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フリーダム・ドリームス: アメリカ黒人文化運動の歴史的想像力

無理ない暮らし
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フリーダム・ドリームス: アメリカ黒人文化運動の歴史的想像力

ブルースが好きだ。ジャズが好きだ。ソウルが好きだ。ファンクが好きだ。ヒップホップが好きだ。

好きなものについて知りたい。音楽だけでなく、そのを背景を知りたい。

良いプレイヤーになる以上に、良いリスナーになりたいと思ってきた。

そう思ううちにいろいろ本を読んだ。

この本は2011年に一度読んだのだが、折に触れて読み直している。他のソウル、ファンク、ジャズの書籍を読む時の理解が深まる。

洋書でも読み直した。歴史書と思って身構えて読むと拍子抜けするくらいわかりやすい英語。文体もリズミカルで特徴があって楽しい。

この本が起点になってわかったことが多いので、紹介したい。

ブラックミュージックが好きな人は、読むと音楽がより楽しめると思う。

特に、古典の『スウィート・ソウル・ミュージック』を読んだあとに読んでみるとよりその時代の空気をリアルに感じられると思う。ネルソン・ジョージの本やベリー・ゴーディーの自伝も再読すると違った味わいがあった。

公民権運動の高まりのとソウルの隆盛は、ブラックミュージックが好きであったら、自然とある程度の知識は入ってくる。

だが、知りたい情報になかなか手が届かない。黒人運動についてはマルコムXやキング牧師、ブラック・パンサーくらい。フレデリック・ダグラスの伝記なども、ブルースの世界の理解には役に立ったのだが、傑出した個人だけを見ても、自分が知りたい音楽を生み出した背景は見えないと感じていた。

フリーダム・ドリームスを読むと、ああ、そうかと腑に落ちることが多かった。

黒人の間のマルキシズムの支持や、中国に対する共感などは全く知らなかった。

そして、音楽が大きな希望だったこともわかる。音楽がたんなる音楽の枠を超えていたのは公民権運動の時代の特徴といえば特徴なのだろうが。

シニシズムに陥ることなく、希望を持ち続けることがなんと困難なことかと思う。そして今ヒップホップが至った立ち位置を考えると苦しい気持ちになる。

surrealismと黒人運動が結びつくとは全く思っていなかったが、音楽の即興性という面からみたら納得できるところもあった。モンクについて、ケリーさんが出した新刊も面白かったので、いずれ紹介したい。

それにしても、差別は深く、広い。

この本では、フェミニズムの視点からも面からも黒人運動を捉えている。ヒップホップやブルースでの女性がどのように描かれているか考えて読むと、新たな知見が得られる人もいるだろう。

この本を通して読むと、絶望的な戦いだったように思えるが、筆者は未来を肯定的に描いている。

希望は実現されなかったとしても、その想像力こそが未来を変える可能性があるものだという躍動感がある主張。感動的だった。

keep on pushingを聞きながら、この記事を書いた。

それにしても、これ、kindleになってないんですね。洋書はKindleでかえます。

追記:2018/07/06 フリーダム・ドリームスはやはりブラックミュージックを理解する上での基本文献だとの思いを強くした。ニーナ・シモンの置かれていた状況はフリーダム・ドリームスを読むとよく分かる

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