いつもながら頭が悪いタイトルですね。でも実際そうなんだから仕方ない。
Softubeから出たOpto Compressorは実に気持ちがいいです…うまくなった気がするというか、高級感がでるというか…
コンプ、いろいろ種類ありますよね。
Softubeから少し前に、ずっと人気があるコンプレッサー3種が発売されました。今回はそのなかのOpto Compressorを取り上げます。以前に好きでたまらないVCA COMPRESSORについては記事にしました。
LA-2Aタイプのコンプレッサーは、UAD,IK Multimedia,Waves、あとはNI(あれはVC-2Aという名前で、作っているのはSoftube)からも出ています。他にもいくつかありますね。
どれも持ってるんですけど、個人的にはSoftubeのOpto Compressorが優勝です。
そしてSoftubeはアナログサウンドであっても利便性を上げるためなら、実機にないパラメーターを加えてあるのもいいところ。簡単、便利、そして素晴らしい質感。おじさんがメロメロになっちゃうのは仕方ないと言えましょう…
時々、Softubeは「頭がおかしくなったのかな。気候が悪いからかな…」と心配になるセールをやるので、そういう時に購入されるといいと思います。
去年まではここまで円安ではなかったので、Music Ecosystemsで買うことが安いことも多かったんですけど、最近はPluginBoutiqueか公式が安いことが多いです。確認されてから購入してください…
バラ売りもありますけど、使ったらどうせ欲しくなるので3つまとめたもののリンクを貼っておきます。
定価で買ったけど全く後悔してないですね。
LA-2Aの開発者であるJim Lawrenceに関してはこちらに素晴らしい記事があります。アメリカのエンジニア、軍で研究開発していた人多いですよね。Tom Dowdもそうだし。APIのSaul Walkerもそう。ボコーダーもそういう技術ですもんね。
LA-2A、特に、重要なパーツであるフォトセルのT4については関しては詳しい説明がこちらにあります。いやあ、こんなの良くモデリングしようとしましたね…
入力信号が連続するとアタックタイムが可変するって、適当に使う以外に方法がないのでは…
こちらは書籍。眺めてるだけで楽しい。LA-2Aも当然記事があります。フォトセルのバージョン違いなどについても記述があって面白かったです。いやあ、歴史がある機材はパーツの変遷もあるから大変ですね…
Opto Compressorのいいところ
何と言っても質感ですね。音源聞いていただければおわかりのように、色気がありますね。高級感があるというか…
なじまないものをなじませてくれる。
Driveを上げれば、いい感じのサチュレーションが乗るので前に出すのも難しくない。
レシオは固定で3:1、Limitでは∞:1、アタックタイムが10msec,リリースタイムの半分が60msec,残りはソースによって可変するという言う事ですが、まあ、そんなの意識しなくても使えます。仕組み上アタックタイムも可変するのなら考えても仕方ないですね。
とにかく簡単です。好きに使ってええということですね…
操作が簡単
だって主要なツマミは2つしか無いですからね…蛮族でも使えます。
Distressorや、デジタルコンプのように何でも出来るコンプでは全然ないですが、「ああ、あの音ね…」という感じにしてくれます。たまらないですね…
ピアノ、ベース、ボーカルなどで使うのが定番な組み合わせだと思いますけど、ギターに使っても味わい深い…
Softube全部に共通していることですけど、プリセットが良く出来ています。
インプットゲインを適切に設定して、ゲインリダクション量がこれくらいかなと調整すれば簡単に使えるのは便利ですね…
VUで0dBを-18dBに設定してという基本的な使い方で快適に使えています。
アコギなどに軽めに掛けるのにも実にいいですね。
エレキギターに掛けてみました。
SoftubeおじさんとしてはLA−2Aのモデリングも実にいいぞと言いたい…
— うりなみ (@urinami) April 3, 2024
ギターに掛けるのも気持ちいい。
インターナルサイドチェインがあるので、使いやすいです。
いやらしい感じのギターに掛けると気持ちいい。
脅威の4サンプルなので掛録り出来るレベルですね… pic.twitter.com/5tD2hLlq91
言うまでもなく、質感は素晴らしいですね。ぬるっと掛かりますね。
ぬるっとという言い方が適切かどうかわからないですけど。
ベース、ドラムに掛けてみました。タッチが荒いベースなどに深めに掛けても良い感じになじませてくれますね。-7db以上ゲインリダクションしてますけど、全然問題ないですね。むしろいい感じでは…
プリセットを微調整しました。
SoftubeのOpto COMPRESSORはやっぱりいい。タッチ粗くベースを弾いたものに深めに掛けた。
— うりなみ (@urinami) May 24, 2024
前半オフ。後半オン。
高級感と言うかいやらしい感じになって最高ですね…
Driveもあるので、前に出すのも簡単です。ドラムにも掛けてます。とにかく簡単なのと、おじさんにはデカく出来るのが最高です… pic.twitter.com/EJAGCeC7oT
追記:2024/06/04
ピアノにかけてみました。素晴らしい質感ですね… 超オールド・スクールにしてみました。
いつもよりもっと古い質感に出来るか実験。
— うりなみ (@urinami) June 4, 2024
自分の技術だとこれ以上は難しいから、一旦終了。 pic.twitter.com/HOM82rUVIB
現代的な機能がある
Softubeの全てのエフェクトに共通しているのですが、サウンドはアナログサウンドでも機能性を損なわない。これが他のメーカーと結構違うところでしょうね。
実機とは配置も変えますし、単独でサチュレーションをコントロールできるのは素晴らしいです。
増幅する部分が実機は真空管。歪ませてるけど、音量を上げないなんてことも簡単にできます。この歪みが実にええんですよ…
特に入力信号と出力信号のレベルを自動で同じに調節してくれるのは騙されなくて嬉しいですね。音がデカくなると簡単に騙されてしまいますからね。
実機のLA-2Aに比べて大幅に機能強化されているのがわかるのではないでしょうか。
また、スケーラブルなので小さいものが見えにくいおじさんには嬉しいですね…
レイテンシーが低い
これはPC上でモニターしながら演奏する人にとっては嬉しいんではないでしょうか。
脅威の4サンプルです。0.083msですからね。
どんなに音が気に入っていても、演奏するのに厳しいものは使いたくなくなっちゃいますからね…特に演奏しながら制作している人には嬉しいと思います。
OPTO COMPRESSORの説明
実質的にはCompressionとOutputの2つだけで音作りが出来るので、一応書いておきます。メモ代わりです…
OPT COMPRESSORもVCA COMPRESSORと同じく3つのセクションに大まかに分かれています。
LA-2AではPEAK REDAUCTIONが右側にありますが、Compressionとなり左側にあります。
圧縮、オプション、増幅という3つのセクションと考えるとわかりやすいですね。
信号の流れと考えるとわかりやすいですかね…
左側から見ていきます。
- TIME Attackとリリースが可変します。実機のLA-2Aは初期型、UREIが作った時期など、製造時期によってタイムコンスタント(アタックとリリース)が変化するとのことです。
初期型がもっとも遅く、ストリングスなどのアタックが遅いものに適していて、60年代中期は真ん中くらい。ギター、ボーカル、アコギなどに良いとのこと。UREIの作っていた時期はパーカッション類などにも良いとのことです。トランジェントが鋭いものという言うことですね。
この違いはフォトカプラーという圧縮のための光素子の違いらしいんですけど、まあ、ソースに合わせて選べばいいと思います。UADなんかだと同じLA-2Aなのに複数あるのはそういうわけですね。一つで済むのは便利。実際、ソースに合わせて、適当に弄っていい感じになるだけでも十分使えます。 - COMPRESSION MOREの方向に回していくとよりコンプが掛かる。スレッショルドを下げていく感じですね。これとアウトプットで音作りするのが基本です。簡単で嬉しい。
- SIDECHAIN EMPHASIS インターナルサイドチェインのフィルターですね。5が初期値。ドラムバスで使ったりする時低域に引っかかって困るという場合は右に回せば良い。ソースによって調整すればいいですね。
Softubeの場合Option+クリックで初期値なのは覚えておくとはかどりますね。
真ん中です。実機にないものも結構ありますね。CompressとOUTPUTセクションで追い込めないところをいじったりするとよいのではないでしょうか。
- Compress/Limit レシオを変更します。Comperssだと3:1、Limitだと∞:1ですけど、Compressしか使ったこと無いですね…
- HF/Makeup VCA Compressorにもついてますね。コンプ掛けたときにちょっと上が鈍るところありますけど、そうじゃなくしてくれる。ちょっとハイ欲しいなと言うときに便利ですね。
周波数に依存するレシオのようなもので高域のレシオを動的に変更してくれるとのことです。気が利いてます。ベースのタッチミュートなんか結構あるとないとでは変わりますね。ギターだとからピッキングの感じとか。地味にミックスでは差が出ます。 - SIDE CHAIN PUNCH これも賢い。サイドチェインにローカットとハイブーストのイコライザーを追加するとのこと。中高域を強調することが出来ます。低音が出過ぎでラインが見えにくくなるベースラインなんかにもいいですね。
- ステレオリンクとデュアルモノの切り替え ステレオでコンプがかかって欲しいかモノラルでかかって欲しいか切り替えます。マスタリング用途でしょうね。
VCA Compressorでも便利だったHF Makeup,Sidechain PunchはOPTO COMPRESSORでもあります。こんなのはじめは「使わんやろ…EQ使うし」と思っていたんですが、思った以上に使いますね。
なくてもいいけれど、あったらすごく便利。
右側です。
- EXTERNAL SIDECHAIN 外部サイドチェインのボリューム調整です。
- OUTPUT 出力音量の調整ですね。COMPRESSIONで圧縮量を決めて、圧縮した分OUTPUTで音量を戻す。繰り返しになりますけど、これだけでも使えます…
- Drive サチュレーションです。OUTPUTを上げなくてもサチュレーションを加えられるわけですね。便利。
- Dry/Wet パラレルコンプレッションが出来ます。
まとめ
発売されてすぐに購入して、ずっと使い続けているんですけど楽しいですねえ…
一気に自分が好きなレコードで聞いたような音にしてくれる。定番ですけど、LA-2Aと1176の2段がけなんかも楽しいです。
定価で買ったけど全然後悔してないですね。いや、本当ですよ…
自分は、ボーカル、管楽器、ベース、ピアノ、アコギ(ストロークじゃないやつ)、エレクトリック・ギター(リード)に使うことが多いですかね。
プリセットにドラムがあって、ドラムには使うイメージがあんまりなかったんですけど、使ってみたらこれもなかなか良かった。
とにかく簡単です。調整は出来るものの実質ノブ2つだけで出来る。
パラメーターは明快で何をいじっているのかわからないことがない。
私のようなオールド・スクールな人間がアナログごっこするのには実に良い。
高機能な賢いコンプでオートで設定してくれるようなものも便利ですけど、そういうコンプとは違う。音色を求めて使ってますね。
簡単に音作りできるのも素晴らしい。HF/Make UpやPUNCHあると、後でEQしたりというのを減らせるんですよね。自分が好きな音になるから、楽しく作れる。
私はConsole1とConsole1 Faderのユーザーなんですが、Console1があるともっと楽しいですよ…
コンプセクションに組み込めるのでそれはもう流れるように作れます。
画面見なくてもさっと音作りできる。音楽に集中できるんですよね。
どんどん体力も落ちていくし、移動もそれなりにあるから機材を持ち運ぶなんてことは出来ないんですけど、プラグインなら関係ない。
Console1とPCなら持っていけますしね。いい時代になりました。実機を揃える事はできないけれどプラグインなら可能ですしね。オールド・スクールな遊びが出来る。
Softubeでアナログごっこも楽しいですよ!
いろいろSoftubeの記事があります。
ちょっとずつ揃えて楽しんでます。色々動画やら調べたものが多いので記事は長めです…
全部記事は書きたいですね。今度はFET Compressorにするかな…日本一のSoftubeファンブログを目指します…
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