PUSH3スタンドアローンの検証としてはこれで終わりですかね。長かった。疲れました…
パッドフレンズの皆さんから検証してほしいとのリクエストがあるものを確認してきたこのコーナー、検証内容はすべて確認できたと思います。PUSH2との比較は別記事にすればいいですかね。だいたい今回書いておこうと思いますけど。
今回はスタンドアローンで、シンセの音作りなどを検証しつつやってみました。
MPEだけでコントロールしにくい、ピッチベンド、モジュレーションは、Touchéが使えることがわかりました。
VSTプラグインであるLiéは使えないのですが、汎用MIDIコントローラーとして使えるということですね。Touchéのノブで縦軸の感度変更もスタンドアローンと接続している状態で可能です。
こういうことがスタンドアローンで出来ます。
PUSH3のパッドだけでピッチベンドやモジュレーションをコントロールするのは難しい場面もありますけど、これなら色々遊びまくれますね。楽しい。
MPEで苦手なこともTouchéならできることもある。同時に使えることで、表現の可能性は格段に高まったと思います。
ピッチベンドやモジュレーションを直接コントロール出来ないシンセでもPUSH3をハブとして弾きまくれます。パフォーマンスの可能性が広がりました。
PUSH3本体でゼロから音作りするなら、シンセはDriftが使いやすいという結論です。
Analogやオペレーターだと、モジュレーションのところPUSH3のディスプレイだと全部表示出来なかったりしますしね。PCの画面見ながなら簡単なんですけど。
Driftもいじりたかったんですけど、PUSH3の検証が終わるまでは触らないと決めていたので、いじれて良かったですね。治安が悪い音から、太いベースも作れる。見た目に比べて多彩なシンセですね。いずれ記事を書きたいなあ。
残っていた最後の質問はこういうものでした。
External Instrumentを使う際のレイテンシーはどうすればいい?
ハードを通してオーディオ信号が戻ってくる以上、レイテンシーは絶対あるわけです。
アレンジメントや環境設定がないので、ドライバエラー補正などもわかりませんし、スタンドアローンでクリップに録音したものを、Abletonに持っていって確認するという形になるのだろうかと思ってサポートに質問しました。
接続した外部機器に対してのレイテンシー補正をPush 3で行う場合、
Push 3で波形を見ながら調節するか、耳で聞いて判断頂く必要がございます。
数値で確認/調整されたい場合、ご認識の通り、一度Liveで確認する必要がございます。
サポートのIさん、いつもありがとうございます。
耳ではまあ、無理だろうから厳密にやりたい人は録音して確認すればいいということですね。
さて、これでパッドフレンズの皆さんのPUSH3スタンドアローンで出来ることについての質問は潰せましたかね。あとはPUSH2との比較ですかね。これはまた日記という形でなくてやればいいかな。
スタンドアローンについて、この日記で2ヶ月で検証してきたことをまとめていきますね。
総評
PUSH3スタンドアローンを使い始めた当初、もっとも問題だと考えていた安定性、オーソライズしてからは全く問題は起こっていません。
オーソライズしてない状態でMPEをブラウジングする際に落ちるバグは、すでに解消されたとのこと。
安心してスタンドアローンを購入できると思います。良かったですね。アップデートされて安定性が増していくのはこういうハードの宿命。
Maschine+もそうでしたけど、PUSH3、意外に安定するの早かったですね。
正直、初期状態で使いたいというパッドフレンズからの質問がなかったら、この問題に気づかなかったと思います。買ったらすぐにアップデートすることをオススメします。
マジで、15分に1回落ちるのでは何も出来ないですからね…
楽しく遊ぶためにも開封したらアップデートとオーソライズはしてしまうことを強く推奨します…
質問いただいたことについてまとめておきます。いやあ、検証は本当に時間が掛かりました…
- 重さ PUSH2に比べて重かった(PUSH2は2.7キロでPUSH3はほぼ4キロ、デスクで片手では移動できない。)
- ノブPUSH2より高品位になった(トルクが一定になった、テンポのノブが外れたりはしなさそう)
- 機能キー 変わらず固い。残念
- ブラウジング速度 PUSH2より早い。お気に入りなどの導入で使いやすくなった。ジョグホイールで戻るのは楽になった。
- USB接続でも画面は明るい。ただし、電源ケーブルなしには電源切れになる。
- パッドの感度 PUSH2より断然良くなった。コードワークなどをするなら、Launchpadのほうがやりやすいかも。
- MPEの利用 純正なら簡単。純正以外の場合は工夫が必要。細かい設定をせずに使える純正のメリットは大きい。
- ADAT接続 簡単だった。ADAT接続で入出力を増やせるのは人によっては大きなメリット。最高音質のハードサンプラーとしても使える。
- MIDI接続 注意が必要 TRS-MIDI3.5mmのType-Aである必要がある
- 他のDAWで使用できるか パッド部分のみ可能。MPEも使えた。
- PUSH3スタンドアローンで使えるUSB接続の機器 Novationは便利。TouchéやEV-1-WLなどが使えたのは大きい。ハブも使えるので、当初の予想以上に大きなシステムを組めそう。
- MIDIラーンの使用法 可能。Ableton上で設定する必要あり。
- アンプシミュレーター スタンドアローンではSuiteのAmpやCabinetが使える。PCではセーブできない。パフォーマンスとして考えるなら悪くないが、アンプサウンドにこだわりがある人だと厳しいか。
- 音源 スタンドアローンではElectricやWavetableなどSuiteにしかないデバイスを含んだものが使える。PCではセーブできない。スタンドアローンで使えるPackもある。
- 発熱 スタンドアローンモードではかなりある。
- simplerのスライスは出来るが、新規MIDIトラックにスライスは出来ない
- オーディオ・インターフェースの質 付属としてはかなり高品位。ファンタムは欲しかった。
- タッチストリップの位置が問題にならないか 構造は変わったものの、Drumrackなどでフィンガードラムする際には問題になるかも。
- External Instrumentのレイテンシーの設定 耳でやるか、Abletonに持っていって確認
こんなところでしょうか。スタンドアローンで出来ることは思っている以上にありました。
LaunchControl XLや、APCといったパフォーマンスで使える機材もスタンドアローンで接続できますし、アレンジメントを使わなくてもいいというのであれば、スタンドアローンは相当満足度が高いと思います。
MIDI接続を工夫すれば、他のDAWでも素晴らしいPUSH3のパッドが使えますし、マシンライブされる方にとってはコントロールセンターとしても使えますしね。
動画に上げたように色々つなぎまくれるのは便利でしょう。私なら、ドラムマシンの打ち込みならPUSHのドラムラックシーケンサーでやっちゃいますね。64パッド打ち込みで使えるのはめちゃくちゃ速いので。
オーディオ・インターフェースはコントローラーでも使えるわけですが、円安の折128,000円で、ADAT接続できるコントローラーとMPEの64パッドが変えるのは破格だと思います。
ずっと言ってますけど、コントローラーのPUSH3はものを考えたら高くないです。
MPE対応で演奏に耐えうる64パッドはPUSH3しかないわけですから。それだけでも価値はある。
オーディオ・インターフェースをお持ちでなかったら、相性問題などに悩まされずに使えると考えると決してこの値段は高くないと思います。付属と考えるとかなり高品位ですよ。
スタンドアローンなら、Liveloopingで無茶苦茶出来ますしね。
これ一台でジャンルによりますけど完結させることは可能なわけですから。
ファンタム電源はないけれど、そんなのADAT接続のミキサー1台あればなんとでもなりますしね。
パフォーマンス専用に新たなものを買うと考えるなら高くはないと思います。
ハードのアンプシミュレーター、音源、シンセ、PC,オーディオインターフェースを揃えると考えるとハードの258,000円も決して高くはない。倍じゃ効かないですしね。
一方で、パフォーマンスをしないなら、スタンドアローンが必要かと言われたらそうではないなとやはり思いますね…
それだと高いと感じるんではないでしょうか。アレンジメントで使えないわけですから。
PUSH3コントローラーも接続端子類はあるわけですし、オーディオ・インターフェースもある。MPE対応のパッドはあるわけですし。
スタンドアローンであることにPUSH3コントローラーがもう一台購入する分の価値があると感じられるかですね。他に機材が揃ってなかったりする場合は、スタンドアローンより、差額で必要なものを購入した方が楽しめるのでは…
そして、スタンドアローンよりコントローラのほうが出来ることは遥かに多いんです。
Abletonが使えるから当たり前なんですけど。
私はスタンドアローンなので、他DAWとの接続はコントローラーモードでの検証しかしてないですけれど、理屈を考えれば動かせるはずですしね。
ほとんどの方はコントローラーモードで十分満足できると思います。
そして、PUSH3とintroなら、PUSH2とSuiteのほうが多くの人は楽しめると思います。Suiteがいかに重要かということを今回の検証で実感しました。
MPEに興味がなかったら、PUSH2と3の違いって、オーディオ・インターフェースや接続関係くらいですしね。
PUSH3スタンドアローン買うより、PUSH2にプラグインなり、オーディオ・インターフェースとSuite買っても安くつく。
パッドで演奏するんじゃなかったら、PUSH2とPUSH3の違いはますます少なくなります。
パッドでMPEを使いたいなら、間違いなくPUSH3はおすすめですが、それもSuiteにしてのことだなと思いました。
Suiteじゃないと不便が多いです。スタンドアローンでSuiteのデバイスが使えても、PCでセーブできないのはやっぱり面倒ですしね。
完成形に持っていくときに使えないのは、だるいですね…
もちろんフリーズしたりすれば回避は出来るわけですけど、作っているときは作っているのに集中したほうが楽しめる。
そして、DAWを拡張できるMax For Liveが使えないのは、Abletonの楽しみの多くを味わえないことでもあります。
これは自分で、オーソライズせず使ったことで一層感じました。MPE,ゼロから設定するのはやっぱり煩雑です。どこを設定すればいいかわかっていても、それでも面倒な面がある。
スタンドアローンだと、Suiteにあるデバイスを含んだプリセットが使えもしますが、コントローラーでも使いたいですよね。
そうなるともともと設定してあるものが多ければ多いほど楽ですからね。プリセットはそれほど調整しなくても使えるのが強みです。MPE、微調整は結構いるものなので。
ギターアンプやベースアンプ、エフェクト群などSuiteまであれば出来ることは格段に広がりますからね。
今回、検証して一番面白いなと思ったのは、様々な機器をPUSH3をハブとして使えることです。
音源モジュールなんかPUSHに繋いでもいい。
そうしたら、PUSHからコントロールできるわけですからね。USB-MIDIインターフェースや普通のMIDI接続、CVまで使えるのはインターフェースを持ってない方には大きなメリットです。
マシンライブなんかされる人には、PUSH3スタンドアローン1台で様々な機器と繋げるのはメリットですよね。ただでさえ多い荷物を減らせる。
ADAT接続すれば、入力も拡張できますし。PUSH3のインターフェースで打ち込みが出来る。空間系や飛び道具、Abletonは凄いものがありますから、いろいろ遊べて楽しいですね。
Liveloopingされる方で、PC使いたくない方にも嬉しいのでは。
LaunchcontrolやAPCが繋げるので、普通のエフェクターのルーパーとは比べ物にならないくらい無茶できます。オーディオ・インターフェースがあるので、マイクも繋げますしね。コンパクトだけれど、可能性は本当にある。
しかも、まだPUSH3、出たばっかりですからね。コントローラーを買って、ライブしたいなと思ったら、アップグレードも出来る。まずはコントローラーを購入してというのもありだと思いました。
私の今の使い方なら、コントローラで十分でした。
今後のアップデートで出来ることは増えていくでしょう。伸びしろしかないです。
パファーマンス、別にコントローラ+PCでやればいいと思っていましたけど、思った以上にスタンドアローンで出来ることが多いとわかりました。久しぶりにLiveloopingやっても良いな…
Touchéが使えて、EV-1-WLが使えるならこの2つとペダル、サステインペダルでパフォーマンスはできちゃうなと。自分の場合だと、あとはギターかサックスあればいい。
初代iLoud持っていけば、どこでもパフォーマンスできちゃいますね。
内蔵音源だけでパフォーマンスするなら,iLoudあれば電源なしで可能なわけで、この手軽さは凄いなと思います。PUSH3あれば、オールインワンシンセと超高性能ルーパーと、エフェクター持ってるのと同じことですから。
生きてる間にこんなものが出てくると思わなかった。
未来に生きてますね…
夢が広がります…
PUSH3、楽しいですね!
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