Operatorで遊ぼう FMエレピを作って遊ぼう
Operatorでドラムの作り方はわかったんで、FMエレピの音に挑戦してみることに。
FMエレピはバブルの音という認識で、子供の頃から苦手やったんや…
でもFMシンセというとやっぱりエレピが代表的だから、逃げたらあかんでしょう。
ということで、考えてみることにしたよ。やってみたら、意外に簡単にできたよ…
いろいろいじったらもうちょっとらしく出来るかもしれないけど、プリセットと『FMシンセの新しいトリセツ』をみたら考え方はわかったと思う。これは4つのオペレーター使ってやったもの。最後に2つのオペレーターで作ってみた。
最後まで読んでもらえると、作れると思う。自分のメモでもあるから、冗長な分析あるけど勘弁してね…
まずは分析
『FMシンセの新しいトリセツ』を参考にしながら作ろうと思ったけど、DX7を基準にしてるから6オペレーターなんだよね。Operatorは4オペレーターだから、当然そこまで複雑には出来ない。もちろんRackを使って工夫したらできるやろうけど、まずはOperator単体で作れるようになりたい。
ということで、プリセットを見てみた。
参考にしたのはこの5つ。プリセットの共通点を見て、『新しいFMシンセのトリセツ』の考えでさらに分析してみるることにした。
- FM Piano1 Classic
- FM Piano2 Decay
- FM Piano3 Dirty
- FM Piano4 Filtered
- FM Piano5 Simple
これらの要素を分類していけばわかるやろ。
まずはアルゴリズム、キャリアとモジュレーターの比、オペレーターのエンベロープ、LFO,フィルター、ピッチエンベロープで分けたら傾向が見えそう。
エンベロープは3系統
- FM Piano1 Classic
- FM Piano2 Decay
- FM Piano5 Simple
この3つは直列2つ。割とストレートなサウンド。
FMpiano3はアルゴリズムが違う。3段直列になっていて、オペレーターCがFixedになっているけれど、levelが0なので、直列2つのアルゴリズムでできそう。オペレーターCをオフにしても、違いがわからなかったから除外。
FM Piano4 FilteredはオペレーターC,Dがモジュレーターで、オペレーターA、Bがキャリア。オペレーターがBのCoarseが8と、通常の音と2オクターブ高いものを変調させるという方式。サウンドを聞くと典型的なFMではなさそう。また、波形もサイン波ではなく、かなり癖がある感じなので、今回は除外。
いわゆる、FMピアノらしいアルゴリズムはオペレーターABの直列と、オペレーターCDの直列を出力した形がスタンダード考えて良さそう。
なので、この3つの共通点を見てみる。
オペレーターの比
いずれも共通しているのが、キャリアが1前後。1前後というのはこういうこと。
Fineが993、965としてあるのはデチューンさせるため。ゆらぎを作るのはFM Classic Piano 1,2,5ともに共通してていた。
理屈を考えると、モジュレーターのCoarseが高ければ高いほど、金属的な響きになる。いずれも11以上だった。
『FMシンセの新しいトリセツ』では、比をこの様に分類してあった。
- 1:1の場合、弦や金管っぽい音 ノコギリ波に近い
- 1:2の場合 クラリネットやハープみたいな音 矩形波に近い 奇数倍音
- 1:3の場合 オーボエや弦のような音 パルス波に近い
- 1:4の場合 クラリネットやハープのような音 奇数倍音
- 5以上 金属的
また、モジュレーターのレシオを少数を含むようにすると、非整数の倍音を発生する。デチューンサウンドを作れる。
キャリア自体も、ピッチを同じにしてないので、揺らすのが基本と考えられそう。
オシレーターの波形
純粋なFMなら、サイン波のみやけど、Operatorは他の波形も設定できる。
Fm Piano2 Decayのみ、モジュレーターがサイン波ではなかった。
Operatorは、自分でオシレーターの波形を変えることが出来るので、モジュレーターで高い倍音を書き込んでもFMピアノとしては成立するんやろうな。
基本はサイン波でOK
エンベロープの特徴
Piano1ClassicのオペレーターA、キャリア
A0、Decayはそれなりに長めとアナログと同じ。Sustaionレベルは0
Piano1ClassicのオペレーターB、モジュレーター
抑えておく特徴は、Decay,Releaseがキャリアより短い。これは、ピアノをならしている間に音色変化があることを考えばええってことなんやろうな。
また、オペレーターA,Cに関しては、ADSRがほぼ同じ。これは音がなる側の音量の時間的変化は同じにしたいということと考えればいい。ここは別にアナログと同じやな。
また、注目するべき点は、モジュレーターのVelが高く設定してあること。モジュレーターに関しては100%から考えて調整すればいいということか。音色変化がベロシティに応じて起こる。
また、FeedBackは、オペレーター一つで、キャリアとモジュレーターの働きをすること。要するに複雑な倍音を生み出す。Coarseが高ければ高いほど、倍音構成は複雑になる。モジュレーターにFeedBackを高く設定するのが基本と考える。
『FMシンセの新しいトリセツ』での考え方を適用するとこうなるんかな。
- オペレータを基礎部分と倍音部分に分割して考える。
- 倍音部分はCoarseの割合を高く、フィードバックを高めに
- モジュレーターはベロシティを高く設定
- キャリアで、低音を強調したい場合は0.5にしてオクターブ下げるのもあり。
LFO
LFOに関してはシンプル。パンだったり、ボリュームを揺らすような形が多いだろうから、サイン波。
- サイン波はゆらぎ
- 三角波はナチュラル
- 矩形波はピロピロ
- S&Hはランダム
LFOのレンジはLowが基本。リトリガーも。
DestBにかける。DestAに掛けるとオシレーターにかかるので、ピッチの変化になってしまう。
トレモロ効果やオートパンの効果が欲しいので、Vol,Panに掛ける。
フィルター
掛けない。金属的にしたいわけだから、いらないということだろう。
ピッチエンベロープ
Spreadのみ。Spreadはコーラス。これは必須。
実験 オペレーター2つでFMエレピサウンドを作ってみよう
今までの物をまとめると、オペレーター2つで、エレピサウンドを作るんなら、倍音部分、基礎部分という2つを1つで担うようにすればできるんちゃう?素人考えやけど。
複雑な倍音がFMの特徴なら、これで出来るんちゃうやろうか
- モジュレーターのCoarseは11以上
- Fineを設定して、非整数次倍音を作り、デチューンさせる
- 波形はサイン波
- モジュレーターBのフィードバックの値を高くすること
- モジュレーターBのベロシティを高くすること
- キャリアのエンベロープのDecayはモジュレーターより短く設定
- LFOはサイン波、Low、Rateは任意。
- PANにLFOを掛けるとそれっぽくなる
- グローバルセクションのトーンを上げてキラキラ感を演出
ベロシティを高く。Decayはキャリアより短く設定、フィードバックは100%
Coarseは高め、そして、FineでちょっとDetuneさせて
LFOはPanに
spreadは72%と結構コーラスを掛けて、Toneを明るめ。
うん。もっといじろうと思ったらいじれるけど、FMのエレピに関しては理屈はわかったかな。アタックのノイズの感じが強いから、そういうときはフィードバック下げればいいのね。あるいは、モジュレーターの音量を下げてもいいのか。
まとめ
うーん。オペレーター2つで作ったやつでも十分それっぽいよね…4つの方もありと言えばありだけど。
で、ちょっとOperatorの動画を見たり、本読んだりして作ってみたけど、あれ、Operatorってかなり簡単では…
アナログシンセの基本的な考え方がわかっていて、プリセットを分解して、理屈を考えて、推論立てたら素直に使えるように思う。アナログだとフィルターやオシレーターそのものの個性が強いと、ええってことにもなるもんね。
もう、ここまで来たら、パッドやらベースやらもやってみるよ。良い機会だし。こういうのは集中してやらないと覚えないし、使えるようにならないのはよくわかってるからね…
で、Rackの説明もできたら、Ableton Liveのサウンドデザインも面白いことわかるもんね。
Operator、わかるようになると楽しいな!
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