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XLN AUDIOのXOは無限にリズムパターンが作れて楽しい

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曲を作るとき、一番時間がかかるのが音色選び。サンプルパックやら自分でサンプリングしたものやらでストレージは溢れかえって、これはなんとかしないと思っていました。

特に一番時間がかかるのはドラム。XLN AUDIOのXOがサンプル管理に優れていると聞いていたので購入したんですが、大正解。

サンプル管理もそうなんですが、それより圧倒的に強力なシーケンス機能とリズムパターン生成力に笑いが止まりません。サンプル管理がメインでシーケンサーはおまけでしょうと思っていたらとんでもなかったです。

サンプル管理も優れているんですが、作っていて楽しい。

気になる音でパターンまず鳴らしてみたら、面白いなとなって、アイデアがどんどん浮かぶ。

作る時の閾値を一気に下げてくれます。いいところ、いっぱいあります。

目次

明快なインターフェース

これ、XLN AUDIOのソフトは全部そうだと思うんですけど、非常にわかりやすいです。

ちょっと敬遠していたのが、この画面。これ、ブラウザなんですね。

色がそれぞれのドラムのパーツやFXに相当するものです。なんだか色がいっぱいですが、なんのことはない。右が高音、左が低音。上が長い音、下が短い音です。30秒も触ったらわかります。

こんな小さいの見るのか…絶望や!となりそうですが、大丈夫です…

で、DAWに持って行きたかったらOptionキーを押しながらドラッグ。LIVEの人はそのままDrumrackにも貼れるのも嬉しいんじゃないでしょうか。マウスホイールで拡大。

キットに選んだサンプルを送りたいときもありますよね。そういうときはこうすればいいです。

XLN AUDIOの他のプラグインの例にもれず、拡大表示ができるのも嬉しいですね…

追記:2022/02/21

フィンガードラムしたい、あるいは、DAWの使い慣れているドラム音源で使いたいと言う場合にもXOは力を発揮します。

Abletonの場合、上記の説明のようにXOのRaw Kit(未加工のキット)、もしくはProcessed Kit(XOで加工したキット)をDrumrack上のパッドにドラッグすればアサインできます。

Studio OneのImapctXTの場合はShiftキーを押しながら Imapact XTのパッド上にドラッグすればそれぞれのパッドにアサインされます。そのままだと使えません。

Maschineでもサンプルとしてキットを書き出して使えますが、ちょっと気をつける必要があります。

XO立ち上げたトラックでやると、そのGroupにXOとキットが立ち上がってしまうので、別のGroupにドラッグするか、スタンドアローンで立ち上げてドラッグすればいいです…

Groupまたぐこと考えると面倒くさいので、スタンドアローンでそういう場合はやったほうが楽だと思います。

スタンドアローンで立ち上げてドラッグするほうが、レイアウトが変えやすい。MIDIラーンがないので、レイアウト変えたい人はこのやり方が簡単だと思います…

GroupAに立ち上げて、Bにサンプルを書き出してます。

MaschineでそのままXOのキットを叩きたい場合はKeyboardモードにすること。C1からキックが始まってます。MIDIラーンはないので、フィンガードラムしたい人はKitを書き出すことを推奨です…

追記:2022/06/11

MIDIデータを移行するときの操作です。

超強力なシーケンサー

こりゃ凄いなと思ったのがシーケンサー。特にBEAT COMBINERという機能です。

それぞれのパートによくあるリズムフィギュアを当てはめるものなんですが、これ、リアルタイムで変更できるので、キックとスネアのパターン試しながらハイハットのパターンをどんどん変えていくなんてことも簡単です。

ランダム機能も楽しい。キックとスネアは変更しないようにして、他を変更するなんてこともできます。気に入ったパターンからバリエーションを作るのも簡単です。

これだけでも無限にパターン作れるんですが、素晴らしいのはプリセットから抽出したパターンというのがあるんですね。文字通り、音楽的に作られたプリセットのなかからとったものなので、音楽的に破綻しない。

それだけでも凄いんですけど、ベロシティがはじめから設定してあるので、選択しただけでちゃんと使えるパターンになります。

また、トラップ的なロール、ベロシティのコントロールなんか、マウスから手を離さず入力できます。入力したもの上下にドラッグでベロシティの変更。シーケンサー部分の下をクリックするとロール。


追記:2021/12/11

ロール部分、ベロシティなどその位置でマウスホイールを使うと、変更できます。いちいちクリックしなくても打ち込みできる。素晴らしいですね…


トラップ的なもの作りたいたいとき超高速で打ち込めます。思考を止めない。

また、7連符系統の跳ね方、5連符系統の跳ね方など、現代のドラマーがやるようなパターンもシーケンサーで設定できます。Abletonなんかだと出来ますけど工夫しないといけないですからね。XOなら一瞬です。

Grooveから選択可能

それも、それぞれのパーツに跳ね方を選択できますから、ハイハットだけちょい跳ねるみたいなのも出来ます。

それぞれの楽器に対して後乗り、前乗りなんかも適用できますし、生き生きしたビートを簡単に作れると思います。

しかも、止まらずにできる。素晴らしいです。

音色の変化も楽勝

例えば、トランジェントなんかいじることが出来ます。

コンプとかじゃなくてトランジェントのところドラッグするだけで調節できるので、パラメータをどうするかとか頭を切り替えなくてすみます。画面遷移しなくてもできるのは快適ですね…

もちろん、アタックを弱めることも出来ます。ホールドやdecayも調節できる。この一画面でエンベロープをコントロールできるわけです。思考を止めない。

凄いのは、これらパラメータをいじるとエンベロープのグラフィックも変化する。実にわかりやすい…

あと、地味なんですけど、サンプル(スパナマークがついているところ)で加工ができます。超便利。どういうことか。

フェードイン、フェードアウトも調整できる。

サンプルによっては、アタックが遅いまま収録されているサンプルパックとかありますね。そういうのも調整できます。

素晴らしいのはステレオをモノにできる。キックなんかは低域をタイトにしたいからモノにしたいけれど、ステレオで収録されているものたくさんありますよね。

AbletonならUtilityを使わなければならなかった。XOならボタン1つです。

めちゃくちゃわかりやすいですね…

作曲段階でミキシングのこと考えずともいける。効きはめちゃくちゃいいです。

DS-10やAD2作ってるだけに、さすがだなと思います。

マスタークランチというのに808というのを選択するとサブキック的なローエンドが加わります。ビット落とし系のものがあったり、このあたりはRC-20を受け継いでるんでしょうね。

R-Bassとかわざわざ加える必要もない。

ドラムのバスにサチュレーション加えるようなことをいままでやっていたことが、XOだけでできちゃいます。簡単すぎる…

そして、この画面だけでそれぞのパーツのハイパスやローパスもコントロールできるので、DAWに持っていく前にある程度処理を終えられます。

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Stylus RMXや、他のソフトとの違い

追記:2021/11/29

XOのサンプル管理機能は、便利だと紹介してきたSample Managerともかぶりますが、ドラムのキットごとに分類してくれるところが違います。ドラムの1ショット管理に適しているということですね。

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持っているサンプルを洗練されたUIで使えるというのが新しい。持っているワンショットのサンプルを今までと違った組み合わせで考えられる。資産を生かしてくれるプラグインです。

豊富なMIDIデータがあることについては、BFD3.0,Addicitive Drumsなんかの生ドラム系統ともかぶりますが、XOはいわゆる生ドラム系統のグルーブを志向してはないですね。

強力なシーケンサーがありますけど、狙いが違う。どういうことか。

画面をご覧いただければわかると思うのですが、タムやライド、クラッシュという項目はありません。

FLEXはFXや金物、タムが入ったりする。

基本は3点セット。エレクトロニック・ミュージックに寄せた作りになってます。キック2つ、スネア、クラップ、ハイハットが2つという仕様がそうですよね。

もちろん、生ドラムの音色で作れないわけではないですけど、タム、ライド、クラッシュがないので、XOは自ずと基本パターンを作ることに主眼を置いているのかなと感じました。

また、3連系統もありません。Battery,BFDなどにあるドラム独自のアーティキュレーションみたいな機能はついていない。そういうのをやりたかったら生ドラム系の音源使ってやってくれということでしょうね。

そして、よく考えると、それで困らないんですよね…

1ショットで音色探してるときって、生ドラムの音そのものが必要なときではないことのほうが多くないですか?1ショットでリアルなドラムサウンドを作るのはそもそも無理ですしね。だから、私には問題にならなかった。

Stylusとは、似ているようでだいぶ違います。

Stylus RMXのように精密にエフェクトを掛けられたりもしないし、変拍子に対応したりもしていない。他のグルーブに合わせて変化させたりということをXOは出来ません。

Stylus RMXはもともとあるパターンを強力に変形できますけど、考えが違う。Recycleからの発想なんですよね。そもそもグラフィカルに打ち込めたりはしませんし。Stylusには普通のシーケンサーはない。

パターンの編集はサンプリングから発達したものですし。サンプラー知らない人にとってはとっつきにくいだろうと思います。

XOは違う。基本パターンを作ることに関して振り切ってますね。エレクトロニック・ミュージックなら生ドラム的なフィルインが必ずしも必要ではないからなんでしょうね。

基本パターンを作るのはべらぼうにXOは早い。

Stylus RMXの便利な機能にハイハットはハイハット、スネアはスネアのパターンを読み込むというのがありますけど、あれ、普通にピアノロールやドラムシーケンサーで管理できたらすごく楽ですよね。

XOは出来ます。Stylus RMXのGroove Elementsみたいに使うことも出来ます。こういうやつですね。

今だと、ハイハットのループを使って、キックやベースは自分で打ち込むというのはよくあると思うんですが、こういうのも簡単。Playlist機能で、自分のパターンを保存できるので、好みのハイハットのパターンがあれば、他のキットオフにして保存するのなんかもありですね。

一画面で、全部のキットのエフェクトや跳ね方、トランジェントやピッチをいじれるというのは他にはない操作性です。とにかく形に持っていくのが早い。

Batteryも、Battery単体でコンプ掛けたりいろいろ出来ますけど、ここまで高速にキットの音色を作り込めない。

シーケンサーの機能、XOはおまけと思っていましたが、全然そんなことはなかった。他のドラム系プラグインとも共存できます。

楽しい

XO、楽しいです。サンプル管理、持っているサンプル全部検索するようにしてみたんですけど、発見がたくさんありました。

今まで、Stylusで目立たないようなループを作ったりすることをやっていたんですが、XOでやってもいいなと思いました。Batteryの音色なんかも読み込んでXOで使えるので、やりたい放題です…

全然使ったことがないキックなんかもパターンで鳴らすと、お、こういうのもありだなと思えるんですよね。類似した音色で別のキットを提案してくれたりします。

音色選びだけに使ってもいいし、XOでパターンを作り込んでもいい。場面によって柔軟に使えます。

作るときはこういう物を作ろうと思ってそれに近づけていく作り方をすることが多いと、時には煮詰まります。

この音はちょっと違うなとなると、ずっと音を探したり、加工したりする。どんどん時間が経つということ繰り返してきました。

でも、XOならまあ、とりあえずこの音で色んなパターン試してみるかという気になります。XO、大量のリズムパターンが入ってますからね。

そしてXOはパターンを変化させることが簡単なので、出来合いのパターンを変えていこうって気楽に思える。

XOで作るのが大変なのは、DAWで編集すればいい。使い方が限定されてないのも素晴らしいですね。

あんまりにも面白かったので、使いながら記事を書いてしまいました。機能を理解するためにいじってるだけでさっと2つくらい作れた。

パラアウトも簡単だから、あとで加工するのも簡単。XO、楽しいですね!

追記:2023/02/11

AbletonのPackを取り込むことはできますが、Abletonの独自のエンコードになっているので、ノイズがかかったような音になるようです。ですので、Packから取り込むことは推奨しません…

追記:2021/12/03 リクエスト頂いていたので、動画を追記しました。

AbletonでXOをオートメーションする場合

一旦、パラメータをアサインすれば、オートメーションをアレンジメントビューで描いてもいいですし、MIDIコントローラーでMIDIラーンしてもいいですね。動画ではPUSHでコントロールしてます。

多くの項目がMIDIラーン可能なので、パフォーマンス用途にも使える。

やってみました。LaunchContolXLはかなりのパラメータがアサインできるので、DJ的に抜き差ししたり、ダブみたいなのやっても楽しめると思います。PUSHだと操作子がロータリー型なのでこういうのは出来ない。縦フェーダーはあると楽しいです。

追記:2021/12/07

XOでサイドチェインを使う方法

これだけ面白いことができるXOなのに、サイドチェインが設定できない。ダッキングしたいのに絶望や!という方もいらっしゃると思うんですが、大丈夫です…

ルーティングを設定すれば大丈夫です。キックをトリガーにしてダッキングする方法を説明します。

Mと表示されているところをクリック。OutputからBusを指定する。

Mと書いてあるところ、クリックすると、どこに出力する選択できます。今回はBus1に設定します。がAuto-Routeで設定すると、Kick1からBus1に設定して、全部のパーツのBusを設定してくれます。

で、任意のオーディオトラックに出力されたトリガー信号をサイドチェインすればいいですね。ここからはAbletonの方法を説明します。

出力するのは音声データなので、Audioトラックを作成。

オーディオトラックを立ち上げます。AudioFromをXOに設定。キックを設定したBus1にルーティングします。

Ableton付属のコンプだが、10.1以降は他社VSTなどでも、Sidechainが可能になった。

サイドチェインコンプを掛けたいトラックにコンプレッサーを立ち上げます。Sidechainを点灯させて、先程Bus1を出力するようにしたトラックをAudio Fromで選択します。

ウッドベースを2dBほどダッキングしてます。ダンスミュージック的にポンピングするようなサイドチェインコンプも使ってもいいし、可能性広がりますね!

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追記:2021/12/29

豊富なリズムパターンがあるので、サンプルパックなんか有効活用できます。Reverbが無償で配布しているリズムマシーンをXOのプリセットで鳴らしてみました。80年代のBoogieとかハウスみたいなのやりたい人にも楽しいパターンたくさんあります。

かなりヘヴィにコンプレッサーを使ったり、リバーブやディレイがらしかったりしてて、なかなか楽しい。

自分でも打ち込めるけどこうやって仕上がった音色で作ることが出来るのはXOの強みですね。

追記:2022/02/11

XO持っている人、拡張パックもセール中です。PluginBoutique限定ですね。

定価で全部買ったけど使い倒してるので満足感ありますね。

一番使ってるのはPreheatedという拡張パック。ヒップホップ、ファンク、それこそBoogieみたいなものにも使えるので、大好物でした…

自分の手癖を離れたいときにめちゃくちゃ使ってます。

これ、なかなかすごいプログラミングなんですよ。7系統、8分音符のスイング、16分のスイングで作ってある。思わずモーダルなものを弾いてしまいました…

最近のジャズだとなまっているように聞こえてるけど、実は違うものって結構ありますよね。7連符とか5連符を基準にしていたりするのも増えた。

J Dilla以降のジャズの流れを汲んだようなビートが収録されてます。

MIDIプログラミングを駆使して作って、勉強になりますね。

グルーブパターンでToo slowって物凄く溜まっているやつなんか、どう使うと思っていたんですけど、この拡張パックではうまく使っていてなるほど、こういう使い方あるんだなと楽しいです。

追記:2023/10/30

Drumrackの弱さを補ってくれるものとしてXOについて話しています。PUSHで使うと便利なことなども。

追記:2024/12/05

Ableton Moveに持っていくときにもなかなか便利です。

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この記事を書いた人

うりなみ(@urinami)です。

無理ない暮らしにずっと憧れていました。

無理なく音楽を続けるにはどうすればいいのか。

環境がないなら作ろう。

紆余曲折あってAbleton友の会を主催しています。

楽しいことが一日の生活時間で増えれば、それはいい暮らし。

ちょっと目線を変える。最後まで主体性を失わないのが私にとっての無理ない暮らしと思っています。

YouTubeやってます。パッド成分、Abletonの話題が多めです。note始めました。

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