Launchpad Xを買ってしばらく経ちました。
PUSH2を持っているのにわざわざLaunchpad Xを購入する人は少ないと思うので、購入した理由と、AbletonPUSH2との比較を書いてみます。まあ、買わんよね。普通…
PUSHのメリットについてはいままで多く書いてきました。
Launchpad Xを購入した理由
音域を拡張したかったからです。LaunchPAD Xの購入を考える方は、64パッドでフィンガードラムがしたい、あるいは64パッドでコードやメロディを弾きたいという方が多いんではないでしょうか。
AbletonPUSH2をメインのMIDIコントローラーとして使っている理由は、コンパクトな機材だからなんですね。
以前は出張が多い仕事をしていました。鍵盤を持ち歩くことも試したことがあるのですが、流石に体力的に厳しい。
AbletonPUSH2であれば、ミックスも出来るし、4度のクロマチックならコードもメロディも弾けます。
なんですけど、4度のクロマチックにすると3オクターブ半なんですね。音域が。そうなると、ちょっとピアノ的なプレイをすることが厳しい。
それと、メロディを右手で弾いて、左手でコードを演奏するというピアノで当たり前のことが難しいんですね。
ラグタイムギター弾くみたいな難しさや、ジャズのソロギター弾くみたいな難しさと言えばいいんでしょうか。フィンガリングをめちゃくちゃ工夫しないといけない。鍵盤弾けって、そうなんですけど、浪漫だから…
もちろん、ステップ入力ならAbletonPUSH2だけでも問題ない。でも、できるなら演奏して作るようにしたい。それが購入した理由です。
Launchpad Xのいいところ
Abletonのヘビーユーザーで、ミックスもしたい、Liveloopingもしたい、アレンジメントビューでもフル活用したいと言うならPUSH2が最高の選択肢だと思います。
価格が全く違うので、比較するのはフェアじゃないと思いますが、Launchpad XがAbletonPUSH2よりいいところはあります。
軽い
え、それメリットなのと思うかもしれませんが、移動が多い人にはメリットです。LaunchpadXは825g。これなら気軽に出先に持っていけます。PUSH2は2710gあります。
本当、年取ってくると100g重いだけでもしんどいですからね。いや、ホンマに…
USB-Cで接続できる
パッドで全部完結しようと思うと気軽に演奏しようと思った時、64パッドの機材はPCと接続するしかなかったわけですけど、iOSなら接続できる。これはメリットですね。
レイアウトを変えるのが簡単
これは色々言われていますけれどComponentというものを使って、MIDIノートなど様々アサインできるのでアイデア次第でいろいろ出来ると思います。
感度がいい
正直、これだけで購入してもいいですね。AbletonPUSH2より感度は上です。
鍵盤的なプレイをする時に、これはやりやすいです。AbletonPUSH2でも充分ですけどね。感度は調整できますから。
パッドが小さい
鍵盤的に弾くときにはメリットになります。もっと小さくてもいいかな。パッドのメリットは片手で広いインターバルを弾けることにあります。10度は4度のクロマチックモードなら楽勝で弾けます。13thは手が小さい女性でもパッドなら弾けます。2オクターブ上が左手で押さえられるのは、鍵盤弾く人には面白いんではないでしょうか。
グリスが楽
パッドの高さがないのと、間隔がPUSH2より狭いことです。パッドでクロマチックアプローチをしまくりたいジャズ好きな人は大興奮ではないでしょうか。そんな人が実在するかはわかりませんが…
MIDIチャンネルを別々に設定できる
MIDIの入力をPUSHとわけたら、片手でストリングスやピアノ、右手でサックスと言ったことも簡単にできますね。
最終的に生楽器に差し替えるとして、音域の確認やどういう雰囲気になるか簡単にできるのはいいですね。鍵盤でラック化して音域でスプリットしたら出来ますけど、単純に2台つないでインプット変えるだけ出来るのは楽です。
MIDIノートのアサインが出来る
AbletonPUSH2ではLIVEのいろんな機能が自動的にアサインされているため、プラグイン上でMIDIノートをアサインできない場合が多いです。Launchpad Xでは普通にLiveの機能をアサイン出来るので、応用できることが多くあります。
PUSH2との違い
当然、純正のコントラーであるPUSH2のほうが圧倒的に多機能です。
Drumrackシーケンサーはない
Novationの公式ではDrumrackの配列でフィンガードラミングしている動画があるので、PUSHやPUSH2の超強力な機能であるDrumRackのシーケンサーはあるのかと思いましたが、ありません…
Drumrackの配列になるだけです。まあ、それでも便利は便利なんですが。
ルート音を変更しないまま音域を変えることは出来ない
これは、パッドを2枚で鍵盤的に弾こうとする時はちょっとしんどい。パッドが2枚あって、4度のクロマチックが使えるなら、同じ運指で全て演奏できたら最高ですよね。LaunchpadXは音域を半音単位で変えることは出来るんですが、ルート音を例えばCのままでパッド全体の音域を半音下げたりすることは出来ません。
なので、私はPUSHの方を1オクターブ下、Launchpadを1オクターブ上に設定しています。
NoteRepeatはない
ハイハットを打ち込んだりする時に、ノートリピートがあると楽ですよね。でも、LaunchpadXにはないです。
ミックスは難しい
AbletonPUSH2の場合は、マクロが自動的に読み込まれてパラメーターのオートメーションを描くことは簡単ですが、LaunchpadXでは難しいです。パン、ボリュームなどはありますが、エフェクトのパラメータをコントロールは無理なので。
まとめ
個人的には4度のクロマチックを試してみたいけど、AbletonPUSH2はちょっと値段が…という人にいいと思います。実際、使ってみないと自分にあってるかどうかわかりませんもんね。
後は、どうしても鍵盤を弾きたくない人には激しくおすすめです。
Live以外でも使えますもんね。とは言え、Liveのコントロールが出来るのでLiveユーザー向けなんでしょうね。
セッションビューの録音、再生も出来る。これだけでも相当便利です。普通の鍵盤を使っていて、Abletonユーザーの場合は便利に使えると思います。
Drumrackの配列がPCと同じになるだけでも打ち込みは高速になります。AbletonPUSH2のようにシーケンサーはないものの、鍵盤でやるよりずっと楽だと思います。
個人的には、4度のクロマチックが非常に演奏しやすくなったのは良かったです。MIDIチャンネルをPUSHと分けられることも良かったですね。
実験していくうちにわかったのは、ルートを固定したまま音域を変えることが出来ないのは、視覚的に演奏のじゃまになるとわかりました。
一オクターブ上にLaunchpadを設定してるんですが、一つの楽器で音域を拡張したと考えると弾けるんだけど、視覚と聴覚が一致しないパターンがあって気持ち悪いです…
これ、トップノートまでを4度で重ねて、左手は変わっていくというジャズ的な弾き方してるんですがルートを固定したまま音域を変えられたら、アッパーストラクチャートライアドなんかもっとわかりやすくなる。
今、右と左でポジションを頭の中で変換する手間が掛かってるので、気持ち悪いです。
音域別の楽器を右と左で弾くときには全然気持ち悪くないんですけどね…
4度のクロマチックは、フォームを覚えればコードを平行移動出来るメリットがあるんですが、でも、パッドが64パッドしかなかったらフォームを複数覚えないといけない。それだと、パッドのメリットってだいぶなくなると思います。なんでやるのって言われたら、それはロマンだから…
まあ、転調がないとか、オルタードテンションがないような曲なら別にPUSHが1台あれば対応できるんですけどね…
PUSH1のときに本格的に4度のクロマチックを弾き始めたので、もう8年ですか。2枚なら音域の問題や、フィンガリングの問題もかなり解決できることがわかってきました。
まあ、でもパッド2枚だと平行移動する時に幅があるから難しい。これを解決できる方法はあるんですけど、どうするか…
LaunchpadX、4度のクロマチックを試してみたい人にもおすすめですよ!
MASCHINE JAMについても記事を書いてあります。物を少なくと言ってるけど、パッドは別腹なんですかね…
追記:2021/09/23
4度のクロマチックを使いたいならDAWを選ばないのもメリットだと思います。Maschineでも使えます…
楽器ができない人がコードワークをマスターするのに1番手軽な楽器は64パッドだと思います。打ち込むだけなら片手ずつ打ち込めば鍵盤的な奏法も充分できますしね…
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