The RAP YEAR BOOK SHEA SERRANO
いやー、面白かった。
1979年から2014年までの年ごとに重要な曲を選ぶという観点で構成された本。
単なるディスクガイドと違い、豊富なイラストや、歌詞についての考察、歴史的な背景などがわかる読み物。
超主観的なコメントで、作者のヒップホップ観が現れていてこれも楽しい。
めちゃくちゃイラストがあります。これも味があるんですよ。
ヒップホップはビジュアル面も重要なので、こういうイラストがあるのも嬉しいですね。
特に面白いのがスタイルマップと図表。
ファンキーすぎる図表ですね・・・
これ、50CENTのIN DA CLUBの図表です。知っている人だったらゲラゲラ笑ってしまうのではないでしょうか。
「ドラッグを所持している」
「愛について考える」で吹きました。
これ、N.W.AのStraight Outta Comptonでの罵倒語の回数です。FUCKは134回言ってるのね…
今だと、音楽についての情報は多くネットで得られるけれど、書籍だとまとまって読める楽しみがあるなと痛感しました。
今だとNetflixのヒップホップ・エボリューションと合わせて読むと、更に重層的な理解ができるんじゃないかと。
ヒップホップ・エボリューションがヒップホップの通史を見るものだとしたら、このThe RAP YEAR BOOKは曲やアーティストにより迫ったものといえると思います。
個人や曲から見るヒップホップの歴史です。
歌詞も載っていて、ああ、そういえばこういうことを言ってたなとアルバムを聞き直したりしてたっぷり楽しめました。
あのときにこういう曲を聞いていたかと、期せずして自分を振り返るきっかけにもなった。
自分ではこれが、最重要曲か?と思うのもあったんですが、それもまた自分の視点と違って面白いですね。
個人的にはQ-TipやDJ Premierを聞いて、ヒップホップが面白いものとなった経験があって、もっとビートメーカーやプロデューサーに焦点をあてたものも読みたいなと思いました。
読むと音が聞こえてくるような本。
ヒップホップ好きにはおすすめです。
これ、こんな豪華な作りで採算取れたんですかね…
クインシーは早い段階からヒップホップカルチャーにコミットしていたので、そういう観点からこれをみても面白いと思います。
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