Ableton12の大きなアップデートはMIDI変形ツールや生成ツールといった新機能が加わったことです。
今までと違って、生成ツールなどでユーザー定義したものが使えるようになりました。M4Lで作ったものを使えるようになったと言うことですね。
え、今までのM4Lデバイスと何が違うのと言うと、トラックにいちいち立ち上げずに使えるということですね。MIDI Toolから使えます。
そのうち面白いものがでてくるだろうなと思っていたんですけど、出てきました。
今回紹介するM2TM CHORDSはなかなか便利です。€15ですけど、十分その価値はあると思いました。
Ableton12のSuiteかM4LがあるStandardしか使えないのがちょっと残念なところですかね…
コード進行版のM2TM Progressionsもあります。こっちもまたレビューします。人によってはこの2つあればかなりのことができるんじゃないでしょうか…
MT2M Progressions
— うりなみ (@urinami) July 28, 2024
Ableon12のMIDI Toolsに組み込めるもの。これはコード進行パターン集。
セカンダリー・ドミナント含んだものから、同主短調からの借用和音が入ったものなどスタンダードなものから変わったものまであり。
刻みを変えられるのが大きいか。
€15 pic.twitter.com/wzZIGCw4MD
M2TM Chordsの便利なところ
なんといっても、コード進行をローマ字で打ち込めるということです。
Ableton12でStackというコード生成ツールが使えるようになったのですが、コードタイプを選択するタイプでモーダルなものを作る以外には使いにくい。
M2TM CHORDSなら簡単です。高速で打ち込めますね…楽しい。
鍵盤できる人にもメリットはたくさんあります。
ベタ打ちの方が良いジャンルとか、入力した後、クオンタイズしてベロシティ揃えるよりタイプしたほうが速い場合はありますよね。
また、出先で鍵盤使えないときなんか便利では?
コード打ち込んでしまえば、メロディはPCキーボードで打ち込むことも出来ますしね…
鍵盤は出来ないけれど、コードの知識はあるというノン・キーボディストのプレイヤーにも嬉しいんじゃないでしょうか。マウスで入力するより速いですし。
M2TM Chordsで出来ること 純正のStackより優れているところ
インストールなどちょっとフォルダにコピーしたりする必要があるので、M4Lとは少し異なるので、マニュアルはご覧になったほうがよろしいと思います。
最新バージョンではダブルクリックしただけでもインストールできましたけれど。
純正のStackに比べると、こういうところが違います。
- ローマ字で入力できる(最大のメリットです。鍵盤を弾けない人にとっては、コードネームで一気に打ち込むことが出来るので、超時短になります。)
- コード進行をまとめて打ち込める(Stackと違ってコードを正確に指定できる)
- 実用的である(omit,テンションコードなどを打ち込むことが可能)
- 転回型を簡単に作れる(実用的なコードだから、Stackより打ち込むのが速い)
- 移調が簡単にできる(Stackと違って、コードネームで記載されるのも便利なところ)
- オープンボイシングを作ることが出来る。
- ルートレスボイシングが作ることが出来る(アンサンブルなら、ベースに任せてルートは省略するのは普通なので、手間を省けます。)
- ベースをダブリング出来る(ピアノ弾き語りなどでは、ルートをダブリングするのは普通なので、鍵盤弾けない人が打ち込むときには重宝すると思います。)
- スムーズなボイスリーディングを作ることが出来る(ストリングス、パッドなどで便利、ボタン一つで自動でやってくれる)
- 繰り返し指定が出来る。(前もって、8小節や16小節の進行を打ち込むことが出来る)
- 同一音をレガートモードで繋げることが出来る。(ストリングス、パッド、コーラス、ホーンセクションなど持続音が続く場合には非常に便利では…?)
- コード進行を打ち込んだ分をループにしてくれる(長さを調節する必要がない)
- 音価の入力が記述できる(2分音符、4分音符、付点8分音符などが入力できる)
実際、どういうところが便利なのか動画に撮ってみました。強力なのがよく分かると思います。
M2M Chordsが純正のStackより便利な点を取り上げてみます。
— うりなみ (@urinami) July 28, 2024
・ルートレスボイシングが作れる
・ベースのダブリングが出来る
・移調が簡単
鍵盤的なものが簡単に出来ますね。
・オープンボイシングなどの切り替えが出来る
・転回型が見やすい pic.twitter.com/V1WHSUyt6N
M2M Chordsが純正より優れているところは他にもあります。
— うりなみ (@urinami) July 28, 2024
・ボイスリーディングをスムーズにしてくれる
・共通する音を一音にしてくれる
ストリングスやパッドのラインをつくる人には便利では?
Ableton12.1で新たに加わったグリッサンドと組みあわせたらいろいろ捗りそうです… pic.twitter.com/JmNnoWT7Jo
他にも、コード進行そのものを打ち込めるものなどあるようなので、いろいろ試してみます。
インストール、フォルダにAmxdファイルを移動するとあるのですが、ダブルクリックでも問題なく出来てます。
なかなか可能性ありますね!
特に、同一音が続く場合にLegatoにしたりする機能や、スムーズなボイスリーディングを作る機能と組み合わせたらなかなかおもしろいことが簡単に出来そうですね。
追記:2024/07/28
ナチュラルテンション+オルタード・テンションも作成可能です。
MTM2 Chords,試してみるとマニュアルに載っていないものも結構出来ますね。
— うりなみ (@urinami) July 28, 2024
典型的なLydianのボイシングなんかも記述できます。
ナチュラルテンションとオルタードは9thで記述したらいけます。 pic.twitter.com/eqx6tSUZqR
初めに4和音を指定してから、オルタードテンションを指定すればオルタード・テンション2つも作れます。マニュアルには書いてないコードも入力できます。
Sus2なども記述できる。これも書いてなかったけど出来ますね。
追記:2024/07/29
音価なども記述できます。これあるとかなり便利だと思います。
- 「:」 2分音符
- 「;」 付点8分音符
- 「.」 4分音符
4分の4拍子で全音符を表現したかったら C79::など記述すればいいということですね。
「::」2つで4分の4拍子の全音符を表現出来ます。ざっとした進行ならこれで打ち込めちゃいますね。
追記:2024/08/31
M2TMChordsのデバイス版が出ました。M4Lであることは同じですが、MIDITOOL(生成、変形ツール)ではないのでAbleton11Suiteでも使用可能となっています。
Suiteである必要はあるのですが…
Ableton11ですでに安定したシステムを構築されている方や、Ableton12のMIDIToolsは必要ないけれど、コード入力だけしたいという方には嬉しいのではないでしょうか。
メリットしては、MIDIマップが可能なので、多用される方にはMIDITOOLSより高速に作業出来るかもしれません。
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