それでも4度のクロマチックモードを勧める理由
LaunchPadやMaschine Jam、AKAI FORCEと言った64パッドで4度のクロマチックモードが使えることが浸透してきたのかな。
AKAI FORCEはギターモードってのがあるんだよね。
64パッドで、上の2行がない形にして、1弦から6弦までギターと同じチューニングにして出来るやつ。
これ、ギタリストが打ち込みに使うのはええと思うんや。
自分も、PUSHであるとええなと書いた。で、ちょっと質問もらったのね。うりなみさん「ギターのモードがあったら使いますか」と。
そして、「初めてやるなら、ギターモードのほうがいいですか?演奏もしたいです。」と。
自分は使わない。そして、初めからやるなら、ギターモードじゃなくて4度のクロマチックのほうが可能性を広げると思う。
その理由を説明したんやけど、これは記事にしておいたほうがええなと思ったので書いておくよ。
自分は元ギタリスト、今はAbleton PUSH2のプレイヤー。
演奏するんじゃなくて、ギターのボイシングを使って曲を作りたいならギターモードを勧めるけどね。
なんで元ギタリストなのに、ギターのチューニングを使わないのか。タブ譜が使えるというメリットがあっても4度のクロマチックを勧めるのか。
その理由を書くね。
音域が狭くなる
64パッドしかないAbleton PUSH2の場合、音域は3オクターブ半になる。
ギターモードにすると音域が2オクターブ半になる。
ギターのフォームで打ち込めるメリットはあるけれど、2オクターブ半だと、流石にプレイの幅は限定されるからね。
4度のクロマチックは、ギターの1弦、2弦が左に一つずれると理解すれば良い。コードフォームを片っ端から訓練していったら出来る。
音域を最大にできるのは、sequentモードや。これは5オクターブちょっとあるんやけどね。
コレで弾くのは無理やろうな…
音域的には一番広くても、ギターやベースの知識も使えなければ、鍵盤の知識も使えない。
フォームをひとつひとつ覚えなければいけない。習得難易度は一番高いと思うよ。
完全4度だと3度音程が無い分運指が単純化される
ギターの場合は3弦と2弦が長3度になっている。
その事によって覚える難しさが生じてるわな。例えば完全4度のチューニングなら、メジャースケールを弾くにしても同じダイアグラムで弾ける。ギターの場合だと、1、2弦を含むと運指が変わってしまうよね。
64パッドはギターやベースに近いけど、弦楽器じゃない。スピードでは弦楽器や鍵盤には勝てないから、ハーモニーやリズムの面白さで違いを出すほうがうまくいくんじゃないかと思っている。
もちろん、演奏するんじゃなかったら問題ないんやよ。
自分が第一世代のパッドプレイヤーとしたら、第2世代、第3世代で初めからパッドで弾き倒そうとするプレイヤーがいたら違うかもしれやんけどね。
ハーモニーを作るのが簡単
視覚的には同じ完全4度のベースより、ハーモニーとしては可能性あるんちゃうかと思っている。同一弦上で発音できる。クローズドボイシングがやりやすいからね。
追記:2019/07/06
こんなの演奏したら一発でわかりますよね。こういうことができます。
ギタリストやベーシストなら可能性わかるんじゃないでしょうか。同一弦状で同時発音というのはこういう感じのが簡単に出来るということです。これはあんまりAbleton PUSH使う人たちやってないんですが、横方向も可能性あるんですよね。 pic.twitter.com/c2PXpYYDHb
— うりなみ (@urinami) June 27, 2019
運指が単純化されるメリットは大きいんや。ギターだと6弦ルート、5弦ルート、4弦ルートという形でコードフォームを考えていくよね。
でも、完全4度チューニングはそういうことはないんや。一つのフォームを覚えたら弾ける。コレは大きい。
まあ、同一弦上で発音できるから、ギターやベースから入った人は初めは戸惑うと思う。でもクローズドボイシングが容易なこととUSTのわかりやすさはびっくりすると思うよ。
結局は習得コストの問題
これは単に習得コストの問題なんだよね。
自分はギターのモードはあったほうがいいと思う。ギタリストがすぐにコードを弾けるメリットは、今までなかったからね。MIDIギター使うのもありやけど、セッティングがたいへんやった。
自分はギターは可動域の問題で弾けないポジションがたくさんある。手の調子が悪いときは片手でしか弾けないからね。
だから、ギターじゃなくて64パッドに可能性を感じた。
複数ポジション選択できるし、両手を使えばかなりのことが出来るのは初代PUSH触ったときにはわかったからね。で、ずっと練習してきたんやよ。
4度のクロマチックは慣れる必要があるけど、それだけの習得コストを払ってもいいと思った。
これならプレイヤーに戻れるかもしれないと思ったからやね。それは自分にとっては払う価値があるコストだったということ。
ギタリストじゃなくて、自分はパッドプレイヤーなんやから。
そうなると、その楽器の可能性が一番あるものを選択しようとしただけの話やよ。
ギターから来た人でもAbleton PUSH2や64パッドになったら、指板の見方が変わる。同一弦上で発音できるからね。新たなハーモニーの可能性を感じると思うよ。
だから、もし、演奏したいじゃなくて、曲を作りたいというひとだと、自分はジャンルによってはギターモードにしたらと言うかな。
64パッド、面白いよね。
いろんなバックグラウンドある人がこれから64パッドをやっていくと思うんやけど、そういう人たちがおそらくどんどん技術開発していくはずや。
自分は4度のクロマチックにものすごく可能性を感じているから、こんなサイトやっているし、後のプレイヤーの時間を短縮できるようにしたいなと思っている。
Ableton PUSH2、演奏できると楽しいな!
コードフォームなどについては押して覚えるコードとスケールというカテゴリーにあります。
記事をどんどん増やしていきます。
コメント