Ableton Live10 攻略BOOKが最高だったので紹介します。
DAWの解説本って重要だと思うんですよね。ネットで調べられるじゃんというという意見もあると思うんですけど、調べたいことがわからなくて困るということありませんか。
私は凄くありました。
いろいろやりたいことはあるのに言語化出来ない。
マニュアル読んでも、マニュアルは機能の説明であって、音楽を作るための目的別に解説してあるわけじゃないですよね。
これはある意味仕方ないことなんですよね。
例えば、ラインのレコーディングやルーティングの基礎知識は、DAWの知識ではない。だから、マニュアルには書けない。
Youtubeにたくさん動画があっても、自分がやりたいことに完全に合致していることはないと思います。
そのたびに他の動画やサイトを見て探したり…
音楽を作るはずの時間を調べる時間に使ってのは、苦痛でした。
私、もともとプレイヤーで、DAWは苦手意識がありました。
LIVEでやりたかったのは、全部即興で多重録音して、それをマッシュアップしていくような形ですね。
ギター演奏して、鍵盤演奏して、ドラム演奏してみたいな形ですね。
PUSH買ったのも、動画見たら簡単そうで音楽作れるかもと思ったからです。
大変だったよ…
日本語の情報はあるにしても少ない。
ルーパーのうまい使いかたや、MIDIエフェクトの活用とか、ほとんど海外のサイトで覚えました。
LIVEの本も片っ端から買ってみたけれど、私が欲しい情報は少なかった。
これ、マニュアル見ればわかるし、そういうことをユーザーは求めてないというのが多かったんですね。
Ableton Live10 攻略BOOKは全然違います。
追記:2021/08/07
現在はLive11攻略Bookがでました。はじめてAbletonLiveに触れる方にはおすすめです。Live10攻略Bookをお持ちの方は増補版ということがでて、かなり重複する内容があることを留意されるとよろしいかと。エフェクト関係の記事はそれほど多くないですが、フォローアクションなど変化があったところは取り上げてあります…
Ableton Live10 攻略BOOKの違いはなにか 章ごとに読めば使用頻度高い機能から使えるようになる。
Live10攻略Bookが凄いのは、レコーディングにまつわるルーティングなどの知識をさらっと散りばめてあるんですよね。
作者の竹内さんが、本当に使いこなしていらっしゃることがよく分かる。
大事なのはユーザーがつまずきやすいところを知っていることだと思うんです。
ぱっと見ると、普通の本にしか見えないんですよ。でも、全然違いますよ。
章立てを見ると、正しく理解できるように考え抜かれて作られてます。
Chapter1がチュートリアルなんですけど、これ終わったら普通にもうLive使えます。私まともに使えるまで、1年位掛かりましたからね…
Chapter1
チュートリアルで覚えるLiveの基本操作・・・・・・23
■MIDIのステップ入力・・・・・・24
■MIDIのリアルタイムレコーディング・・・・・・34
■オーディオ録音・・・・・・40
■ワープコントロール・・・・・・48
■オートメーション・・・・・・50
■Liveセットの管理・・・・・・53
■インストゥルメントを知ろう・・・・・・57
まあ、普通の作りですよね。これだけみたら。
構成の仕方が工夫されている
でもMIDIのステップ入力から普通の本と作り方が違うんです。
ドラム、ベース、コードの順番で作るんですね。だって、使用頻度考えるとこれが一番効率的です。
ブラウザから選ぶ時に、prehearも同時に説明してくれてあります。
NIは竹内さん雇って、書いてもらえばいいと思います。
思い出しても腹たってきたよ…。自分が脳筋だとしても、maschineのマニュアル、宇宙語だもの。
で、ドラムラックの立ち上げ方も3種類解説してくれてあるんですね。
マニュアルと画面が違って困ることないですか?私はたくさんありました。
動画見ても、初めの操作から出来なくてよく半泣きになってました。お前が馬鹿だと言われたら、その通りですけど…
でも、複数紹介してくれていたら迷わないですよね。
ショートカットキーを無理なく覚えられるように工夫してある
そして、適宜、その操作に対してのショートカットキーが解説してくれてあるんです。
ショートカットキーの一覧をみてやるのもいいですけど、よく使う操作からショートカットキー覚えていったら早くなります。
凄いのは、MIDIの説明の2ページ目でアレンジメントビューのズームイン、ズームアウトのショートカットキーも説明してくれてあるんです。
実際、MIDIで打ち込んだら編集しますよね。
これ、操作わからなかったら、作業止まりますよ。
私も初め止まった記憶があります。
つぎにピアノロールの解説に移ります、
実際の作業を考えると、グリッドを1/16にしたり、1/8にしたり、あるいは3連符にしたりしますよね。これを解説してくれてある。
これ、マニュアルだったら20ページじゃきかない作業ですよ。読むだけでも数時間掛かると思います。
実際のワークフローに即した説明がある
ドラムもハットまでの入力を説明して、複製のやり方や、ベロシティの調整までショートカットキーで説明してくれてます。
ドラム、打ち込みだと、ハットはコピーする人多いですよね。
ベタ打ちが良いジャンルもあるでしょうけど、ゴーストノート入力したりする事は多いと思うんです。
実際の作業に応じて、必要な操作をマスター出来るようになっているんですね。
alt+上下ドラッグとか、macなら(cmd+ドラッグ)とか意外に知らないんじゃないでしょうか。
めっちゃ楽になりますよ。
Live10になってできた新しいショートカットも凄く解説してくれてあるんです。で、編集しやすいようにFold使うとか。
著者の竹内さんが、Liveの機能のなかでも特に必要なところに絞って解説してくださってます。
ベースの解説も凄い。エイリアスの概念もさらっと説明してくれてます。
編集の時にオクターブを移動させることはけっこうあると思いますが、これもショートカットキーを含めて3つの方法を説明してくれている。
コードはピアノ扱っているんですが、ベタ打ちを避けたいこと、多分、楽器できない人だとあると思うんですよ。
MIDIエフェクトのVelocityの解説がもう出るんです。
Live買って1時間でも打ち込みできると思います。
使い方見ると、あれ、こういう使い方もできるんじゃないかと思いつくことが出来る。
こういう解説本で思えたのは初めてです。
マルチクリップでベースとピアノの絡みが把握できるとか、Live10からの機能を音楽的に使えるように解説してくれている。
Ableton liveは譜面の機能がそもそもないので、ちょっとアレンジを考えようとなるとピアノロールを見ることになると思うんですが、前までマルチクリップなかったですからね。
さらっと、こういうのを説明してくれてある。
圧倒的な時間短縮
ステップ入力の次はリアルタイムレコーディングの説明。
ここで、リアルタイム入力のためにキーマッピングの仕方まで書いてあります。
リアルタイムの入力だと、いちいちマウスクリックするの、嫌じゃないですか?
PCのキーボードにアサインすれば楽ですよね。そういう方法も普通は試行錯誤して身につくと思うんですけど、毎回やる動作だったら、一日で10分以上時間変わりますよね。
一年で3650分として、60時間。
作れる曲の数も変わりますよね。
このChapter1が終わったら、普通にLive使えると思います。
チャプター2はこういう構成です。
Chapter2
Liveを使いこなすためのTips・・・・・・59
■MIDIマッピング(リモートコントロール)の活用・・・・・・60
■ドラムループを好みのパターンに変更する・・・・・・65
■タイミングがズレているオーディオクリップをクオンタイズする・・・・・・69
■エンベロープボックスでのオーディオ編集・・・・・・73
■リバースを活用してドラム素材をグリッチ系パーカッションに変身させる・・・・・・75
■アルペジエーターを使いこなす・・・・・・76
■MIDIエフェクトでコードパートを表現するアイデア・・・・・・81
■Simplerを知ろう・・・・・・84
■サウンドの可能性が劇的に広がるラック[Rack]を理解しよう・・・・・・90
■手軽でユニークなワンショットドラムサンプラー[Impulse]・・・・・・105
■ルーティングの基礎知識・・・・・・109
■曲中でのテンポチェンジと拍子変更・・・・・・114
■Liveのちょっとした便利機能・・・・・・115
どれをみても、みんな必要なところじゃないですか?
Liveのヘビーユーザーでも、そうでない人でも、学べるところが多い。
全然、他の書籍と比べていいのに、いいところ宣伝してないですよ!もったいない。
どれだけ多くのユーザーの時間を節約してくれるか。
そして、存じ上げないですけど、竹内さんにお金が行って欲しい。
これ、書くのに掛かった時間、物凄いはずですよ。
詳しく書くだけなら誰でも出来ますけど、脱落させないように情報を選択して書くのはどれくらい時間が掛かったのか。
気が遠くなります。
できれば、竹内さんにMaschineの解説本を作って欲しいですね…
これ、本当におすすめできます。
そして、できれば買ってもらえるといいなと思います。
というのは、Liveの本、実は昔に比べてでなくなってるんですよね。
動画やWEBで調べることが多くなってる。それは良いことなんですけど、情報が一箇所にあるのはユーザーの利便性を増すはずですから。
Liveの便利機能の記事、何本か書いたんですけど、捨てました。笑
Ableton Live10 攻略BOOKはどんなレベルのユーザーでも使えるすごい本です。文字通り攻略本です。
これあったら、本当にLive楽しくなりますよ!
追記:2018/03/22
サウンド・デザイナーさん、頑張ってとツイートしたら、リツイートされとった。私を広報で雇えば良いです。笑
ギタープレイヤー向きなんでしょうけど、liveユーザーはギタリストむしろ少ないと思います。
本当、売れてほしいなと思います。
竹内さんが次の本を書いてくれたら最高ですね。
追記:2018/03/24
4章の良いところも追記します。特に私に参考になったところです。私、プレイヤー脳なので、かなり偏った使い方だと思います。プレイヤーの人でも、Liveは楽しく使えるということは強調しておきます。サウンド・デザイナーさんが宣伝やる気がないなら私がやりましょう。笑
■SimplerのDecayでハイハットに生ドラム並のダイナミクスを与える方法
これ、目からウロコでした。
Decayは普通、音色設定したらそのままじゃないですか。竹内さんの超テクは、Decayをマクロで設定するんですよ。
オープンハイハットに近い音を選んで、Decayでクローズと近い音色を作るのは昔からあるテクニックだと思います。アナログシンセでドラムの音を作る時の常套手段ですよね。
でも、ここからが真骨頂。マクロの最小値をクローズの響き、最大値をオープンの響きにするんです。
マクロに設定したものをMIDIコントローラーにマッピングする。だんだん盛り上がってきた時にハイハットをオープンにするとか楽勝です。
しかも、これ、ノブだと変化追いつかないかもしれないから、スライダーにアサインしたらとか、そんなこともまで提案してくれてるんですよ。最後にオートメーションで録音とか…
これ、Twitterでもつぶやきましたが、セミナーとかでもお金を払ってでも聞きたい情報でした。私にとっては。MIDIマッピングとマクロの組み合わせを考えただけでも、本当にいろんな事できる。
頭いいなーと思います。Liveと言うソフトを文字通り攻略している。
3章のセッショビューのフォローアクションなんかは、ワンループでフィンガードラミングしてひたすらバックのコード進行が変化していくとか応用がイメージできました。
抽象的じゃなくて、具体例を書いているのが全然今までの本と違うんですよ。
私だったら、トライトーン・サブとか代理コードとか確率で変化させてインプロしても面白いかなと思いましたね。ドラムは自分でフィンガードラミングしてその上にPUSHでコードをオン・ザ・フライで録音していく。インプロと作曲が一体になるようなやり方できます。面白すぎる。
これ、みんなで交互に演奏しても面白いはずです。
セッショビューも全然活用できてなかったんだなと思います。
この本を起点に、私がこういう使い方を思いついたというのも書いてみますね。頑張れ、サウンド・デザイナーさん!
追記:竹内さんのwhereabouts Recordsにretweetされていた…。もっと、竹内さんも宣伝してください!笑
追記:2018/07/03 私に質問するよりLive10攻略Book買ったほうがマジで時間短縮になります。
ようやく、動画とれるようになったので、Looperの説明してもいいんですけど、Live10攻略BookではLooperの説明がさらっと四章にもあるんですね。
多分、Looperを使う人は、パフォーマンスをやりたい人が多いと思うんですね。
著者の竹内さんが細やかだなと思うのが、クリックのガイドはCue Out使えばいいっておっしゃってくださってるんですよね。多分、こういうの知らなくて、たくさん動画見てるけれどやり方わからなくて困っている方いらっしゃると思うんです。
Ableton Liveの操作を知っていると思っても、読むと私は発見あると思いますけれど。
これ一冊ちゃんとマスターしたら、やりたいことどうすればいいかわかると思いますよ。
Rackの説明が充実している
追記:2019/02/03
Ableton Liveが他のDAWと違う大きな特徴にRackというものがあります。
エフェクターをまとめたり、楽器をまとめたりすることが出来るんですね。
AbletonのRackというのは便利らしいということを知っていても、マニュアルだけ読んでいたら使い方がよくわからん。初心者には難しい。そう思う人も多いと思うんですよ。
私はマニュアルだけではよくわかりませんでした。
ですから、海外動画やサイトを見て使い方を覚えていったんですけど、Ableton Live10攻略BOOK読むと具体例が書いてあって非常に分かりやすいです。
Ableton Live10攻略BOOKではピアノ3台レイヤーされている例を上げてくれてあるんですね。
Ableton Liveの音源って、割とシンプルなものが多い。Kompleteなんかに比べると素朴な感じがしますよね。
でも、それって多分Rackがあるからなのかなと思います。自分で色々無茶やりたい時にシンプルな物を組み合わせたほうが狙ったものを作りやすい。
Ableton Live10のPackにあるエレピなんか、それこそRackで作ってあるんですけど中身を見るとなるほどなと思います。
私は、Rackでギターのシステム作ってますね。踏み込んだら歪みの量が増えるけど、ボリュームが上がらないとか。別にプラグイン組み合わせるだけなら、他のDAWでもできますけど、こういう細かい設定はなかなかできない。
一回Rackにしてしまったら、他の曲でも使えますし。ノブ一つで複数のパラメーターを動かせたりするMacroってのもあるんですけど、その説明もあります。
私は、踏み込むと、歪みはあがるけど、ボリュームは上がらない。ディレイのフィードバック量が増えるとかそういうRack作ってます。なかなか面白いですよ。
あと、当たり前ですけど、DAWの中にあるのでテンポあわせは余裕です。
なんていうんですかね…Ableton LiveはDAWなんですけど、非常に楽器っぽいんですよね。
参考になると思うので、目次を載せておきます。
目次
イントロダクション・・・・・・1
■DTM/DAWの基礎知識・・・・・・2
■Ableton Liveの特徴・・・・・・4
■Ableton Liveのインターフェイス・・・・・・6
■オーディオとMIDI・・・・・・8
■ブラウザ・・・・・・9
■Warp(ワープ)・・・・・・10
■クリップビュー/オートメーション・・・・・・11
■デバイスの種類・・・・・・13
■デュアルモニター/Ableton Push2・・・・・・15
■環境設定・・・・・・17
Chapter1
チュートリアルで覚えるLiveの基本操作・・・・・・23
■MIDIのステップ入力・・・・・・24
■MIDIのリアルタイムレコーディング・・・・・・34
■オーディオ録音・・・・・・40
■ワープコントロール・・・・・・48
■オートメーション・・・・・・50
■Liveセットの管理・・・・・・53
■インストゥルメントを知ろう・・・・・・57
Chapter2
Liveを使いこなすためのTips・・・・・・59
■MIDIマッピング(リモートコントロール)の活用・・・・・・60
■ドラムループを好みのパターンに変更する・・・・・・65
■タイミングがズレているオーディオクリップをクオンタイズする・・・・・・69
■エンベロープボックスでのオーディオ編集・・・・・・73
■リバースを活用してドラム素材をグリッチ系パーカッションに変身させる・・・・・・75
■アルペジエーターを使いこなす・・・・・・76
■MIDIエフェクトでコードパートを表現するアイデア・・・・・・81
■Simplerを知ろう・・・・・・84
■サウンドの可能性が劇的に広がるラック[Rack]を理解しよう・・・・・・90
■手軽でユニークなワンショットドラムサンプラー[Impulse]・・・・・・105
■ルーティングの基礎知識・・・・・・109
■曲中でのテンポチェンジと拍子変更・・・・・・114
■Liveのちょっとした便利機能・・・・・・115
Chapter3
セッションビューの活用・・・・・・117
■セッションビューの構造・・・・・・118
Chapter4
応用編
■グループトラック・・・・・・130
■EDMの定番! サイドチェーンコンプレッサーの3種類の使い方・・・・・・132
■キックのサウンドメイキング・・・・・・136
■Operatorでドラムパートを作る・・・・・・138
■ドラムのオーディオ素材をMIDI化して別音色で鳴らす・・・・・・140
■SimplerのDecayでハイハットに生ドラム並のダイナミクスを与える方法・・・・・・142
■マクロでサンプルを切り替え可能な自分好みのドラムセットを作る・・・・・・144
■Vocoderの定番! シンギング・シンセ・・・・・・146
■古典的オーディオ編集テクニックでヴォーカルを切り刻んで加工する方法・・・・・・148
■ハーモニーのオーディオ素材をMIDI化して新たなループに組み替える・・・・・・150
■ハーモニー検出機能でジャジーなコードを採り入れる・・・・・・152
■特定のモード内でベースラインとコードを自動演奏させる方法・・・・・・154
■Simplerとアルペジエーターでアドリブを自動演奏させる・・・・・・158
■定番のグリッチとアヴァンギャルドなグリッチ・・・・・・160
■Looperを使ったパフォーマンス・・・・・・163
■Reverbのフリーズ機能で持続音(ドローン)を作る方法・・・・・・168
Chapter5
ミックスをワンランクアップさせるためのTips・・・・・・173
■オーディオエフェクトの基礎知識・・・・・・174
■実例で覚えるミックスのテクニック
ミックスレッスン①Liveで作るロック・ミュージック・・・・・・186
■実例で覚えるミックスのテクニック
ミックスレッスン②Liveで作るエレクトロニック・ミュージック・・・・・・193
■センド/リターンの活用・・・・・・196
■マスタートラックでのエフェクト処理・・・・・・197
Chapter6
Ableton Push2の魅力・・・・・・199
■Liveを楽器に変えるAbleton Push2・・・・・・200
コメント