースのビジネスモデルからそもそもそれが成立しにくいように思える。分断に対抗するのは接触効果。教育ということになるか。ただ、効果があるものがわかっているのは希望ではある。

移民問題で雇用が奪われるかということについても一般的なイメージと異なる記述があったのも興味深かった。そもそも移民になることを多くの人は好まないし、移民そのものも有効需要であるということ。それは当然そうだ。

個人のレベルで何が出来るかということにどう落とし込めるか。自分は病気がある人間だけのチームでやれるか挑戦したことがあったが難しかった。活かせることはないか。考えたい。

脚注だけで600を超えるボリュームがあるので、しばらくは読んで気づいたことなど書き連ねることにする。

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