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Chromatoneがやってきた

機材・ソフト
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Chromatoneがやってきた


2021/09/23

別のサイトで書いた記事です。そのサイトを閉じるつもりなのですが、Chromatoneは本当に素晴らしい楽器だと思いますのでこちらに記事を残しておきます。


Chromatoneがやってきました。

え、Chromatoneってどういう楽器と思いますよね。私も知りませんでした。

こういう楽器です。

このPCのキーボードのようなちょっと謎の楽器。クロマトーンといいます。

ムトウ音楽メソッドという理論に基づいて作られた楽器です。

なんと、送料だけでクロマトーンを配布するという超太っ腹なキャンペーンを行っていたので申込みました。

CHROMATIC MUSIC LABさん、ありがとうございます。大切に使わせていただきます…

製作者の大川さんからの素敵なメッセージが入っていました。

クロマトーンについて詳細はこちらをご覧いただくとして、この楽器の何に魅力を感じたか書いていきますね。

移調が面倒ではない

私は、ホーンが入る音楽を長いことやっていたんですね。吹けるってレベルではないんですが、一応ペットとサックスを少し。

ギタリストだったんですが、ビックバンドやホーンが入るファンクバンド、ビッグバンドのジャズを長くやっていました。

管のアレンジをやろうと思ったんですが、独学でやることの限界を感じて、習いにいきました。そのときに鍵盤も一応覚えたんですが、本当に苦労しました。ギター脳だったので。

鍵盤も弾くのはまだマシだったんですが、管楽器は移調するのが大変じゃないですか。

そもそもメイン楽器でない鍵盤で弾いて考えなければいけない。

実音で書いてからいちいち移調して死にそうでした。今はソフトがあるから簡単ですけど。

で、時代は過ぎて、生演奏の割合は減って、打ち込みと生楽器を合わせた音楽をやるようになりました。

譜面を読まなくなった

で、今、譜面を読む機会が減りました。せいぜいスタンダードをリハモしたりするときに見るくらいです。

私がメインで使っているDAWはAbleton LIVEなんですが、なんと譜面機能がないんです。

Protoolsが一番慣れてるんですけど、クラブミュージック的なことをやろうとするとLIVEは本当に強力です。

そうするとピアノロールがMIDIデータで扱うことが多くなって、あれ、ピアノロールって可読性は低いけど、音程関係なんかは明快でいいよなと思い始めました。

ソロを取るときにインターバル利用したりするプレイを勉強していた時期があったので、これ、譜面と楽器の対応関係が明確だったら楽だよなと。

パッドを使い始める

私は元ギタリストなので、Ableton LIVEのコントローラーであるPUSHを鍵盤の代わりに使い始めました。これP4thのチューニングにできるので、ギタリストやベーシストにはやりやすいんですよ。

とはいえ、同一弦上で発音できるので、やっていくと全く違うフィンガリングやボイシングになるんですけど。

こういうことをやっていたわけです。

で、このPUSHは面白い楽器だったので、勉強会をやっています。

その中で、コードや譜読みを知りたいという人が多かった。で、ピアノロールとパッドを使って譜読みやハーモニーなんかを説明していました。

移調が簡単だし、アッパー・ストラクチャー・トライアドなんか視覚的にもわかる。4度堆積コードなんかもピアノよりわかりやすい。

でも、その一方で限界を感じ始めました。

譜読みの難しさ ギターやベースはポジションが複数ある

勉強会で譜読みをしてPUSHで打ち込んで覚えるということをやっていました。

ギターやベースの譜面を打ち込むときに、実音はオクターブ違うとか、説明していたんですが、これはあまりにも習得が難しい。

実音はオクターブ低いのなんか、鍵盤の人でも慣れてないと変な譜面書いて渡されたりすることありますしね。譜面ってやっぱり難しいんだなと。

サックスなんか移調してある譜面をすぐ読めるかというと、慣れてないときつい。Eb管とかBb管とか言われても、楽器をやったことがない人にはチンプンカンプンですよね…

自分の説明が悪くて、参加していただいた方に迷惑を掛けたなと思ってます。

PUSHはMIDIデータを鳴らせば、パッド上に表示される。

だから、アボイドノートなんかもわかるし、ボイス・リーディングも見えやすい。

なんですけど、同一音が鳴らせるポジションがあるので、フィンガリングの選択が難しい。

ギターでも譜読みで苦労するところですね。

そして、64パッドで4度のクロマチックっていうと、音域的には3オクターブ半なんですね。

となると全部の音域を弾くのは無理なので、オクターブキーを使ったり、ルートの位置を変更したりしないといけない。

ある程度理屈が入っているならものすごく便利に使えるんですけど、理屈が入ってないと難しい。ピアノはポジションが一つだから、譜読みは楽。ただ、視覚的に音程感を捉えるには全然向いてない。

特に、勉強会だとヒップホップみたいなものやりたい人だと、コードの平行移動みたいなの沢山やるわけです。ピアノだと死ぬほど難しいですよね。

PUSHでは簡単なんですけどね。でも、パッドの場所によって全く同じ構成音でもフィンガリングが変わる。それは多分、習得コストが高い。

演奏技術としてはそんなに大変ではないと言っても使いこなすのに理論を知らないと駄目という矛盾。

PUSHの楽器としての可能性はDAWを含めたもので、すごくあると思ってます。それは変わらない。

ですけど、理論、譜読み、聴覚を一致させるようなものがあったらいいのになと思っていました。

Chromatoneは完璧だった

ソルフェージュもやったんですが、あれも本当に苦労しました。

譜面見て歌うのでも、頭の中で度数に変換して歌えるようにはなったんですけど、直感的ではなかったですね。

一番やってきたのがジャズなんで、部分転調だらけなわけです。

ああ、ここは転調してるから、ここから短3度あがってとか処理したりしなきゃいけなかった。慣れたから出来ますけど、しんどかったですね。

で、Chromatoneという楽器があるんだよと教えてもらってびっくりしました。

ムトウ音楽メソッドの3線譜(クロマチックノーテーション)が完璧だった。譜読みの難しさである調号や音部記号の問題も解決できる。

ピアノロールのいいところは音程が五線譜と違って距離が一致してるわけで、インターバル使ったソロや、アッパー・ストラクチャー・トライアドの適用なんかもよりわかりやすい。

それが3線譜だとピアノロールと完璧に対応している。しかも可読性は遥かに上です。そしてChromatoneはホールトーンを半音違いで配列しているから、譜面とポジションが完全一致する。

このクロマチックノーテーション、変化記号がなくて、12音に固有の名前を振ってあります。表記と音も完全一致する。

これに則って訓練したら、初見でも歌ったりするのはできるようになるでしょうね。自分はバカみたいに時間を掛けたわけですけど。

とんでもないですよ。

ピアノの12倍の速度で学習できるってサイトに書いてありましたけど、もっと速く習得できるはずです。音程がこれだけ明確に見えて、譜面と矛盾しないというのは凄いことです。

調号をつけないのは今の時代の音楽を考えたら合理的だと思います。

テクノみたいにモーダルなものとか、ヒップホップなんか必要ないというか、むしろ邪魔じゃないかと。

これ、DAWの時代になって譜面読んだことがない人でも、リズムが読めるようになったら譜面が書けるし読める。

むしろピアノロールから入った人は、譜面通ってない分スムーズに学習できるのではないかと。クロマチックノーテーションに変換する必要がありますけど、でも、これは慣れでできる。

MIDIデータからクロマチックノーテーションに変換するのもちょっと工夫したらできるかもしれない。

まとめ

衝撃でした。

自分自身の勉強のために、クロマチックノーテーションで今までの譜面を書きなおしてみることと、楽器としてのChromatoneの可能性を考えてみたいと思います。

とりあえず、ディミニッシュから4つの7thコードを作って、cycle of 5thで4和音全部弾いてみたんですが、いろいろ発見がありました。あと、4度体積の和音なんかも視覚的に一発でわかる。

チック・コリアやハービーがやってるようなやつですね。

これ、凄いことで、オルタード・テンション作ったりするとき、初学者だとキーが変わるたびにきつかったはずですけど、一発でわかります。

ギターは構成音覚えてないと譜面との対応関係をつかみにくいですけど、このCT312だと画面に音名が写りますからね。

リック分析なんかも超高速でできるようになるはずです。

サイト見て、ああ、これなら弾いたことないけど、弾けるだろうと思ったんですが、弾けました。

もちろん、楽器に慣れる必要はあるんですけど、理論、譜面、演奏が全部つながっているので、ストレスがない。

素晴らしくシンプルです。習得難易度が最も低いかもしれない。

ポジションの把握が難しいかなと思いましたが、上にクロマチックで弾けるところ見たら別に難しくなかった。考えつくされてますね。

Chromatoneも複数ポジション弾けるんですが、単に上下に配列してあるだけだから、譜読みの邪魔にならないし、私のように手が悪い人間には楽な弾き方できるのはありがたいです。

新しいブログでは生活寄りのことをもっと書きたいと思っていたんですが、あまりにも面白かったので熱く語ってしまいました。

流石にこのサイズだと出張先に持ち運ぶのは無理なので、MIDI部分だけのものとかあったら最高なんですけどね…

また、新しい楽器を覚えることになるとは思いませんでしたが、きっちりこのクロマチックノーテーションを勉強していきたいと思います。また、スタンダード片っ端から弾くかな…

12キー弾いたらまたいろいろ可能性見えてきました。理論がそのまま形としてあるという興奮といえばいいんですかね。うまい言葉が浮かばないんですが…

Chromatoneがいかに凄いのか、書いてみました。ハーモニーの理解がいかに楽になるか興奮気味で書いてます。

Chromatoneはホールトーンの鍵盤の半音外の組み合わせと、クロマチックの鍵盤から成り立ってます。だから、斜めにみたら、クロマチック。

斜めの角度を変えたらディミニッシュも完全4度も視覚的に一発でわかる。とんでもないです。

ちょっと面倒くさいだろう理屈が全部視覚的にわかります。自分へのメモです。

弾いて、サウンド聞いたら、ああ、そういうことねって本来はわかるはずなのが、今は物凄く手間がかかってるわけで、それをクロマチックノーテーションやChromatoneは簡単にしてくれると感じました。

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