PUSH2の運指ルール
さ、前回は度数の考え方を説明した。今回はクロマチックの運指方法を考えよう。これを理解することでPUSHでメロディ、コードを弾く時のポジション選択が体系的にできるようになる
では、見ていこう。
これが半音階(クロマチック)の音名をC1が左隅にくる基本レイアウトの音名や。
基本は5パッド(クロマチックの場合)
は?という感じやね。
C1からクロマチックを上昇して演奏する場合は、C1からE1まで弾いたら、上のFを弾く。右横のFは弾かない。
次F1からA1まで弾いたら更に上昇。5つを一つの塊として考える。シングルノートの場合はケースバイケースやけど、両手で弾く練習は必ずしたほうがいい。
なぜか。鍵盤を弾く人なら、両手を使うのは割と問題なくできると思うけれど、それ以外の楽器をやってきたプレイヤーはどちらかに偏りがあるから。最終的には右手、左手、両手で弾けるのがいいんだけれど、まずは両手で弾けるようになるのを目指そう。
このメリットは移動が最も少ないということやね。つまり、高速に弾ける。早く弾けることは演奏においては非常に大事。楽に弾けるってことだからね。そして、運指を固定できる。
これが基本の5パッド。基本的に左の2つのパッドは左が担当すると考えてフィンガリングすると簡単かな。
自分は左3本、右2本、左2本と右3本でクロマチックを弾くことが多いな。これは、指の分担の話ね。
これを左1ポジションととりあえず呼ぶよ。左側の1番目でスタートする場合。
この命名のルールは
- 最低音が右半分にあるか、左半分にあるか
- 右半分なら、右の何番目から開始するか。
- 左半分なら、左の何番目から開始するか。
- 右半分から開始するのものは右手で弾く。
- 左半分で開始するのものは左で弾く。
- 最低音からスタートして、最低音を含む左から5つのパッドが基本ポジション(まず、これを覚えて)
これは最低音が左半分。そしてC1だから左の1番目だね。
追記:2018/06/24 練習論 初めに練習する意味がわからないと効率が悪くなるので、パターン化する意味について話してます。即興演奏、作曲で演奏で思考を節約するためにはパターン化が必要だという話をしています。
追記:2018/06/24
基本ポジションの考え方について話しています。命名規則、5つでグルーピングすることについて話しています。
C#1から始まる場合
これは左2ポジションと呼ぼう。
- 最低音が右半分にあるか、左半分にあるか
- 右半分なら、右の何番目から開始するか。
- 左半分なら、左の何番目から開始するか。
- 右半分から開始するのものは右手で弾く。
- 左半分で開始するのものは左で弾く。
- 最低音からスタートして、最低音を含む左から5つのパッドが基本ポジション(まず、これを覚えて)
クロマチックを上行する場合はC#1からF1まで弾いたら上の行のF#1にいく。
もちろん、これはC#1からD#まで弾いてから2行目のEを弾いてもいいんやよ。でもこれはポジションチェンジが起こってしまう。クロマチックの半音上昇、下降はよく使うだけに単純化したいからね。余裕があるパッドフレンズはやってみてくれ。
なぜ、こういう考え方が必要なのか
PUSHは8*8のパッドや。ギターやベースと違って、同一弦上で1オクターブ弾くことは出来ない。そのため、ポジションチェンジをスムーズにする必要がある。
じゃあ、C#(Db)から始まるマイナートライアドを弾くとしよう。C#,E,G#だよね。これ、C#からスタートしたら、マイナー3度を左側で弾くことは出来ない。ということは、右で短3度を演奏することを選択するしかない。
どのポジションで弾き始めるかで運指の可能性は変わるってことだね。
当然右ポジションもある
え、さっきのと同じって思ったよね。そうだよ。同じです。
じゃあ、右3ポジションFからクロマチックを弾こう。
じゃあ、ルール再確認ね。
- 最低音が右半分にあるか、左半分にあるか
- 右半分なら、右の何番目から開始するか。
- 左半分なら、左の何番目から開始するか。
- 右半分から開始するのものは右手で弾く。
- 左半分で開始するのものは左で弾く。
- 最低音からスタートして、最低音を含む左から5つのパッドが基本ポジション(まず、これを覚えて)
これは右半分にあるね。
だから右ポジション。
右の3番目から始まるから右3ポジョン
でも、右側には5つのパッドは展開できない。
ということは次はつぎの半音上は左に4つ、上に一つになる。つまり左2ポジションと同じ。
でも、右3というのは、最低音がが右側か左側かでフィンガリングが変わることを意識してほしいから。
ボイシングのときに半分で分割する見方が有効だから。
まあ、これはF1から始めるクロマチックを演奏するなら右3ポジションて開始してもいいけどね。これはケース・バイ・ケースだよね。
半音の動きなら、5パッド単位が最もポジション移動が少ないということになるよね。
応用編
いくつか選択肢はあるけれど、5パッド単位で考えるのは同じだよ。追記:2018/06/21
じゃあ、ルール確認
- 最低音が右半分にあるか、左半分にあるか
- 右半分なら、右の何番目から開始するか。
- 左半分なら、左の何番目から開始するか。
- 右半分から開始するのものは右手で弾く。
- 左半分で開始するのものは左で弾く。
- 最低音からスタートして、最低音を含む左右5パッドで弾く
最後だけルールが変わってるね。これは応用編。
今回は右3のFからスタートしてみよう。
右3ポジションでFを弾く。右側に5つポジションがないので、左3ポジションと同じ運指にするのが普通のやり方だけど、応用編は最低音を含む左右5つで考える。
右横でF#1を弾いてから、つぎのG1は2行目で弾く。とりあえず5つを1ブロックとして考えてる。
2行目からは実質的には左3ポジションと同じ。
当然、もう一つあるよ。
じゃあ右3ポジションで考えよう。
- 最低音が右半分にあるか、左半分にあるか
- 右半分なら、右の何番目から開始するか。
- 左半分なら、左の何番目から開始するか。
- 右半分から開始するのものは右手で弾く。
- 左半分で開始するのものは左で弾く。
- 最低音からスタートして、最低音を含む左右5パッドで弾く
拡張されたルールだね。
右3ポジションでF1を弾いたとしよう。
右側に5つパッドがないのは同じ。F#1,Gは1行目で演奏できる。G#1からは2行目で演奏ということになる。こういうふうに5つ単位でとらえることで、半音の移動が単純化できる。が、基本的には左から5つでまず覚えてほしい。フィンガリングのパターンが増えると混乱すると思うからね。
慣れたら、どれも簡単に選択できる。5つのパッドが半音で動くときのユニットと理解してくれるとええかな。
コードを半音ずつ下降してみよう
C2からCメジャーのトライアドを下降するパターンをひいて下降していくとこのパターンの有効性がわかると思う。
半音ずつ下降する場合はフィンガリングの可能性は2種類になる。
- 左1つ
- 右4つ、下に1つが半音下になる
まあ、当たり前だよね。
コードを弾くときは左右を分割して考える
ここからは、コードを押さえる場合のフィンガリングの話ね。クロマチックの運指の話とは違うからね。
ここからは、パッドの右側、左側に二分割して考えて。
は?て感じだと思うけど、非常に有効な考え方やと思うよ。主に片手で弾けるコードフォームやと強力なルールと思う。自分は基本これで左右の分担を決定するな。4声でも、テンションコードでもこう考えているからポジションチェンジで迷わない。
さっきの半音のルールを思い出してみようか。
- 左1つ
- 右4つ、下に1つが半音下になる
これ、原則としては、半音移動なら、移動距離が短いポジションを選択する。でも、左側にパッドがなかったら、右に移動するしかない。
そのため、わしは最低音が左側でコードが片手で弾ける場合は、左手、最低音が右側になる場合は右手で弾くと決めている。
そうすると、フィンガリングが単純化できる。どういうことか。右4つ、下に1つ行く場合は右手になる。初見でコードを演奏する場合いちいち考えていたら間に合わない。
もちろん、これも5つ単位で考えても弾ける。でもそれは初めは薦めない。
さっきのポジションの考えと同じでね。まずひとつのポジションを徹底的に弾けるようにしてから、他のポジションの練習をしないと、いつまで経っても演奏できないから。演奏するときには絶対に迷ったらいけない。
はじめの段階では選択肢が多いのは自分は教えてきた経験からやらせないんや。何かをマスターするときにはまず、限定する。そのほうが時間単位での効率が圧倒的にいいからね。
一つのポジション、最低一日1時間一週間以上は練習したほうがいいと思う。なかなか難しいと思うけど、あとで絶対に楽なるから。
ベースラインを入れる場合は、また違ったパッドの見方が必要になるんだけれどね。まあ、それはまた今度。
もっといろいろなポジションチェンジもあるんだけれど、まずこれで慣れるのは有効だと思う。
コードを半音ずつ上昇してみよう
じゃあ、半音上昇の基本
- 右に1つ
- 左に4つ、上に一つが半音上になる
これも同じ様に考える。片手で弾ける場合、最低音が左側にある場合は左手で演奏する。
右側でコードを弾いていて右にスペースが無くなった場合、自動的に半音上を弾くのは右手になる。
ね。言われたらそんなに難しくない。というか当たり前やろ。
でも、まだAbleton PUSH2やMaschine Jamでの演奏法を真剣に考えている人はいないからね。
完全4度音程ということはベースと同じだけれど、右手と左手で分割して音を出すという考え方はない。これは64パッドならではの考え方やよね。
この考え方、スケールを弾くのにも使える。パッドの見方を変えると、演奏難易度は格段に変わるんや。
この考え方を理解するだけで、格段にPUSHは使いやすくなる。本当はもっとあるんやけど、ちょっとずつね。
PUSH,弾けるようなると楽しいな!
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