Chordcat日記3日目です。
前回はChordcatを接続したわけですが、今回は実際に打ち込んでみようと思います。
前回、PCの接続が出来るか挑戦しました。マニュアルを読めば特に難しいことはない。じゃあ、実際にPCでコードを設定してやってみることにします。
オートパワーオフに注意
今回、きっちりTrack MIDI OUTの設定をしてうまくいくはずなのに、何故かうまくいかない。MIDIが認識されなくなってしまう。絶望や…
Menuから確認してみると、Track MIDI Outの設定がデフォルトに戻ってるようです。どうもパワーオフされているようです。
PCで常設して使いたい人にとってこれでは困りますね。
で、マニュアルを見ると設定がありました。
[Menu]
ボタンを押してメニュー画面を開くSystem Settings > Auto Power Off
を選択[<]
または[>]
ボタンで「Disable(無効)」を選び、[Enter]
ボタンを押す
これで問題なく使えます。
コード演奏のコードを設定しよう Chordsetは2種類に分けられる
おおむねプリセットを試してみましたので、Chordcatをコード作成支援として使ってみます。DAWベースで使いたい人にもなかなか面白い機能がありますよ。
気に入ったコードをプロジェクトとして本体に保存しておけば、今後はそこを起点にして作ることも出来ると思いますので、今回はプロジェクトを作ってみます。
Chord Catで新しくプロジェクトを作るには、以下の手順で行います。難しいことはないですね。
[Menu]
ボタンを押してメニュー画面を開く[<]
または[>]
ボタンで「Project」を選択し、[Enter]
を押す- 「Create New」を選び、再度
[Enter]
を押す - 「OK」を選んで
[Enter]
を押すと、新しいプロジェクトが作成されます
一回使い方がわかったらかなり面白く遊べる。
Chordsetというモードは、大別すると2つのタイプに分けられます。
コードタイプ別
コードを入力したい人向けでしょうか。コードネームをみて打ち込みたいんだけど、今一つわからないという人に向いているのでは?

Shiftキーを押したままCruiserボタンを押します。左右でコードセットの切り替えですね。
Chordcatは操作が整理されているなと思ったのは、コードに関しての大きな機能は基本的にこの中央部に集中してるわけですね。グレーアウトしているところでChordsetとVoicingにアクセス出来ます。
コードタイプの場合は同形のボイシングがクロマチックで1オクターブ上まで並びます。
Cmaj7,C#maj7と言う形になるわけですね。全て基本形です。
- Minor Minorのトライアドです
- Major Majorのトライアドです
- 7th ドミナント7th 4和音
- min7 マイナー7 4和音
ドミナント7系統だけでブルージーなものを作りたいという人がChordcatを使うという事はないと思います。
ですので、テクノでもモーダル・インターチェンジしていくものを作りたい場合なんかに良いんじゃないでしょうか。
もちろん、調性音楽を作りたいなら、初めにコードタイプでメジャー系統、マイナー系統をアサインして、そこからコード進行を提案してくれるCruiserを使えばいいわけです。
「え、初めのコードのタイプを変えたいんだけれど、どうしたらいいの?Cruiserモードって、次のコードを提案してくれるわけで初めのコードを変えられないの?絶望…」と思われるかもしれませんけれど、大丈夫です。
そういう場合はVoicingで変更すればいいわけです。
やりかたは以下の通りです。
- [Chord]ボタンを押して、コードモードにする
- SHIFT(oボタン)+[Chord]ボタンを押すと、「ボイシング候補コード」がXYパッドに表示されます
- XYパッドに表示された候補の中から、異なる響き(ボイシング)を選んで、任意のキーボードにアサインがで来ます。点滅するのですぐわかります。
Voicingの注意
Chordcatでは一般的な意味でのボイシングの設定は出来ません。転回形とDrop2,Drop2&4などそういうタイプを任意で選べたりはしません。
でも、 Chordcatのコンセプトを考えるとこれでいいのだと思います。そういう人はChordcatを購入されないと思いますし。
触っていい感じのコードを探して遊ぶ。こういうことに関してストレスなく出来る。
面白いなと思ったのは、ドミナント7th系統でメジャー・トライアドだったり、メジャー7th系がアサイン出来たりすることですかね。
マイナーだとクリシェを作る前提ですかね。マイナーメジャー7が入っていたりするので、文字通りいろいろ試しながらアサイン出来る。
鍵盤弾けない人にとってはルートが同じくさまざまなコードを弾けることはメリットが大きいと思います。直感的ですよね。
指定は出来ないですけれど、転回形やオープンボイシングも入っています。
PCで使うことを考えると、ChordcatをMIDIキーボード代わりに使って入力して、ちょっとボイシング変えるなんて使い方は実用的ですね。
鍵盤が弾けない人にとっては、ああ、こういうボイシングがあるんだと言うのは、勉強になると思います。
コードだけ弾けてもボイシングやボイスリーディングを考慮してないと「なんか違うな…」となることが多いと思います。
ですけど、こういうのをさっと、Voicingで試してみることが出来るのは、「コードがある音楽をやりたいんだけれど、鍵盤が弾けないしなあ」と思っていた方には嬉しいかと。
ジャンル別
こっちの方が曲を作りたい人には良いかもしれませんね。機能別ではなくて、ジャンルでコード進行が入っているわけですね。さくっと印象を書いておきます。
- Rock 面白いなと思ったのがハイブリッドコードがはいってるところとメジャーはトライアド。マイナーは7thとらしい感じでした
- Soft Rock テンションコードがそこそこあるのとスムーズなボイスリーディング考えてベースが半音下降するような形にしてあったりするので、ポップスを作りたい人も楽しいかもしれません。最後にトニック持ってくるところが小粋ですねえ。
- Future Pop sus4やハイブリッドコード系を使ってるので、お洒落に聞こえるんじゃないですかね。add9の3度ベースとかええ感じのものが入ってます。このプリセット作った人はsus4系とハイブリッドコード系統が好きなんでしょうねえ。
- Piano Rock Piano Rockとありますけど、メロウなR&Bなどにも使えそうです。
- Oldschool Rave ドリアンモードでどんどんモーダルインターチェンジしていくような曲にも使えそうです。
- Emotional ど頭にハイブリッドコード持ってくるのはなかなか攻めてるなと思いました。
- Horror マイナーメジャー7やディミニッシュなどがあるので、もちろんホラー的なものにも使えると思いますけど、ダークな曲調の物を作るのも楽しいんではないでしょうか。
OctaveとTransposeに注意
これ、コード一つに対して、Octaveの上下などが出来るかと思ったのですが、そうではないんです。全体が変更されます。あれれと思いましたけど、大丈夫です。

アサインしてあるコードはこちらで上げ下げ出来ます。ホワイトアウトされているところは、左右矢印でコントロール出来るという原則通りですね。
まとめ
さっと使うのであれば、デモ曲のコード進行の一部を使うなんて遊び方も楽しめますし、いろいろ可能性ありますね。
もっといろんなコード進行を試してみたいというのであれば、Chordsetでジャンルがあるものを使ってみても良い刺激になると思います。サンプリング的な感覚で遊べるかと。
自分なら違うボイシングにするよなあとか、へー、ここでこのボイシングを使うのかという刺激がありました。
ただ、ありものだけ使う場合、Chordcatは、MaschineやMPCなどのコードセットよりプリセットが少ないということになってしまう。
Chordcatの真価は、VoicingとCruiserモードにあります。このことで一気に活用法が広がります。この2つがあることで、Chordcatは他にないコード支援マシンになる。
知識がなくても、良い感じのものを作ることが出来る機能です。知識があっても面白いと思いますけどね…
一般的に言われるVoicingとは全く違うので初めはびっくりしたんですが、知識がなくても楽しめるということを考えると、ああ、確かにと納得出来ました。
Chordcatはちょっと一般的なコード表記と違うところがあるので、それはまとめますね。
普通にコード進行をみながら入力して変形してみたい方にも役に立つと思いますので。
おそらく、みなさん気になっているだろう、Scalerなどとの違いも掘り下げていく予定です。
結論から言うと全く別物で両方あっても楽しめるんじゃないかと思います。
楽器奏者でダイアトニックコードを弾いて練習してみたいという人ならScalerが良いと思いますが、「コード進行の本を読んで打ち込んだものの、なんか違う…」と思う方は、Chordcatの方が楽しめるかもしれません。
コードセットを作った人は明確にクラブミュージック的な和声感がありますね。
モーダルなものがこれだけ多いのは非常に個性があると思いました。
次回はCruiserモードがどのようなものか見ていきます。
Chordcat、なかなか面白いです…
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