パッドでオールドスクールなベースを弾くためには、どのような手法でベースラインが作られているか知る必要があります。
いくらコピーしても自分でラインを作れなかったら面白くないですよね。
パッド固有の演奏テクニックもありますが、まずはどのような考え方に基づいているのかについて知っておけば、コピーも自分でオリジナルなラインを作るのも簡単になります。
ですので代表的な手法をまとめた資料を作りました。動画で5回程度に分けて解説していく予定です。
何処に需要があるんでしょうね…
音色
オールドスクール、特にJames Jamerson的な音色を作るためのセッティングについて話しています。
こういう感じの音色にするためのセッティングについて話しています。音色もらしさの一部なので。
こういうのをやることにするか。エレクトリックベースやドラムの打ち込みやりたいという人もいたし。
— うりなみ (@urinami) March 14, 2024
ホーンの打ち込みとかは別に需要ないから良いか。
MIDI関係で生楽器の打ち込みやるときにつかう基本的なツールは説明できるな。 pic.twitter.com/1nOcrllrnP
Morning Jam
— うりなみ (@urinami) March 17, 2024
Ableton12で格段にドラムが打ち込みやすくなった。
ストリングスやホーンセクションも前までだと細かい打ち込みはきつかったけど、非常に快適に。
まあ、こういうオールド・スクールなものでレイドバックしているものを打ち込む意味があるのかと言われたらあれだけど…
IKのMODO… pic.twitter.com/phM7Y1vXuE
Ezbassも凄いけど、やっぱりMODO BASS2の優勝やな…
— うりなみ (@urinami) March 19, 2024
ちゃんと打ち込むとフラットワウンドで死んだ弦のスラップの音になるからもう何がなんだか…
ピッキング位置もCCで描くとそういう音になってる。
やる意味があるかどうかわからないけど、ちゃんとミューとしてスラップするとMODO… pic.twitter.com/gpky0gjEYb
MODO BASS2,SoftubeのHarmonics,VCA Compressorで実験。70年代サザン・ソウル風。
— うりなみ (@urinami) March 23, 2024
グリスはもうちょっと追い込んで粘っこく出来そうだけど、フラットワウンドで古い音にはなってるな。どうなっとるのや…
Pushならリアルタイムで弾けるから人から見たら気持ち悪そう…… pic.twitter.com/7bOa0f4MTJ
手法
分析するための手法を何回かに分けて説明していきます。
概要、コードトーン、スケール
初回は概要、コードトーン、スケールについて話しています。なぜコードトーンから把握する必要があるか。
現代のR&Bと違い、オールドスクールなソウルやファンクはルートを弾くだけではありません。コードトーンを把握する必要があります。
ですが、コードトーンを全てを使わなくてもいい。どの組み合わせがよく使われるか、そしてどのようなサウンドか知っていれば大きくフレージングは広がります。
度数を把握していれば違ったコードでも使いまわせることやスケールでアプローチする時の実例などいろいろパッドを使いつつ説明しています。
実際、ラインの一貫性をもたせる時に度数を理解しているのといないのとではコピーやフレーズを作るのに大きな差が生まれると思います。
クロマチックアプローチ
ファンク、ソウル系で最重要な手法です。他のジャンルと大きな違いがあります。
次のコードに対して半音1つ、2つ、3つのアプローチ、コードトーンに対してのアプローチなどをやりました。コードの手形を示しながらやったので、ベースラインのロジックはかなりわかったのではないでしょうか。
コードトーンに関しては重要なので、いくつかのパターンを弾きつつやってみました。出来れば、お手元にパッドを用意して、ご自身でも試して下さい。わかるだけではなくて、ご自身で弾くことで身につくようになりますので…
m7(短7度)にクロマチックアプローチしてる例です。R.3.5に1音、2音のクロマチックアプローチが圧倒的に多いのは、動画を御覧頂いたらわかったのではないでしょうか。
これはノンコードトーンからのアプローチなので、思いっきり外れた感じに聞こえそうですが、リズム的な工夫があるので成り立っています。こういうラインを考えつくChuck Raineyはどうかしてますね…
ノンコードトーンできついテンションになるようなものは、表拍ではなく裏拍で、できるだけ音価を短くという形でファンク・ソウルのベーシストは対応していることが多いです。
フラットワウンド+610とパームミュートが一番らしい感じになりそう。まあ、普通にプレベ弾いたほうが良いんだけど… pic.twitter.com/JJtnMtl6GO
— うりなみ (@urinami) April 16, 2024
実はファンクベースではノンコードトーンを積極的に奏法の一部として活用します。今後そのような例を多く扱うことになりますが、強拍に来ないことが多いことを理解するとコピーやフレーズメイクの役に立つと思います。
クロマチック・アプローチは、ベースラインだけではなく、ウワモノのソロ、バッキングなどにも多用します。さっと弾けるようにしておくと一気にらしさがまして楽しめると思います。
追記:2024/05/16
配信で説明したクロマチックアプローチの例です。次のコードのルートにクロマチックアプローチしているのがわかると思います。Eb7sus4にクロマチックアプローチ、2小節目は1小節目のルートに向かってクロマチックアプローチしています。
実験。昨日やったクロマチックアプローチのもの、ピアノロールと譜面とタブ譜つけてみました。
— うりなみ (@urinami) May 16, 2024
開放弦でちゃんと弾かないとオールドスクールな感じが出ない。それをパッドでやる意味があるんかという話なんですけど…
パッド弾きたい人向けにタブ譜を読み替えるものとやったほうがええんかな… pic.twitter.com/IpyxOdfphs
追記:2024/07/22
音型
よく使われる音型を知っている必要はありますね。ゴーストノートの活用、R,5はゴーストノートで置き換えられること、コードトーンに関してクロマチックアプローチしたりと同じリズムパターンから様々に展開していくことをやりました。
音程がないということは、機能としてはRや5度、自然倍音列上にあるものと同様と考えたらいい。やっている人たちがそう考えているかどうかは別として、理にかなっていることは多いので、勉強は面白いですね。
置き換えても成立するということは、いかにリズムフィギュアの重要かということでもあります。
シンコペーション、アンティシペーションの多用もソウル・ファンクでは重要です。
今回は比較的シンプルなパターンですが、JamersonやWilton Felderはブラジル物もかくやという鬼シンコペーション、アンティシペーションをしたりします。こういう偉人というか魔神のような人たちをいろいろ研究するのも楽しい…
ベースで言うレイキングについて少し話しました。
実際の楽器の演奏法を知ることで、よりらしい演奏ができるようになります。レイキングに関してはパッドは非常にやりやすい。奏法としてもパッドの場合重要になるので開放弦のところで話せたらと思っています。
あと、R+5のバリエーションとして、2度,6度を使うパターンですね。ソウルで使われるパターンも実演しました。
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